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ゲージツってのは

昨日の"人の心に土足で踏み込む"にあたる英語表現を調べてみたところ、"be intrusive on someone's privacy"という訳が出ていた。
"intrusive"は"出しゃばりの"、とか"押し付けがましい"という意味らしい。
また"Don't touch my soul with dirty hands"という表現もあるらしく、こちらのほうが、"土足で踏み込む"感じに近いような気がする。
Don't touch my soul with your dirty hands!!!って言われないように気をつけます。といっても、ズカズカ踏み込めるほどの語学力がないので、今は踏み込みたくても踏み込めないのだけれど。。。

さて、今日はテート・モダン美術館へ行ってまいりました。こちらは近現代アーティストの作品を中心に展示している美術館。最寄りのサザーク駅で電車をおりて、ホームから改札に上がる空間が、なんだかすでに近未来的な雰囲気を醸し出していて、娘は「モモに出てくる灰色の男たちがいそうな場所。。。」と言っていた。確かにそんな雰囲気だった。

館内の展示は、先日訪れたV&Aとは違って、ゆったりと余裕があった。私のイメージする美術館の展示室という感じだった。
けれど、V&Aとはまた違った意味で、今日も脳内は少し混乱気味。その理由は、現代アートの理解不能な世界。
中世の絵画などは、宗教画や神話をモチーフにしたものが多くて、何を書いているのかがとてもわかりやすい(その分、聖書や神話の世界への事前知識があるかないかで楽しさは変わってくるとも思うけれど)。
しかし、現代アートは、抽象的なものや、作者の心の叫び(のようなもの)が描かれていると思われるものが多く、事前知識は必要ないものの、この作品のテーマが何なのか?ということがよくわからないし、作者はみんな病んでいるのでは?何をどうしたらこんな発想の作品ができあがるのだろう?と思わずにはいられないほど、理解不能なものがたくさん。
それは私が単に、アートへの造詣が浅いということが主な要因だけれども、みんなあの作品を見て「素晴らしい!!!」と思うのだろうか?もちろん、作品の意味はわからなくても、何かものすごい熱量を感じさせるものはある。けれど、それが芸術なのか、と言われると私にはよくわからない。
でもきっと、それらの作品を生み出したアーティストたちは、私のようなごくフツーの人間が見ているものとは別のものを、日々の生活の中に見ているのだろう。私と彼らが同じ景色を見ても、同じ経験をしても、その受け止め方はきっと、全く別次元のものになるのだろう。

ゲージツってのは、奥が深いんだなぁと改めて気づいた現代アート鑑賞でした。
それでも、何かよくわからないなりのエネルギーみたいなものは、受信したような気がします、たぶん。
そして、美術館6階のカフェの展望が最高だったので、アートはよくわからなくても、また訪れたいと思う美術館でした。