複雑さと曖昧さに耐えられないのは能動性の欠如である
ここで言うのは現実の話ではない。あくまでもフィクションの話であり、しかも主人公に限定された話とする。さらに言うと、ハイファンタジーであり、現実とは違う世界の物語とする。
たとえば『悪を裁く』といった物語があるとしよう。
主人公は敵の事情など考えない。世の中、社会と言ってもいいが、その複雑さも考えない。ただ、自分が思うままに悪と断じた者を裁いてゆく。
このような主人公にして、そのような物語を書けばよいと言われたことがある。
さて、これは能動的な、あるいは男性的