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ガラクタを捨てるという意思決定

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

あまり物欲が強い方ではないが、本だけはやたらと溜め込んでしまう性分。机の横にある本棚に並んでいる書籍が、最近私の心を悩ませている気がしてならない。

収まりがいいからと、「7つの習慣」や「思考は現実化する」、「ビジョナリーカンパニー」などが、私に誇示するかのように並べられている。

横を見るたびにため息をついてしまう。これは不健康だなと思った。

先日、ブルックス・パーマーの「心の中がグチャグチャで捨てられないあなたへ」ディスカバヴァー・トゥエンティーワン (2020)を読み終えた。米国の片付けコンサルタント(日本でいう近藤麻理恵さん的な?)が片付けに対する考え方を記す。

基本的な考え方は、モノはあなたを幸せの維持には役に立たないということ。どれだけモノを買い込んでも、気持ちは埋まることはないという。

あなたの居住空間は、あなた管理している唯一の場所です。したがって、その場所の状態は、あなたの精神状態をありのままに映し出す鏡だといっても過言ではありません。

同著 135頁より抜粋

ブルックスさん曰く、部屋の中にある大抵のものはガラクタである。机の上の書類や読みもしない本のみならず、恋人から貰ったプレゼントや若かりし頃の写真、張り出した目標さえもガラクタになりうる。

つまり、そこにあるだけで心が落ち着かないものは、全てガラクタである。

威圧感のある自己啓発書、昔買ったビジネス書、優れた経営者の自伝の数々…。

たまに読む分にはいいが、正直部屋に置いておくのは心が休まらない。

周囲のモノの価値を検証しよう。「そのために自分が窮屈な思いをして生活が犠牲になっていないか?」と問いかけてみる。

同著 50頁より抜粋

これらの本に魅力やワクワクを感じないにもかかわらず、未だに本棚に並んでいるのは、自分のなかで捨てきれていない気持ちがあるのだろう。

むしろ、この本棚を人に見せたくないという気持ちのほうが強い。これではいつまで経っても友達を家に呼ぶなんてできまい。

これらを捨て去ってしまえば、今以上に自由なのかなとも思う。

週末にでも、あらかた片付けてしまおう。今の私には、不要なものだから。

そう言えば、ミヒャエル・エンデの「モモ」にもこんな一幕があった。灰色の男がモモに対して”完全無欠なビビガール”を渡そうとするシーン。

わかったかね、かんたんなことなんだよ。つぎからつぎへといろんなものを買ってくれば、たいくつなんてしないですむ。…いくらでも新しいものがあるんだから。それにほしいものなら、考えればまだまだあるはずだよ。

ミヒャエル・エンデ「モモ」137頁より抜粋

モノをいくら溜め込んでも満たされることはない。

だから、今の状態で充分満たされていると思うことが大切なのかもしれない。

ひとまず、机の上から綺麗にしよう…。それではまた次回!

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川口 竜也 / 川口市出身の自称読書家
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