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源氏物語第三部には光源氏がいない!?|岸本久美子先生インタビュー2|弘道館留学番外

第2部の終わりを最後に光源氏は姿を消し、時間が過ぎて始まる第3部。なんと源氏物語から光源氏が消えるとは。源氏物語の基礎知識がない私にとってはびっくりでした。

今回は、源氏物語愛好家の岸本久美子先生のインタビュー第2弾です。
(第1弾のインタビュー「源氏物語は愛と恋の物語(だけ)ではない!? 」はこちら)

インタビューを書き起こすというより、インタビューで聞いた内容を私の解釈でまとめていくというところなので、間違いがあれば私の責任です。

さて、本題です。最愛の正妻であった「紫の上」を亡くした光源氏は、その後、第2部最後の「幻」で、タイトル通り消えてしまいます。

そして始まる第3部からの主人公は、光源氏の息子「薫(かおる)」と、光源氏の孫「匂宮(におうみや)」のふたりに移ります。つまり何年かは時間が進んでいる。このあたりが、なんとなくハリウッド映画の続編やアメリカドラマの次のシーズンの作り方によく似てますね。1200年前の文学として、作者の紫式部は、ストーリーテラーとしてほんと天才。(しかも、いちいち、言葉が高貴で高度で美しい)

薫は、光源氏の「真面目で律儀な部分」を受け継いだような性格。そして「匂宮」は、光源氏の「色男・セクシャルな魅力」を引き継いだような性格。光源氏はこの両方を兼ね備えていたスーパーマンなわけですが、「薫」や「匂宮」はある意味、素質としては「普通の人」です。

「薫」は、表向き光源氏の子となっていますが、父は「柏木」という別の男。ただ体裁上、光源氏の子として扱わざるを得なくなっている、というドロドロがまず一つ。

そして、この「薫」と「匂宮」は、(扱い上の)息子と、自分の孫で「浮舟」という女性を奪い合うという2つめのドロドロを展開していきます。

ここらへんは、さすが源氏物語ですね。特に世代交代していますので、やっぱり「恋と愛」は、エンターテイメントとして忘れてはいません。

ただ、光源氏ほどのスーパーマンはいないので、第3部は様々な人の生き様を描く「群像劇」となっていくのです。

主役がいないなんて、物足りない?いえいえ、そこには、岸本先生が読み取るところによると、作者である、紫式部の深い思いがあるのでは?と考えておられます。それをまた次回、インタビューまとめ第3回で書こうと思います。ちょっと短いですが今日はこれまで。おそらくこのインタビュー記事は次でいったん区切りをつける予定です。

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