視野を広げるコツは?3人の探究高校生に、学校外で参加したプログラムについて聞いてみた
今年の4月から全国各地の高校で「総合的な探究の時間」が始まって約半年。そろそろ自分の探究テーマが定まり、調べ学習に取り組んだり、自分なりの実践を始めてみている高校生も多いのではないでしょうか。
認定NPO法人カタリバは、探究学習に取り組む高校生向けに、高校生同士の学び合いやスキルアップを目的としたオンラインコミュニティ「カタリバオンライン for Teens」を運営しています。
カタリバオンライン for Teensに参加する高校生からよく聞くのは、「他の人との交流や実践を通して自分の視野が広がった」という声。
この記事では、カタリバオンライン for Teensに参加している3人の高校生に、なぜカタリバオンライン for Teensに参加したのか、プログラムを自分の探究活動にどのように活かしているのかについて聞いてみました。
学校外で新しいことに挑戦してみたい高校生や、なかなか視野が広がらずに行きづまりを感じている高校生、または生徒さんに紹介できるサポートツールを探している高校教員のみなさまに読んでいただけたらうれしいです。
インタビューした3人の高校生をご紹介
1人目は、インターナショナルスクールに通い、生徒会の副会長として様々な企画にチャレンジするPonoさん。将来の目標は海外で働くことで、キャビンアテンダントやツアーコンダクターなど、海外と関わる様々な仕事に興味を持っています。今は”やってみたい”という自分の気持ちを大切に、生徒会活動やボランティア活動に積極的に参加。特に生徒会活動では、これまで行われてこなかった体育祭を学校に起案し、初開催まで企画運営に携わりました。
2人目は、「世界の平和と安全」というテーマで、ロシアのウクライナ侵攻がなぜ起こったのかについて探究しているうさぎさん。世界の平和や安全については幼い頃から興味を持っていたそう。探究活動を通して今世界で起こっている事象を調べていく中で、自分の知らない世界についてアンテナを張って調べることの大切さや、情報を見分ける力が身についたと話します。
3人目は、将来開発途上国で教育事業に取り組むことを目指し、学生団体に所属して国際・教育・貧困をテーマに活動するsakuraさん。夏休みにはカンボジアで途上国支援のインターンシップに参加したり、日本語が話せる海外出身の方を招いた交流イベントに参加したりと、学校外での活動にも積極的に取り組んでいます。
***
新しい情報や視点をどんどん取り入れながら、探究活動を通して新しい挑戦をしているこの3人に、カタリバオンライン for Teensのどんなプログラムに参加し、どんな学びを得て自分の探究活動に生かしたのか、率直な声を聞いてみました。
参加した理由、プログラム、参加してからの変化や気づきを教えてください!
ponoさん:
インスタグラムの広告を見て、様々なスキルが学べるので自分にも必要だと思って参加しました。
「プレゼンテーションスキル」プログラムでは、まずはプレゼンを自分らしくできたことが一番良かったです。学校でもプレゼンの機会はありますが、与えられたテーマ・内容でプレゼンをしたり、事実を述べるスタイルが多かったです。カタリバオンラインでは自分の好きなことを自分らしく伝えられたことが印象に残ってます。プレゼンの具体的な作り方についても、骨組み、肉付け、プロセスなど新しい方法を学ぶことができました。
「グローバルマインドセット」プログラムでは、Zoomのブレイクアウトルームで少人数で話をした時間が印象に残ってます。学校外の高校生と話をする中で、みんなが自分の意見を伝えようとしていて楽しかったですし、自分の知らない場所で英語に触れようと思えば触れられる場所があるということに気づけました。
初対面になる人が多いので、誰かがアクションを起こさないと始まらないし、自分がまず行動を起こすことを意識するので、とてもいい経験になりました。
うさぎさん:
学校でイベント企画係になったのですが、私は面白いアイデアを考える力がなかったのと、ゼロから生み出すことに苦手意識がありました。それを克服するためにイベント企画のプログラムへ申し込みました。その後、プレゼン力も身につけたいと思い、プレゼンテーションスキルのプログラムにも参加しました。
これまで、自分の伝えたいことはどれくらい人に伝わるのかわからなかったのですが、実践できる場で確認できるところが魅力だと思いました。また、私は、学校外や外の世界の方と話すことが好きです。プログラムでは、外の人と繋がるワクワクさを感じたり、いつもとは違う自分を再発見できるのが楽しいです。
また、参加していた高校生は、経営や趣味など発表するテーマはバラバラですが、話す力がとても高いと感じました。対話する中で自分では気づかない視点で、フィードバックを受けられるため、自分のためになりました。
sakuraさん:
プレゼンを作りたいけど作り方がわからず悩んでいた時に、カタリバオンラインの「プレゼンテーションスキル」プログラムを見つけて参加しました。自分の知らない知識が得られて良かったですし、今後もこうやって組み合わせていけばいいのか!と指標を得ることができました。今もプレゼン資料を作っているのですが、学校で褒められることもありますし、学校のみんなに「どうやって作るの?」と聞かれる立場になりました。
また、「ファシリテーションスキル」プログラムにも参加しました。今までファシリテーションをやったことがなく、勉強しようと思っても本を読む時間が取れなかったので、実践しながら学べる機会が欲しいと思い受けてみました。「上手なファシリテーションってなんだ?」という疑問を持って参加しましたが、実践をしながら、他の高校生にフィードバックをもらえて良かったと思います。フィードバックを踏まえて自分のファシリの進め方がはっきりしたので、その後の自分のイベントでも役に立ちました。
参加していた高校生は、熱意を持った人の集まりで、プログラムで飛び交う質問や意見も鋭く活発な印象です。カタリバオンラインは全国の熱意ある高校生がやってくる場所だと思いました。
***
それぞれの理由と目的意識を持ち、カタリバオンラインのプログラムに参加してくれた高校生たち。学校のコミュニティではない新しい世界に勇気を持って参加してみたことで、実践や交流を通して、自分らしい方法や必要としていたノウハウを得ることができたようです。
カタリバオンライン for Teensは、今回話題に上ったプログラムだけでなく、他にも様々なプログラムを用意して高校生のみなさんをお待ちしています。最近では、高校生自身が自分の「やりたいこと」を持ち寄ってプログラムを企画運営する「高校生企画」も、盛り上がりを見せてきています。
ぜひ参加してみてくださいね。
高校教員のみなさまへ
この記事で紹介している「カタリバオンライン for Teens」は、生徒たち自身のサポートだけでなく、探究学習を担当している先生方のサポートもおこなっています。利用している先生方の声や、活用方法などはこちらからご覧ください。