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IDGs Summit 2022参加レポート(3/7)(Thinking編)
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今回はWelcome〜Beingに引き続き3回目のレポートです。
5つのカテゴリの二つ目はThinking。
Thinking は、認知的スキル、より賢い意思決定のためのスキルと解説されています。さて、どんな内容でしょうか。
11.00 – 12.15 Theme: THINKING
Antonia Eriksson, Spoken word poet
Robert Kegan, Ph.D., Harvard Graduate School
Phoebe Tickell, Biologist and Systems Thinker, Founder and Director of Moral Imaginations
Panel:
María del Pilar Garrido Gonzalo, National Planning and Economic Policy Minister, Costa Rica
Lars Strannegård, President of the Stockholm School of Economics
Diane Gashumba, Ambassador, Embassy of Rwanda to the Nordic Countries
Åsa Jarskog, Moderator, Global Outreach and Capacity Building, Inner Development Goals
Jules Sentore, Music artist
ここでも、詩の朗読からスタートしました。
Antonia ErikssonさんのVincentという詩からスタート。
気鋭の作家さんのようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1652105199557-KmmQv6ZZDZ.png?width=1200)
ロバート・キーガン博士の免疫マップ
![](https://assets.st-note.com/img/1651964322493-bBhdseFHiL.png?width=1200)
続いてロバート・キーガン博士の講演。キーガン博士といえば成人発達理論と組織変革の理論家というイメージで書籍「なぜ人と組織は変われないのか」が有名ですが、著書で示していた免疫マップを使って紹介してくれました。
組織や人の変革が達成しにくい要因を生物として死にたくない、苦しみたくないという本能的な免疫作用のためだと説きます。
具体的な事例として、あるチームリーダーの例をあげて免疫マップを解説してくれました。
免疫マップは、上の写真のように、
1.改善目標
2.阻害行動
3.裏の目標
4.強力な固定観念
の4つの枠を使ったフレームで変革を阻む裏の目標と自身の中にあるメンタルモデルをあきら会にしていくプロセスです。
このフレームでワークを実施したことがありますが、改善目標と裏の目標のどちらを真に望んでいるのかメンタルモデルまで掘り下げて探求すると、本当に求めていることがどこにあるのか見つめなおせる面白いフレームです。
ここで、このフレームの活用方法ですが個人的に記載してみて確認するにとどまらず、相互コーチング等で他の人と一緒に掘り下げてみることを強くお勧めします。圧倒的に効果的です。
なぜなら、自分のことはわかっているつもりで、実はよくわかっておらず他者の言葉や反応で気づくことがよくあるからです。まさしく自分自身のことは、盲点になっています。他の人とやってみると、一人でやる数倍、気付きが増えると思っています。
今回紹介の事例は、シンプルな例での紹介でした。
有能なチームリーダーだけど、チームキラーと呼ばれる、ワンマンのリーダー。
阻害行動が表れるのは、裏の目標の、自分をどう守るか、自分の特別さを失いたくないという気持ちが上回ってしまうというものです。隠れているのは、他者をサポートすることで自分の優位性が失われるという強力な固定観念を持っている事でした。免疫マップを使うことで、固定観念に気付き、改善したという事例。
変容を成功させるプロセスや免疫マップは、Thinkingだけでなく5つすべてに関係がある話だとも述べられていました。
免疫マップについては、下記の書籍が詳しいので、リンクで紹介しておきます。
Phoebe Tickellさんのイマジネーションのエクササイズ
続いて、Phoebe Tickellさんはワークショップ形式で。
集団的な想像力をどのように活用するのかがテーマでした。ジョアンナ・メイシーさんの「つながりを取り戻すワーク」が下敷きに使われているようです。
ワークの進め方:長期的なビジョニングのワーク
隣の人と2人1組を作る。
ひとりは、未来からやってきた7世代先200年後の未来の人、
もうひとりは、200年後の人から見たら200年前の祖先である現代の人という設定で会話をします。
前提として、200年後も人類が地球に存在していて、7世代先の人は過去の文化的な記録を認識していて、時間軸を超えたところで二人が出会うという設定。
3、2、1、アーーッの皆の声の合図で時間軸を超えたところで二人が出会います。出会ったところで次のような問いがなされました。
・7世代先の人が問いかけ。
聞いたところによると、先人の世の中では信じがたいこともたくさんあり、貧富の差や爆弾を用いた戦争もあったと聞いています。動物が絶滅しかかっているのも知っていたと聞ききました。それをご先祖様は、どう感じていたのですか?。
水や食物を育てる土地と作ることは大変だったでしょう。その強さはどこから見つけてきて、どうやって築きあげられたのですか?
・今度は、現代の人が問いかけます。
2022年に戻れるとしたらどういう支援をしますか?
2人1組で会話がなされたのち、
3、2、1、アーーッの皆の声の合図で元に戻ります。
今回のワークのように集合的なイマジネーションの力を働かせることで人生の方向が変わることもあります。
大きな疑問を投げかけ、継続するようにとワークが閉じられました。
IDGsに取り組んでいる国、大学のパネルディスカッション
コスタ・リカの経済政策大臣、María del Pilar Garrido Gonzaloさん
ストックホルム商科大学長、Lars Strannegårdさん
北欧のルワンダ大使、Diane Gashumbaさん
のパネルディスカッション。
コスタ・リカ、ルワンダおよびストックホルム商科大学はそれぞれ、先進的にIDGsを取り入れて推進している国や大学のようで、それぞれのコミュニティの立役者にパネルディスカッションに参加いただいた様子。
以下は、それぞれの方の発言の要約です。
コスタ・リカのMaría del Pilar Garrido Gonzaloさん:
IDGsをSDGsを加速させる可能性だと感じ推進していて、フレームワークのスペイン語への翻訳も実施しました。IDGsを通して、純粋な人生や生活を認め自然とのコンフリクトを乗り越えること、お互いを受け入れることを学んでいるとのことでした。それが、サステナブルに生きることに繋がっていくと。
ルワンダのDiane Gashumbaさん:
大使としてIDGsを知り国に導入を促したとのこと。国の中でツチ族、フツ族の民族間の関係から大虐殺があった歴史もあり、主体性をもたらすIDGsのフレームワークが必要で貴重なリソースになると感じているとのことでした。
ストックホルム商科大のLars Strannegårdさん:
エクセルの表計算中心のビジネスの世界だが、AIやロボットが仕事を奪っていくという背景もあり、事実と科学に基づく思考様式が必要だと感じていました。どのようにして社会の中で自分の意見を形成していくかを考えると、生涯学習、共感、起業家精神の重要性に思い至り、IDGsとのコンセプトの近さを感じているとのことでした。そして、大学としてIDGsを試してみながらIDGsそのものの発達にも寄与したいとのこと。
それぞれの方が、IDGsの必要性や未来を感じ取り組まれている見て取れるパネルだったと思います。
Jules Sentoreさんのライブ
ルワンダのアーティスト、Jules Sentoreさんが「輝かしい未来」という意味の歌をライブで歌ってくれました。
ここで、現地の午前パート終了です。
今回は、Thinkingのパートをレポートしてみました。
所感
Frameworkを確認してみると
Thinking— Cognitive Skillsの中身は、
・Critical thinking
・Complexity awareness
・Perspective skills
・Sense-making
・Long-term orientation and Visioning
上記が記載されています。
Thinkingー認知的スキル、意思決定スキルと考えると、クリティカルシンキングやシステム思考による複雑性の理解などの思考法の話が出てくるのかとも思いましたが、今回はありませんでした。
とはいえ、7世代後の人との対話のワークが、「長期的な思考とビジョニング」そのものでしたし、キーガン博士の免疫マップのフレームも思考法と考えればThinkingのカテゴリーとも理解できなくはないでしょうか。
キーガン博士ご本人も、免疫マップは、どの領域にもまたがっていると言っていましたし、個人的には博士の講演はBeingのカテゴリに入っても良さそうな気もしました。
5つのフレームの中身について興味を持たれた方は、下記リンクにて詳細を参照ください。
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