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2023年12月の記事一覧

2023年ありがとうございました!   今年の振り返り(刀箱師)

2023年ありがとうございました!   今年の振り返り(刀箱師)

刀箱師として5年目も無事に終える事が出来ました。
もう5年、まだ5年…。
感じ方は様々ですが1年1年学びのある年を過ごす事が出来ていると感じます。これも日々支えて下さっている皆様のお陰です。

今年はケースの製作依頼を常に頂けていた感覚があり、手持ちぶさたになる事がなく30台近くお納めする事が出来ました。
昨年が15台くらいでしたので、製作数としては2倍近くに増えており刀とくらす生活をより多くの人

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2023年、縁の感じた刀装具を振り返る

2023年、縁の感じた刀装具を振り返る

2023年は刀装具をメインで買った年でした。
色々悩み抜きましたが、4点ほどに絞るとすれば以下でしょうか。

買った物1つ1つに購入にあたっての葛藤だったり思い出が何かしらありますが、今回この4つの中でも特に縁を感じた、「2023年ベストof縁」は何と言ってもこの鐔に感じます。

室町期頃の長巻用の鐔と個人的には思っていますがどうでしょうか。
山金地で外周には銀覆輪が付いており、高級品である様子が

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古刀が「複雑で玄人好み」と言われる理由

古刀が「複雑で玄人好み」と言われる理由

刀買い始めの時に「古刀は複雑で飽きが来づらいが玄人好み」と言われたのをふと思い出した。
当時はどういうことか直ぐには理解出来なかったものの、今回違いが良く分かるような写真が撮れた気がするのでまとめてみる。

以下は慶長新刀(1620年頃の作)。
新刀以降の刀は刃や地鉄が分かりやすく冴えているものも多く、初めて刀を見る人に対してもとても受けが良い印象がある。
個人的な印象では古刀よりも受けが良い印象

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沸映りとは言われるが…

沸映りとは言われるが…

縁あり綾小路の太刀が手元に来てかれこれ1年半くらい見続けているわけであるが、定期的に手入れしていたからか「映り」が購入時より鮮明になってきたように思う。
映りが鮮明になってきたのか、見慣れた事で映りをより捉えやすくなったのか、どちらかは良く分からないが前者であると思っていた方がなんだか喜びが一味追加される気がするのでそういう事にしておく。

さてこの見えている映りについて、図譜などでは沸映りと解説

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複数の刀の運搬に適したライフルケース

複数の刀の運搬に適したライフルケース

以前以下の刀ケースを運搬用にお勧めとして書いていたのですが、手持ちの刀も当時から増え、まとまった本数を移動する事も増えてきました。

という事で改めて刀を複数振持ち歩くのに便利そうな物を色々探していたところ良さそうな物を見つけたので紹介します。
それが以下のライフルケース。本来はサバゲーなどで使う用の物です。

開けるとこのようになっています。
両側に綿が入っているのかクッション性が充分あり衝撃か

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「刀剣店=安心」とは限らない

「刀剣店=安心」とは限らない

皆さんは刀剣店と聞くとどこか安心したような信頼出来る印象を抱く事はないだろうか?
私も5年前は刀剣店というだけでどこか安心感があった。

夢は大きく、しかし…

夢は大きく、しかし…

夢は大きく!

今年の年末ジャンボ宝くじは、1等7億円、2等1.5億円。
2等以上が当たれば安綱が買えます。
安綱以外にも重文以上の国指定品でなければ殆どの刀が買えます。

安綱を買ったら号は何にしようか。
宝夢安綱あたりだろうか。
白鞘袋に木札でも付けて置けば200年後の所有者が見た時に「夢にまで出てくるほどの宝刀」と号の由来を勝手に期待して勘違いしそうでもあります。
実際は「宝くじ当選金で買

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今年の個人的ベスト鐔

今年の個人的ベスト鐔

来週末が大晦日だなんて未だに信じられません。
気が付けばもう今年も終わりですね。

今年はヤフオクやフリマサイトなどでも鐔を買ったりなどした年でした。
割合で言えば「7(刀剣店):3(オク等)」位でしょうか。
時代の上がる古そうな鐔を中心に買い集めた年でしたが、オク等では基本的に3~5万円程度の物が中心で、一番高い物でも10万円ちょっと、といった感じだったかと。

総じて言えばやはりお店で買った物

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偽物刀を落札する人はもしかすると…

偽物刀を落札する人はもしかすると…

ヤフオクなどを覗くと大体、虎徹とか正宗とか有名所の刀に立派な木箱や書状、本阿弥の折紙などが添えられて出品されていたりしますが、その甲斐あってか100万円近い値段が付いて落札されることもしばしばあります。

刀装具鑑賞、撮影用に「宝飾トレイ」を買ってみた

刀装具鑑賞、撮影用に「宝飾トレイ」を買ってみた

今まで鐔や目貫などの刀装具を鑑賞する際に桐箱の上で見ることも多かったのですが、安全性や撮影用も兼ねて以下の宝飾トレイを買ってみました。

クッション性が高く、刀装具を落としても安心です。
写真では分かり難いですが、感覚的に大体2mmくらい沈む位のクッション性でしょうか。
マイクロファイバークロスのような肌触りなので、刀装具が磨れて傷つく事もなさそうです。

トレイの色はグレーにしてみました。
今ま

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時代拵が異様に安く買えるお店

時代拵が異様に安く買えるお店

模造刀に数万円出すのはちょっと待って…!
そのお金で質の良さそうな本物の時代拵が買えますよ、というお話です。

模造刀のどの部分に価値を見い出すかは人それぞれですが、大体3~5万円程というのがそこそこ良い模造刀を買う上では必要な金額ではないでしょうか。
中でも○○モデルなどのように有名な刀を模した高級模造刀になると10万円を越してくる場合も。
そんな中ではありますが、実は3~5万円出したら本物の拵

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刀の入札鑑定と茶事

刀の入札鑑定と茶事

私が茶道について興味を持つきっかけとなったのはオリラジ中田さんの以下の動画である。

そこで恥ずかしながら「茶事」というものがこの世に存在している事を初めて知る訳であるが、イメージしていたのは主人が立ててくれた抹茶の入った茶器をクルクルと回してから茶菓子を食べるイベントである、程度の認識しかなかったわけであるが、そのイメージがひっくり返ったのが上の動画であった。(12:52~の茶事の話が面白い)

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1億円の日本刀の返礼品が…!

1億円の日本刀の返礼品が…!

今年も残すところあと少しですね。
12月といえばふるさと納税、という事で今年も日本刀関係の返礼品が無いか調べていたのですが、目新しい物はあまり…

ありました…!!!

1つだけ超高額、1億円の返礼品ですが。
毎年変わり映えのしない返礼品の中、今年初めて見た気がします。

ルイヴィトンやブルガリなど世界的なブランドを手掛けるアトリエ・オイ(atelier oi)氏と関市のコラボ商品。

過去にも銀

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刀装具の審査に対する要望など

刀装具の審査に対する要望など

今年の2月頃に初めて刀装具を保存審査に出したところ、不合格判定となった鐔がありました。
それが以下です。

上記のように結構特徴が色濃く出ていたという事もあり個人的には桃山頃の埋忠の短刀鐔ではないかと考えていたのですが、残念ながら「製作年代若い」と一言あり不合格。

不合格という結果自体に文句があるわけではないのですが、せめて「製作年代若い」というのが「いつの時代を指しているのか」を明記頂きたかっ

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