"本質"を捉えろと言うが…
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
珍しく真面目な本を読もうと、友達の知り合いの薦めで読み出したのがグレッグ・マキューンさん 他1名の「エッセンシャル思考」かんき出版 (2014)。今でも書店に平積みされているから、目にした方も多いであろう。
大筋としては、「最小の時間で最大の成果を出す」ために、優先順位をつけて求めているものへエネルギーを集中することを選択する考え方。様々な”ノイズ”に惑わされない思考を手に入れることにある。
詳細は今度、読書記録でまとめるとして、今回は”本質”について考える。
情報収集や物事を考察するときは、細かい情報に惑わされず「本質を捉えろ」とよく言う。しかし、そもそも”本質”とは一体なんなのであろうか。
多くの本で本質を捉えろ、本質を捉えろと言うが、そもそも本質って何を指すのだろうか。何をもってこれこそが本質だと言えるのだろうか(その考え方が、既に非エッセンシャル思考である)。
本質という言葉を調べてみると、さまざまな定義付けがされている。
物事の本性や性質
本来の姿
存在するものの基底・本性をなすもの
あらゆるものをそれたらしめる自主性
そもそも欠くことができない最も根本の要素
原理・原則/核心・真理
真理って言われても…という疑問もまた出てくるが、少なくとも、根底として大事なことではありそうだ。土台というべきか、前提というべきか。
とは言え、根底を理解するには一体どうしたらいいだろうか。
一つ私なりの回答を出すとしたら、みんな言っていることは大体正しい、という考え方である。
私は何かを学ぼうとするときは、似たような本を何冊も読むようにしている。
例えば、睡眠の大事さについて勉強しようとしたら、4,5冊似たような本を、違う作者の視点から読むようにしている。
睡眠ならば、お医者さんの立場、科学者の立場、統計学者の立場、リーダーの立場など、一つの視点に縛られると事実と意見を見分けられなくなる。適切な睡眠時間に個人差があるのは承知だと思うが、1人の意見に惑わされてしまってはいけない。
そんな時、5冊読んで4人が同じようなことを言っていたら、概ね正しいのだろうと判断できる。4人が7,8時間の睡眠が必要と言っているのに、1人だけ3時間睡眠で充分仕事ができると述べていたら、どちらが信憑性があるだろうか。
ただ、難しいのは、信憑性があるからイコール本質であるとは言い難い。一般的にや常識が本質ではないのと同様、本質とはもっと前提をなすものである。また、常識とは所詮多数派意見である。多数派意見がいつも正しいわけではない。
では、少数派意見に耳を傾けることが本質なのか、それもまた違う気がする。だとしたら、一体何が本質だと言えるのだろうか。
立ち止まって考える。情報自体が本質ではない。情報自体はノイズである。
そもそも自分が何を求めているのかを考えることが、本質を捉える上で必要なことなのではないかと考える。
エッセンシャル思考は、自分が求めている成果を最小の時間で最大限発揮する為に、優先順位をつけて取捨選択する力を持つことが求められる。つまり、自分が求めているものが不明確なうちは、全てが重要な情報に見えてしまう。
自分にとって大事なことを見極めることは、当然、人によって本質が異なるということだともいえる。個人事業主として社長になる人と、社員を束ねる社長(オーナー)になるのとでは、似ているところはあれど、本質は異なるように。
すなわち、私がどこへ向かうかによって、本質は異なる。そして、根本をなすものは沢山あるわけではなく、少ないものであろう。それを掴む為にも、じっくり考えて、読書する時間が必要である。
そんな自称読書家の”非”エッセンシャル思考でした(笑)。それではまた次回!