SFアンソロジーが好き
先日、代官山の蔦屋書店で開催されたSFカーニバルというイベントに行ってきた。参加するのは初めて。SFカーニバルはSF作家さんとファンの交流を目的としたイベントで、トークショーやサイン会に参加でき、その年話題になった本の販売ブースなんかも用意されている。代官山蔦屋書店はとても広いお店でぶらぶら歩き回っているだけで半日くらい時間がつぶせそうだった。SFカーニバルのイベントブースはお店の外側に設置されており、陳列棚を眺めていると購買欲が湧いてくる。ふと見つけた本の中に前々から読みたかった『少女小説とSF』があったので購入。その他韓国SFのブースに置かれた本を手に取ったら作者本人が話しかけてきてくれたのでそのまま購入したり、最後はお目当ての長谷敏司先生のサイン会に参加して『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』にサインしてもらったりと、とても良い思い出となっている。
んでアンソロジーについて。アンソロジーとは複数の作家による作品を何らかのテーマを決めて集めた作品集のことであり、上記した『少女小説とSF』もこれにあたる。私はこれまで「少女小説」なるものに縁のない人生だったのだけど、読んでみてその楽しさや独自性がなんとなく見えた気がした。そしてたぶん、「少女小説」と「SF」を掛け合わせることで生まれる化学反応もこのアンソロジーの面白さだ。この『少女小説とSF』に収録されている作品はすべて書き下ろしの作品で、あえてジャンルを意識しながら書かれた作品群にはアンソロジーという体裁でしか味わえない喜びがある。読むことで「少女小説」というジャンルが自分の中に浸透し、「SF」という概念が広がっていく、そのような喜びがある気がするのだ。
そのためアンソロジーは編者の嗜好やセンスが強めに反映される本でもあると思う。解説には編者の偏った思い入れが長々と書かれていることもあるし、こんなニッチな作品どこから持ってきたんだ、と思うようなセレクトをしている場合もある。そして私はアンソロジーのそういうところが好きだ。編者の熱量は高ければ高いほどいい。なんなら私は誰かの偏愛を知りたくてアンソロジーを読んでいると言ってもいいくらいだ。
自分好みのアンソロジーを探すのも良いだろうし、これまで興味の無かったアンソロジーに手を出してみるのもきっと楽しい。信頼している編者を見つけてそこからディグってみるのも発見があるだろう。
というわけで、いままで私が読んできた中で「これいいよ!」っていうアンソロジーをまとめてみました。やや長くなったのでお暇なときにでもどうぞ。
ちなみにサムネで使った画像はいらすとやさんにあった「宇宙ペンギン」のイラスト。
……宇宙ペンギンってなに?
猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる
猫SFである。猫でSFである。最強である。吾輩は猫ではない、狐である。だが猫はかわいい。SFはかっこいい。つまりこのアンソロジーはすばらしい。重要なのは内容よりも読むときのシチュエーションだ。なんせ「宇宙」で「丸く」なのだから、私たちもそれに習ってふとんで丸くなりながら読むのが最適解だろう。うーん、エレガントな選択。いま私は丸くなることで宇宙に近づいている。猫という概念を理解し始めている。いや”猫という概念を拡張しつつある”。猫とは宇宙。宇宙とは生命。生命とは愛。つまり猫SFとは愛なのだ。愛の証明なのだ。
全10編の内、地球上を舞台とした《地上篇》と、宇宙へ飛び出していく《宇宙篇》に5編ずつ分かれており、各々の作家たちが猫とともに想像力を飛躍させていく。猫の自由で気ままなところを捉えた短編もあれば、猫という存在を魔のものとして捉え、人間が翻弄される姿を描いた作品もあり、いずれにしろ猫に対する重ためな感情から描かれたものばかり。「猫SF」と言われる作品は割とあるけれど、本アンソロジーを読めばその相性の良さを実感できるはずだ。
お気に入りはジョディ・リン・ナイ『宇宙に猫パンチ』。宇宙船の中で起こるてんやわんやな出来事を描いた作品で、異星人からの襲撃でダメダメになった乗組員の代わりにコンピューターによって乗組員と同様の権限を与えられた猫のケルヴィンが大活躍!ついに「猫パンチ」が繰り出される――!という内容。ドタバタSFであり、バカSFであり、猫SFであり、作者の猫を神聖視する精神がビシバシ感じられるハッピーな一遍だった。
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
中国SFの厚みを存分に感じさせてくれるアンソロジー。日本に中国SFを根付かせた代表的な作品と言えば『三体』がまっさきに挙げられるだろう。この短編集にも作者である劉慈欣の短編が収録されている。始皇帝の時代に遡り、人力のコンピューターを用意することで十万桁の円周率を求めようとする『円』。遺伝子が変化し凶暴化したネオラットを駆除する隊員のひとりである青年の視点から語られる陳楸帆『鼠年』。表題作の郝景芳『折りたたみ北京』は貧富によって住む”階層”が区分けされた北京を舞台とした作品で、貧困層に住む男が上層を目指していくお話。世界が回転し、高層ビルが折りたたまれていく光景はワンダーな凄みを感じさせる。その他に収録されている作品いずれもが高水準で、外れ無しのアンソロジー。編者がケン・リュウということもあって、その審美眼は確かだ。とりあえず中国SF読んでみたいなあって人はまずこれを手に取ってみてほしいな。第2弾となるアンソロジー『金色昔日【こんじきせきじつ】』も良質な作品が多数収録されておりおすすめ。
スタートボタンを押してください(ゲームSF傑作選)
「ゲーム」をテーマにした短編12作を収録したアンソロジー。ケン・リュウ、桜坂洋、アンディ・ウィアーと有名作家が多数参加しており、各々がどのようにゲームへアプローチしているかが見所となる。桜坂洋『リスポーン』は飲食店で強盗に入られ殺された男の意識がなんと強盗へと乗り移り、その後も殺されるたび次々に意識が移っていくという『All You Need Is Kill』の変奏みたいな話。ゲーム内のNPC視点に立って、規定された行動から外れた行動を取り始めるNPCを描いたチャールズ・ユウ『NPC』もメタ的で好み。ケン・リュウ『時計じかけの兵隊』はテキストアドベンチャーゲームを扱った作品で、ジャンル特有の「テキストを読む」という形式だからこそ生じる切実な問いかけを行っている。
基本的には”テレビゲーム”が題材となっているので、あるあるネタも多数見受けられ、ゲームが好きな人には贅沢な楽しさを提供してくれるだろう。
アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー
女性同士の関係性に焦点を当てたジャンルである「百合」と「SF」を掛け合わせたアンソロジー。”世界初”と冠しており、収録された作品は高品質かつ熱量の高いものが多い。もともとはSFマガジンの特集号があり、それを書籍化したという経緯があるのだが、雑誌掲載時には収録されていなかった作品も多数あり、すばらしい読み応えとなっている。中でも宮澤伊織『キミノスケープ』はすごい。なにしろ主人公以外の登場人物が一切登場しないストーリーとなっており、世界から人が消えてしまった世界で自分以外の誰かを探すという物語なのだ。もはや概念としての「百合」をSF的な状況設定でもって描いた作品であり静かな衝撃が走る。今井哲也『ビロウトーク』は先輩と後輩が廃墟を探索する漫画作品で、文章以外の作品も収録することで本アンソロジーに彩りを与えている。陸秋槎『色のない緑』は亡くなった親友との記憶と、人工知能による翻訳によって、彼女が亡くなった真相が見えてくる不思議な展開が魅力。言語SFやホラー、宇宙といった要素を入れている作品もあり、百合SFの豊穣さを味わえる良質なアンソロジーだ。
日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族
伴名練による日本SFの「怪奇」というジャンルに目を向けたアンソロジー。埋もれていた傑作を掘り起こすようなセレクトとなっており、いずれの短編もめちゃくちゃ面白い。純粋な恐さを追求した作品もあれば、バカSFに振り切った作品もありで、一口に「怪奇」と言っても幅広い楽しさを提供している。お気に入りは津原泰水『ちまみれ家族』。作者の高い文章力を切れ味鋭いギャグに全力投球した作品で、日常的に血まみれになってしまう家族の姿をユーモアたっぷりに描いている。石黒達昌『雪女』は物語内の事実を淡々と描写することでフィクションに迫真のリアリティを持たせた記録文学といったところ。冷徹に感じるほど研ぎ澄まされた文体がすばらしい。その他にも真面目な顔をして法螺を吹くような話もあれば、暗く悲惨な光景を切実さをともなって描いた話もあり、ホラーというジャンルの懐の深さを感じさせる。一遍ごとに載っている伴名練の熱が入りまくった解説も併せて楽しい。姉妹編として出ている『日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙』も傑作揃いのアンソロジーで大変好み。
この地獄の片隅に(パワードスーツSF傑作選)
パワードスーツというSF作品に古くからあるガジェッドに狙いを定めたアンソロジー。ハインラインの『宇宙の戦士』や『機動戦士ガンダム』、近年では『アイアンマン』など色んな形、場所で登場するガジェッドだけど、ジャンルとしてみると割とニッチ。しかし異星人との星間バトルから、海洋SF×強化スーツ、スチームパンク×パワードスーツといった色んな体裁を取りそろえていて好きな人なら垂涎ものだろう。ジャック・キャンベル『この地獄の片隅に』は異星人との戦争という状況を描き、人が死んだ後も可動するパワードスーツのグロテスクさを捉えている。サイモン・R・グリーン『天国と地獄の星』はめちゃんこ強い植物たちが繁殖している星にパワードスーツを着て降り立った人たちの冒険譚。冒険ってほどハッピーではないけれど好きな一遍なんだよなあ。ジャック・マクデヴィット『猫のパジャマ』は猫SFです。これ以上の説明は不要でしょう。以前単体で記事も書いたのでよければそちらもどーぞ(リンクは貼らないスタイル)。
異常論文
たぶんアンソロジー。たぶんSF。論文であって論文ではない。異常な研究結果をまとめた本、それが『異常論文』。もともとはこれもSFマガジンで特集されたのが発端で、必ずしも論文という形式で書かれたわけではなく、各人が異常論文と聞いて思い浮かんだ読み物を集めた本、という体裁。円城塔『決定論的自由意志利用改変攻撃について』はどこか別の時代の別の宇宙で起きた何らかの異常現象について(たぶん)考察した論文で数式とか出しながら存在しないはずの状況に説得力を与えている。小川哲『SF作家の倒し方』は日本の有名なSF作家たちの中にいる「裏SF界の面子」をいかに倒すかを指南した短編。界隈の人間にはツボ。つまりは論文に擬態した虚構小説。はっきり言って何が書かれているのかよくわからないものもたくさんある。でも神林長平氏が解説で言っているように、本書は読み手による「過剰な読解」を許容している作品群であり、いたずらやおふざけが好きな日本SFの空気感を感じることができる、気がする。
ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー
「歴史改変」というSF短編を集めたアンソロジーで、いずれもハイレベルな出来になっている。宮内悠介『パニックーー一九六五年のSNS』は、SNSの普及が現実より50年早まった日本が舞台。開高健のベトナム現地取材をめぐってSNS上で様々な意見が飛び交うというアイロニカルな状況設定が面白く、見覚えのない、しかし馴染みのある不思議な光景が幻出していてゾクゾクする。伴名練『二〇〇〇一周目のジャンヌ』はジャンヌ・ダルクを主役に添えたループもの。死ぬことで運命を繰り返し、あらゆる可能性の世界を描くグルーヴ感がすごい。架空のキャラの死を軽んじることに対する問題提起にも読めそうで、ラストは胸に迫るものがあった。
現実と虚構の狭間を華麗に描いているので歴史改変が好きな方には強めにおすすめしたい。欲を言えば5編中3編が日本を舞台とした作品だったので、例えば海外作家中心の歴史改変アンソロジーなんかも読んでみたいな。
少女小説とSF
「少女小説」に的を絞ったアンソロジー。必ずしも「少女」が主人公というわけではなく、ジェンダーに言及したものから、異星における戦争を描いたもの、少し先の未来を舞台とした青春ものと、なかなか幅広い。
というかおそらく本アンソロジーでやろうとしていることは、できる限り違う方向性の物語を集めることで、少女小説というジャンルがどれだけ豊かなジャンルなのかを示したい、ということなのだと思う。書き手の嗜好が違えば得意とするジャンルも違うため、読み応えは各短編でだいぶ異なり、SFの想像力が加味されることで、少女が持つ世界へのまなざし、世界を理解しようとする姿勢、逆境に立ち向かう姿を見せようという、センス・オブ・ワンダーの精神が乗っていると感じた。
その精神を特にストレートな形で発揮しているのは、榎木洋子『あなたのお家はどこ?』。アバターを使い星間の通信教育を受けている少女が相棒のAIとともに家出をして心の成長を遂げるという、本アンソロジーにおけるお手本のようなお話で、いま見えているものは自分の認識の内に留まるものであり、他者と交信することで世界がより開けていくという教育的な内容を、近未来を舞台にし、少し先のテクノロジーを使うことで、端的に伝えている。
一番好きだったのは紅玉いづき『とりかえばやのかぐや姫』。『竹取物語』の主役と帝を男女逆転させるという『大奥』的な発想で日本最古のSF小説に新たな息吹を注いでいる名編。性別を入れ替えることでふたりそれぞれが抱える苦悩や悲しさが切実さを増し、言葉の置き方が上手いため、ひとつひとつの文章が強く響いてきた。
全体を通して見えてくるのは、どのように世界と接触するのか、そしてどのように自身の生き方を見出していくかという主人公たちの姿勢であり、SF的な想像力が物語に広がりを与えているということ。少女とSFの交点となる良質なアンソロジーだった。
地球へのSF
「地球」をテーマとしたアンソロジー。今年発売された本で、円城塔や上田早夕里と言ったベテラン作家のほか、若手の作家が書いた作品も多数収録されており、まさに「いま・このとき」を代表するようなSF作家を集めたアンソロジーといったところ。
しかし一言で「地球」と言っても非常に壮大かつ自由なテーマなので、アプローチの仕方は様々。地球の歴史を振り返り、その中でも特異点となる何事かを引っ張り出してSFへと繋げてくる作品もあれば、温暖化やAIと向き合い人類の今後をイメージする作品もある。地球に暮らす人の視点、あるいは経済について目を向け、マクロとミクロを対比した作品もあり、およそ500ページのなかに22人の作家それぞれがそれぞれの地球との関わり方、SF的な未来像、もしかしたら「愛し方」を模索しているように感じられた。
トップバッターを飾る新城カズマ『Rose Malade, Perle Malade』は、紀元前の中国を舞台に、新王のため統治のなんたるかを示す書を編むべく、宇(くうかん)と宙(じかん)を知ろうとした学者たちの物語。大地の大きさ、地球が丸いということ、太陽との巡りといった”未来で解き明かされる知識”を観察によって見いだしていく様子が科学的に描かれていてわくわく。
春暮康一『竜は災いに棲みつく』もすごい。凄まじい規模の体躯を持った巨獣の視点と、それを空から見下ろす人間の視点が交互に語られ、地球規模の生物SFが展開される。『オーラリメイカー』『法治の獣』の作者らしく、巨獣の生態描写には気合い入りまくりで、なんだかすげえもの読んでるなあという感覚になれた。
全体的にクオリティが高く、綺麗にまとまっており、中でも「生態系」についてアプローチした作品は、地球に暮らす生き物、そして「地球という生き物について」という、視野の広さがあって大変良い。
シリコンバレーのドローン海賊: 人新世SF傑作選
「人新世」をテーマとしたSFアンソロジー。「人新世」とは”人間の活動が地球環境に影響を及ぼし、それが明確な地質年代を構成していると考えられる時代”と定義する、つまり「いま」のこと。そして地球環境への影響とは、海洋の温暖化、氷冠の融解、あらゆる種類の極端な気象現象、生息地の消失、種の絶滅等々が挙げられる。本アンソロジーでは気候変動によって環境が一変した未来における新しい社会の構想と、そこで暮らす人々の様子が思弁的に描かれており、作者によってその未来像は様々。変わってしまった世界の描写に力点を置く作家もいれば、人々の心情にフォーカスした作家もいて、イギリス、アメリカ、ナイジェリア、中国、バングラデシュ、オーストラリアと各国の作家がそれぞれの色合いを見せていく。人とテクノロジー、という考え方よりも「人と環境」という点が重視されているのが今日的で、資本主義や格差に対する警鐘を込めた作品が多いことから、変わりゆく価値観と世界に対する諦念、あるいは希望が感じられた。
日本で大人気。個人的にも大好きなSF作家イーガンの新作短編『クライシス・アクターズ』は、人新世というお題目に沿って、気候変動をテーマとしている。主人公のカールは気候変動をでっちあげだと信じる陰謀論者。ある日カールの元に「サイクロンに対処するためのボランティア活動団体に潜入してほしい」という依頼が舞い込み、内部調査に赴くこととなる。という基本設定の時点でひねりが効いており面白い。イーガンらしい心理描写をふんだんに入れつつ、活動に奉仕しながらカールが何を見て、どう感じ、どのような場所へ行き着くのかが描かれる。
陳楸帆『菌の歌』は、気候変動に対応する必要性から生まれた「超皮質ネットワーク」を社会に広げようとする企業から派遣された使者が、とある村で神秘的な出来事を体験するという筋立て。この村では外界の制度とは異なり、政治より祭祀、アルゴリズムより神霊こそを尊ぶべきものと考えており、いわばアニミズムの精神が根付いている。主人公が体験するこの神秘は、それまでとはまったく違った景色が自身の中に広がる瞬間であり、これぞセンス・オブ・ワンダーといったところ。
*
というわけで読んできたSFアンソロジーの中でも気に入ってるものを選んだアンソロジー記事でした。書きながら、もし自分がアンソロジーを編むならどんなテーマにしようかなあとか、「究極のSFアンソロジー」を作るならあの短編もこの短編も入れたくなるだろうなあとか想像してしまい、編者の苦労を末端から知った気がします。
例えばなんだろうなあ、宇宙開発、ロボット、百合、BL、ファッション、終末、ポストアポカリプス、音楽、文房具、図書館、美術館、アート、蛮族、妖怪、ロードムービー、ゲームブック、きつね、ボードゲーム、怪獣、お菓子、スチームパンク……色々あるけど、海外SFの翻訳者がいつか自分で翻訳したいと思ってる秘蔵の短編を集めたアンソロジーがあれば読んでみたいし、逆に日本SFの翻訳をしている海外の翻訳者が一推しする短編を集めたアンソロジーなんかあったら是非読みたいな。無理だろうけど。
アンソロジーを読んでいて感じるのは、ものによっては玉石混淆の場合もあって、合う合わないも出るのだけど、心をこめて編まれたアンソロジーはどうあったって読者に響く何かがあり、どれか一遍でも突き刺さればそれって最高の体験だよなってこと。私はそう思う。良いアンソロジーってのはジャンルを深く知ることだけでなく、ジャンルの概念を広げてくれる。そういう豊穣さがある気がするから。
ところで、猫SF傑作選にドラえもんが入ってなかったのは何故なんだろう。すこしふしぎだ。
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