"等身大の欧州サッカービジネス"メーカー駐在員が夢の舞台に挑戦するまで
私は2023年10月に前職のJT(日本たばこ産業)を卒業してベルギーへ移住し、ACA Football Partners傘下のKMSKデインズという2部のクラブで、ビジネススタッフとしての挑戦を始めました。
このnoteでは、"等身大の欧州サッカービジネス"をテーマに、大学生のときにスポーツビジネスという分野と出会い、Jリーグでのインターンやアメリカ留学・4年間の一般企業での勤務を経て、欧州のクラブで働く私の仕事・生活のリアルを発信できればと考えています。
【具体的な投稿想定】
ヨーロッパクラブにおけるリアルな業務
ヨーロッパ近隣諸国での試合観戦・スタジアムツアー記
具体的な転職活動のプロセス
その他ベルギーでの日常・生活の様子
入念に、粘り強く準備をしてついに掴んだ念願の舞台。既にサッカー界やヨーロッパを舞台に戦う先輩方に自分が勇気づけられたように、当時の僕のような誰かを勇気づけたり、自分も挑戦したいと思ってもらえるような発信ができれば何より嬉しいです。初回記事となる今回はまず、自己紹介から。
経歴
1996年大阪府生まれ。高校までを関西で過ごした後、大学入学に合わせて地方から東京へ上京。学生団体やインターンなどを通して、自分の将来の道を模索していました。
そんな中、転機が訪れたのは2016年。フィリピンでの語学留学中に、元日本代表監督岡田武史氏がFC今治(今となってはJリーグクラブですが、当時は四国リーグのクラブでした)で新たな挑戦をされているという記事を読み、スポーツビジネスという分野を知りました。
高校までプレー経験はあったものの、ビジネスとしてサッカーを捉えられるとは思いもよらなかった当時の私は胸の高鳴りが抑えられず、すぐさま「インターンさせてください!来月今治に行きます!」とフィリピンからFC今治に国際電話をしたところから僕のスポーツビジネスとの関わりは始まります。
結局その時は、実際に現地を訪れたものの先方の状況もあり縁がありませんでしたが、その後大学3年生の時に、スポーツ経営人材の育成を企図して発足したSports Human Capital(SHC)3期の運営インターンとして、当時のJFAハウスで勤務をさせていただきました。今振り返ると業務に関しては色々と反省は尽きませんが、あの時の興奮と感動は今でも忘れません。
その後、"サッカースタジアムと地域の関係性"をテーマに、官民共同奨学金制度であるトビタテ留学japan!6期生として、NIKEの発祥の地でもあるアメリカのオレゴン州ポートランドへ留学。授業やテストの合間の休みを見つけてはMLBやNFA、カレッジフットボールの試合を訪れ、アメリカスポーツを肌に染み込ませる経験をしました。
また、当時は"40代でJリーグのチェアマンになる"ことを目標にキャリアを考え、就職活動をしていましたが、
SHCでの学びなどから、スポーツ云々関係なくまずは一流のビジネスマンになること
将来のことを考えることも大事だけれど、まずは目の前で自分が一番頑張りたいと思える仕事をすること
の2点が大事だと考え、熟慮の末JT(日本たばこ産業株式会社)への入社を決めました。
転職に至った背景
JTに入社後、コロナ禍などの想定外はありつつも、周りの人にも恵まれ、社会人2年目で海外赴任(香港)の機会をいただくなど、非常に充実した社会人生活を送っていました。
しかし海外赴任中、住環境、収入、成長環境、刺激的な仕事、同僚、何一つ不満のない生活なのに、どこか不完全燃焼感を感じ、自分の中に燃えるパッションを120%全力で注げる舞台を渇望している自分に気づきました。
改めてゼロベースで、自分は何に人生の大事な時間を使いたいのだろう、と自問自答する中で、「しばらく遠ざかっていたけれど、やはりスポーツビジネスだ」という結論に至り、せっかくやるなら本場のヨーロッパでチャレンジしたいと覚悟を決めました。
そこから、大学時代にお世話になったスポーツビジネス関係の方々に連絡をさせていただき、オンラインで色々とご相談をさせていただきながら、自分がスポーツ界で、またスポーツを通して何をしたいのかを考えました。
他にも、ヨーロッパのスポーツビジネス関係のMaster Programを調べていくつか合格をいただいたり、フルタイムのオープンポジションでの応募も試みましたが、最終的には副業の形で関わっていたACA Football Partnersにてフルタイムのオファーをいただけることになり、2023年10月にベルギーへ移住してきました。(もっと具体的な転職活動のプロセスなどは、別途記事にできればと考えています)
ベルギーでの仕事
ACA Football Partners(ACAFP)は"アジアとヨーロッパのフットボールプラットフォーム"になることを企図し、実際に複数のヨーロッパクラブのオーナーシップを持ち、MCO(マルチクラブオーナーシップ)事業を展開しています。
そんな中で私の主な業務は、MCOの中核クラブと位置付けられているベルギー2部所属(2023-24シーズン)のKMSKデインズというクラブにおけるローカルビジネスです。近年までアマチュアクラブであったKMSKデインズは小さいクラブで、各部署に担当が1-2人ずつしかいません。
通常、各担当はオペレーションを何とか回すのが精一杯になってしまうため、その全ての部署に追加人員として関わり、業務効率化を促したり、新たな付加価値を付けることを通して、クラブの利益向上・価値向上を目指して奮闘しています。また、ACAFPの一員としても、グローバル業務を担当しています。
具体的な業務例
スポンサーシップ:システム管理、スポンサーパッケージ作り、ステータス管理、入金確認など営業企画のような業務がメイン
チケッティング:チケット販売枚数の管理
ホームゲーム運営:試合当日のオペレーション全般、改善活動など
グッズ:売上・在庫管理
グローバル:アジアからの留学選手受け入れ、スポナビ・日本向けnotion運用、グローバルアカウントのコンテンツ撮影など
サッカービジネスを通して実現したいこと
サッカーが内包する人間らしさ・心の豊かさ
私は大学入学直前に実父を亡くしているのですが、父の死から半年後、ふと父のiphoneのメモの中に、こんな文章を見つけました。「自分がコンサルティングをして、業務が効率化され、時間が生まれる。そして人々がその時間を使って、自分の人生を取り戻す。そのために自分はこの仕事をしている。」それ以来、"人間らしさ、心の豊かさ"は常に私のテーマであり続けています。
詳しくは別記事でしっかり書きたいのですが、直近だとChat GPTの台頭など、様々なことに簡単に答えが出るこの時代だからこそ、
"点が入った時に興奮して誰かも知らない横のおじさんと抱き合う"
"ベンチメンバー、サポーターも含めて一体感を持ったチームが奇跡のような大逆転を起こす"
などの人間らしくて泥臭い、心を震わせるようななんとも説明できない事象が起きまくるサッカービジネスに、底知れぬ可能性を感じています。日本が世界に勝ち得る限られた領域
大学生のとき、SHCでインターンをさせていただいていた際、ある講師が言い放った一言が強烈に心に突き刺さっています。"Jリーグには、世界一のリーグになるポテンシャルがある。もし20年後にそれが実現していなかったら、それは全ての日本サッカー関係者の怠慢だ"
強烈な言葉ではありますが、それ以来、2005年に出された日本サッカー協会の"JFAの約束2050"に記載されている、"2050年までにFIFAワールドカップを日本で開催し、日本代表チームはその大会で優勝チームになる"というみんなの夢は、僕の夢になりました。
そこに自分はどう貢献できるかを考えたとき、ヨーロッパサッカー界におけるネットワークや知見をできるだけたくさん貯めて、少しでも多くのことを日本サッカー界に還元していくことが自分のできることであり、したいことでもあると考えています。ただ、これは決してヨーロッパサッカーが上であるというニュアンスではありません。
むしろJリーグ、日本サッカー、ひいては日本という国の価値を心から信じているからこそ、ヨーロッパサッカーに迎合したり格上に見過ぎず、リアルを客観的にも主観的にもしっかり捉えて、日本サッカー界にとっての最適解を考えていきたいと考えています。(実際、元々海外サッカーは一切見ないJリーグオタクです。笑)
以上、長くなってしまいましたが、こんな私が発信するXとnoteでの"等身大の欧州サッカービジネス"ぜひご覧いただければ幸いです!
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