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【本】アラフィフにおすすめ。懐かしい気持ちに浸れる『犬がいた季節』伊吹有喜著

嫌いだった懐メロが好きになるお年頃

年を重ねたせいか、昔話が楽しい。
子どもの頃は、懐メロとかテレビでやっていると、退屈で「もう早くこの番組終わってー」って思ってるのに両親がチャンネルを変えてくれないことが本当に嫌だったけど、今なら分かる。
懐かしいって楽しいんだよね。

昭和から令和の時代に、コーシーローという犬が見つめた高校生たちの物語。 『犬がいた季節』 伊吹有喜

この本はアラフィフにとっては懐かしい時代が次から次へ出てくる。ポケベル、スピッツの『スカーレット』、その言葉を聞いただけで あーあんなことあったよなぁと今まで生きてきた人生をつい振り返ってしまう。

”親不孝橋” 言葉が思い出を導く

ピンポイントでぐさっと来た言葉は、私にとっては「親不孝橋」だった。私は名古屋で高校時代を過ごし、千種(ちくさ)という駅の『河合塾』(予備校)に通っていた。その近くにある実際の陸橋がこの本に出てくるのだ。

「親不孝橋」

あー懐かしい! 何浪もして親を泣かせるので、そんな風に誰かが呼び始めたのだけど、そんな言葉は20年以上忘れていた。
「親不幸橋」を思い出した途端、忘れていたいろんな人の顔が浮かんだ。
静岡から来てたオアシスが好きな男の子。
養老出身の心配になるほど純粋な髪の長い女の子。
恋愛に夢中になり、勉強しなくったお人形さんみたいなあの子。

他人の物語を読んでいるのに、自分の物語を読んでいるかのような気分になる本です。

昭和天皇が崩御された時、どんな風に過ごしていましたか?
アイルトン・セナとF1がブームだった時、どんな風に過ごしてましたか?ちょっと懐かしい気持ちになりたいなぁ方は是非読んでみてください。

おまけ

高校生の頃って好きな人がいても、それを上手く表現できない子が多い。犬のコーシーローは、人間が恋をしている時の匂いを感じるのだけど、好きな人を目の前に表情を変えない高校生をコーシローが見つめている場面なんかキュンとしちゃいます。


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なたね
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