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きょうだいって、いいな

昨日、息子のイライラの理由を聞いていた時、娘もずっと隣にいた。普段なら、自分が食べ終わるとすぐにリビングへ行って一人で本を読んでいるのだけれど、昨日は珍しく一緒に息子の話を聞いていた。
弟が、あまりに悲しそうに泣いていたので、姉としても気になったのだろう。それに、現地校での友達関係という、娘自身も同じように直面している問題についての話だったから、というのもあったと思う。

娘は、もうすぐ10歳という年齢的なこと、女子だということ、日本で既に2年半の小学校生活を経験していることもあり、友達との付き合い方を、息子よりはわかっている。
構ってほしくて騒ぐ男子がいること、余計なことを言って友達関係をこじらせる女子がいることなどは、既に経験として知っている。だから、そういう子たちを嫌だと思うなら、彼らと関わらなければいいと知っている。そしてそれを実践している。

今通っている現地校には、こじらせ女子は今のところいないようだが、騒ぐ男子はいるらしく、その子とはほぼ話したことはないと言っていた。関わると面倒だと最初から判断したのだろう。それもどうかと思うが、過去の経験による、娘なりの対応策だ。
そして、こじらせ女子はいないが、日本人にだけ、強気にものを言ってくる女子が一人、クラスにいるようだ。なんでもその子は、娘ともう一人いる日本人の女の子の二人にだけ、消しゴムを貸せだの、えんぴつを貸せだの、あっちへ行けだの、ちょっとエラそうにものを言い、他の子にはそんなもの言いはしないらしい。なぜ、その子がそんな態度をとるのか真意はもちろんわからない。もう一人の日本人女の子は、大人しいタイプの子なので、その大人しさに目をつけて強気になっているのかもしれない。そしてあとからやってきたうちの娘は、慣れればかなり気が強くよくしゃべるけれど、言葉の問題もあり、今はまだ学校ではそれほど積極的に話したりはしていないのだろう。それを大人しいと見なされ、同じように目をつけられたのかもしれない。
けれど、娘はそんな彼女の態度を「たぶん、私と○○ちゃんが日本人だからそんな風にするんだと思う。腹が立つこともあるけどそれに何か言い返して、また他のことされてもいやだし、面倒だから。そんなことする子は△△だけだから、別にそんなに気にしてないし」と冷静に分析していた。友達のちょっかいに、どう対応していいかわからずおいおい泣いていた息子と大違いである。小4ともなれば、女子は本当にしっかりしている。母は感心するばかり。

息子は、相手に正面から向き合ってぶつかっていくタイプだけれど、娘は、正面からぶつかるのが面倒だと判断すれば、あっさりほかの道を選ぶタイプ。同じきょうだいでも、考え方や行動が全然違う。どちらがいいとか悪いでもないし、それぞれが思うようにやりたいように、すればいい。ただ、お互いの思考・行動パターンが違うからこそ、お互いのやり方を共有し合って、なるほど、そんなやり方もあるのかと、学び合えるといいのだろう。

彼らはそれぞれにたくましく生きているけれど、二人なら、もっとたくましくしたたかに生きていけるに違いない。母は密かに、そんなことを思いながら、いつも二人を見ている。

きょうだいって、いいな。