【連載#5】[インターンを通じて変化したキャリア意識]学生の感じている焦りと不安
皆さん、こんにちは!
カサナレ株式会社でインターン中の廣瀬遥人です。
これまでの4回の連載では、カサナレのインターンを通じて学んだ考え方や習慣、スタートアップならではのカルチャーを中心に、私の感じたリアルな情報を発信してきました。
最終回では、スタートアップでの長期インターンを通じて、私のキャリアに対する意識がどう変化したのかについてお話ししたいと思います!
私が実際に感じてきた、現代の学生が抱えるリアルなキャリアへの不安や悩みに触れながら、自分自身の変化のきっかけや今の想いについて話していきます。
スタートアップでのインターン、ホントのところどうなの?
学生の皆さんは、スタートアップ企業でのインターンにどんなイメージを持っていますか?
私はカサナレでインターンを始める前、意識が高い学生が集まる場所、仕事への情熱がハンパない人たちの巣窟...そんな風に思っていました。笑
実際、周りに長期インターンをしている学生はほとんどいなかったこともあり、スタートアップでのインターンってどんな感じなのか、正直よく分かっていませんでした。
興味はありましたが始めるか悩んでいた私は、noteやSNSなどを通じて、スタートアップ企業でのインターンについて調べることにしました。
「成長できる環境」、「大学生の枠を超えた経験」といった共通するワードが多く出る中で、「様々なバックグラウンドを持った人たちとの出会い」というワードが自分には引っかかりました。
(しかしカサナレでのインターンが始まってから、「成長できる環境」というより「成長しないとやってられない環境」、「大学生の枠を超えた経験」は「大学生扱いをされない中での業務経験」だという受け身ではどうにもならない厳しい現実に気づかされ、少し(まあまあ)後悔しました、。笑)
色んな人の生き方について興味があった自分は、これまで見たことも話したこともないような人と会えるかもしれない。スタートアップフェーズの企業の人の雰囲気を感じたい。
そんな思いを胸に、
「よし、挑戦してみよう!」
そう決意した私は、ワクワクする気持ちと少しの不安を抱えながら、カサナレに飛び込みました。
カサナレで長期インターンしたからこそ知れたスタートアップ界隈のリアル
実際にカサナレでのインターンでは、生成AIというホットな領域で活躍する、ユニークな経歴や生き方をしてきた方達と多く会うことができました。社内ではインターン生という立場でも、社長やエンジニア、様々なバックグラウンドを持つ方々と密に接する機会が多くあります。
特に、イベントやキックオフなどで全社で集まった時には、プライベートの話だけでなく、今後のAI市場や組織運営、キャリアの話など様々なトピックの引き出しがあります。カサナレの意見を言いやすい組織文化も相まって、一人ひとりが持つ熱い想いや知見がぶつかり合い、刺激的な議論が繰り広げられています。
実際この前、第1回カサナレキックオフがあった際、飲み会が終わった後に部屋に集まり2次会を行いました。その際、私を挟んで右左、前の人たちが熱く本音でぶつかり合うシーンが多々あり、面白い話題が多くあり真剣聞いている中でも、時には熱の入り方に気まずさを感じてインターン仲間と腕立てをして気を紛らわせたりしていました。
結局21時から始まった会も、気づいたら3時まで議論が白熱しており強制お開きとなりました(その後、また集まって朝まで話していた方々も居たとか居なかったとか)。
しかし、布団に入ってからインターン生であっても、この熱気を肌感じ、貴重な話を直接聞くことができる環境は恵まれているし、今日理解できなかった部分も、いつか自分の中で繋がって納得できる日がくるように真剣頑張らないといけないなと考えていました。
また商談やイベントなどでは、自分が就活生時代に入りたかった企業や憧れていた企業の社長や新規事業を手掛けるようなエースの方々がカサナレに相談に来て会話をする機会を得ることができたりもしました。これらは、大学生として、あるいは他のインターンシップでは中々体験することの出来ない経験でした。
一方で、仕事に対する責任は重くのしかかります。例えば、ネット環境が悪くて仕事がうまく進まない時でも、それは自分の管理不足。また、「知らなかった」では済まされない場面も多く、自ら進んで勉強し、何に取り組むか、どう進めていくか、スケジュール管理を自分で考えたり、全てに責任が伴います。カサナレで働いている人でも、同じくらいに入社して年齢も近い人でも自分の価値が発揮できる業務分野を開拓して成果を残しているのをみています。
その中で、私は自分で計画し、自分で実行していくという過程は、正直辛く、他の人と比べても本当に向いてないのではないかと落ち込む瞬間もあります。
しかしその辛さ以上に、これらの貴重な体験は、私の人生、キャリアに対して価値のある時間だと考えて日々頑張れています。それぞれの立場や経験から語られる言葉や仕事に向き合う姿、感じたことのない責任の中での業務経験、これまで全く知らなかった世界で生きてきた方達との関わりなど全てが、私の視野やキャリアに対する考え方を広げてくれているものだと感じています。
学生のキャリア意識のリアル ~「大手」か「ベンチャー」か将来への不安~
近年、大学生の就職活動は年を追うごとに早期化・長期化しており、3年生の前期から始め、長い人で1年以上就職活動を行う場合もあります。
実際、今の学生たちはどんなことを考えて就職活動に取り組み、どのように就職先を決めているのでしょうか?
私の周りの学生たちの様子を見てみると、「大手企業」や「メガベンチャー」を志望する傾向が強く、『安定性』だけでなく、『自分の市場価値』を意識するなど将来への不安がキャリア選択に大きく影響していると感じます。
実際に株式会社マイナビの出している『マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査』よると、「大手企業志向」が53.7%と3年ぶりに5割を超えています。
また、企業選択のポイントでは、「安定している会社」が49.9%で1位という結果になっていました。
(出典:株式会社マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査 <https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240416_74092/ > 2024/09/09)
大手企業人気は根強いものの、マイナビの「大手企業とベンチャー企業、どちらを志望していますか」という調査によると、「大手企業のみ志望」と答えた学生はわずか10.3%。
一方で、ベンチャー企業志望と答えた学生は、35.9%と選択肢の一つとして存在感が増してきていることがわかります。
(出典:マイナビキャリアリサーチLab 21卒学生、「主にベンチャー企業志望」が35.9%-完全大手志向の学生は1割 < https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2019/08/post-207.html > 2024/09/09)
このようなキャリアの選択肢が広がった時代ということもあり、ゼミやサークルの友人たちは就職活動に早くから熱心に取り組む人が多くいました。
その中で、よくこんな言葉を耳にしていました。
「ファーストキャリアでミスると、キャリアが詰む」
インターネット上には、就活人気企業ランキングや優良企業まとめといった情報があふれています。そんな情報に触れる機会が増えた現代において、大学生が周りの意見に流されずに、自分の軸で判断することは難しくなっているように思います。
さらに、転職活動の活発化やジョブ型雇用の導入など、終身雇用の考え方が薄れてきていることも学生の不安を煽っている要因の一つだと感じます。将来どうなるかわからない時代に「安定」と「将来への保険」を求めてとりあえず大手企業を目指す学生が多いのかもしれません。
このような状況が、「ファーストキャリアでミスると将来が閉ざされる」という考え方を助長していると思います。
正直私自身も自分の軸というよりも、
『有名な社長やビジネスパーソンは、大手出身がやっぱり多いし、周りにも大手なら大手であるほど良いって言ってる人もいるしなあ」
と思い、とりあえず最初は大手に行くことが正解だと考えていました。
しかし、それは一昔前に唯一の価値観として大手に入ってキャリアを積むことが存在していたからであり、現在の学生時代や若い時からも起業や活動を行っている人が多い時代には必ずしも合うものではないと気づきました。
インターンを通じて、自分と同年代でも市場に大きなインパクトを与えるような活躍をしている人を見たり話したりする中で、今後何十年も社会で戦い抜くための武器を何も持っていない、持つ計画も無いことの怖さを痛感しました。
気づかされた自分軸の不在
しかし、カサナレでのインターンで多くのビジネスパーソンと出会う中で、私の「大手志向」とも取れる考え方、価値観は大きく変わりました。
私は、結局どこで何をしていても、「自分の軸」で価値を決めることができなければ、一生モヤモヤとした不安を抱えたままなのではないか?と考えるようになりました。
これまで大手やファーストキャリアなど、自分軸ではなくとりあえずの『正解であろうもの』を求めて安心しようと考えていました。
しかし、さまざまなキャリアを歩んで自分のスタイルを確立してきた人と身近で見ることが出来たことで、これまで見てきたキャリアの考え方はほんの一部のパターンだったことに気づかされました。
そして、ある時多くの新規事業を立ち上げてきた方がお話していた考え方が、私のキャリア意識を大きく変えるきっかけになりました。
「ラベルなし」の何者にもなれない将来の自分
これまでの連載の中でも話してきたようにカサナレのインターンを通じて、「自分で学び続けることの重要性」や、「自分の価値を発揮できる部分や特徴を強く出していくこと」の重要性を実感してきました。
様々な学びを得る中で、私のキャリア意識を大きく変えるきっかけになった考え方が、『自分の人生をラベリングしながら生きていく』というものです。
ある時私は、これまで多くの新規事業を立ち上げてきた方とお話しする機会がありました。
その中で、これまでどんなことを達成してきて、どんなことが出来て、どんなことに詳しいか。人に価値が伝わるようなラベルを多く持っているビジネスパーソンは強いという話を聞きました。
この考え方を教えていただいた時、今の自分には明確なラベルがないこと、どのラベルを手に入れたいという明確な将来設計もないことに気付かされました。
「〇〇ができる人」「〇〇に詳しい人」といった、自分を特徴づける言葉が見つからないのです。このままなんとなく頑張って働いていても、「ラベルなし」「まとまりなし」のまま何となく生きていってしまうのではないかという焦りを感じました。
様々なラベルを持っている方々との会話では、圧倒的な行動力、行動量で常に自分自身と向き合い考え抜く姿勢が自分の想像を超える域でのものだったことに驚く事ばかりでした。
案だし、ヒアリング、営業、どれをとっても自分が想像していた圧倒的に働くというスケールを超えていて、キャリアを築くことへの解像度を上げる必要があると感じました。
そして、それまで漠然と将来を考えていた私は、自分の軸を見つけること、そしてその軸に向かって具体的な行動を起こすことの重要性を強く認識しました。それこそ、こういった自分の軸で何かを進めていかないと、一生不安なまま生きていくことになると再認識した瞬間でもありました。
このカサナレでのインターンでも、何か自分にラベル付けできるような経験を得るために努力することを決意しました。
インターンで得た「熱」い出会い
カサナレでのインターンシップは、私にとって「熱意を持って働く大人」との出会いの連続です。
彼らの姿に触れる中で、企業の規模に関わらず、「自分のやりたいこと」に向かって突き進むエネルギーこそが大切だと気づかされました。
情報過多の現代社会で「正解」を探すのではなく、自分だけのラベルを手に入れるために、自ら考え、行動し、成長し続けたい。そして、「自分が自信を持ってできること」を明確に語れる大人を目指して、努力を重ねていきたいです。
そして、将来的には、With AI時代を見据え、私は生成AIとの関わりを深めながら、その可能性を最大限に引き出せる人材へと成長していきたいと考えています。
今まさに急成長を遂げている生成AI業界で働けている経験を活かし、様々な場面で生成AI活用を推進することで、人々の働き方を変革し、より効率的で創造的な社会を実現に役立てるようになりたいと考えています。
次回以降の案内:カサナレを彩る「個性的な人達」
今回の連載は、私にとって初めての経験でしたが、多くの方々に読んでいただき、大変嬉しく思っています。ここまでは、私のインターンシップを通じた経験と、そこから得られた学びについてお話してきました。
しかしカサナレという環境には、熱い想いを胸に、日々挑戦を続ける魅力的な人たちがたくさんいます。
次回からは、そんなカサナレのメンバーにスポットライトを当てていきます。
・なぜ、彼らはカサナレを選んだのか?
・生成AI業界で働く難しさとは?
・エンジニアとしての働き方のリアルとは?
それぞれのバックグラウンドやカサナレでの活躍、そして未来への展望について、インタビュー形式でお届けする予定です。
ぜひ、彼らの「生の声」を通して、カサナレという会社、生成AIのさらなる魅力を感じてください!
次回以降もぜひご覧ください!