11月16日 読書会報告
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
2024年11月16日の午後に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!
この日は新規の方が2名、リピーターが3名の合計6名で散策×読書会。
そろそろ寒くなってきたので、今年の散策付きの読書会はラストです。
「面白くない」と思える本を知るからこそ、「面白い本」が分かるのです。もっとも「面白くなかった」と堂々と語る事自体、なかなかに面白いことであるが。
紹介して頂いた本
松浦弥太郎「いちからはじめる」小学館
暮しの手帖の編集長(当時)である松浦氏が考える、仕事や生き方に対する考え方などをまとめたエッセイ的作品。
たとえば、仕事で大切なのは、相手を思いやる心。日々生きていると毎日が単調に過ぎ去ってしまうように思える中、相手のためになるようなことをしましょう。
社会人になってから、仕事や労働に対する考え方を思ったときに紐解いた本。実際に松浦さんの本を読んでから、掃除に来てくれた方や外部の業者さんにも「ありがとう」と言えるようになりました。
今でも松浦さんの本を、度々声に出して読み返しているそうです。
バーネット「秘密の花園」光文社
両親から愛情を注がれることなく育ったお嬢様 メアリー。流行り病で両親も使用人も亡くなり、伯父の館に引き取られることになる。
館でも冷遇されたメアリーだが、お庭で自然と触れ合う内に、徐々に心が癒えていく。
そんな中、同じように愛情に飢えた男の子と出会うも、館にある「秘密の花園」を通じて、自分自身も成長していく物語。
映画版の「秘密の花園」のエンディングに流れる「Winter Light」が素敵だったため、原作を読もうと思った紹介者。
ラストは小説よりも、映画版のほうが好みだそうです。
安部公房「砂の女」新潮社
男は、砂の中に住む昆虫を捕まえるために出掛けた。ある集落にたどり着いた際、村人から夜が明けるまで泊まるように勧められる。
お言葉に甘える男だが、これは罠であった。男が案内されたのは、未亡人の女が住む蟻地獄のような住居だった。度々訪れる砂嵐により、日々砂を掻き出さねばならず、その労働力として軟禁されたのだ。
最初こそ軟禁状態に苦しむ男。だが突如して気づく。果たして今までの自分は「自由」であったのかと。
設定としてはあり得ない状況を通じて、自由とは何かを問う。悲壮的で、普遍的。だから世界各国で翻訳されているのかもしれない。
ちなみに、著者の安部公房は大の人間嫌いらしく、人間への皮肉が強いのが、紹介者にとっては面白いと思えるそうで。
カミラ・レックバリ「氷姫 エリカ&パトリック事件簿」集英社
先にお伝えすると、この本は「面白くなかった」そうです(笑)
ライターのエリカが地元に帰ると、知り合いが風呂場で凍死していた事件に遭遇する。幼馴染で警察官のパトリックとともに、事件解明に向けて捜査する。
紹介者曰く、何が面白くなかったのかと言うと、1つは物語が全然進まないこと。事件とは全く関係のない人間関係の話が長すぎる。
探偵役は普通の中年二人組。伏線回収やトリックがあるわけでもなく、ミステリーというよりは人間ドラマを見ているかのよう。
北欧ミステリーとして現地では非常に売れている本らしいが、おそらく北欧特有の長い夜が、重厚な物語を求めているのかも(あくまでも紹介者の見解です)。
村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」文藝春秋
多崎つくる(36歳・鉄道の駅を作る仕事)は、2歳上の彼女に昔の話をする。高校時代、非常に仲の良かった友達がいたと。
名前を赤松・青海・白根・黒埜。自分以外には名字に「色」があった。でも僕はずっと「つくる」と呼ばれていた。高校卒業後、4人は地元の愛知県に残ったが、僕は鉄道や建築の勉強をするために東京の大学に行った。
だけど20歳の時に、突然、何の理由も聞かされず、僕は皆から無視されるようになった。その理由がわからないと。
2歳上の彼女の勧めもあって、かつての友人たちに会いに行く、つくるの巡礼の年。
最近色々と辛いことがあったと語る紹介者。心の傷を知り、向き合うことで、過去の出来事を違う物語に変えられるのではないか。
かれこれ何十回読んでも、そう思うんだ。
11月・12月の読書会スケジュール
11月23日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
11月30日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE
12月14日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会
12月21日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE!
ご興味ありましたら、コメントや各種告知ページにて是非お待ちしております!
皆様とお話できるのを心よりお待ちしております(*^^*)