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行動経済学をかじったら、世の中がおもしろく見えてきた。

今日はランチと夜にひとりずつ、
マッチングアプリの人と会う予定だった。
(界隈でいう“アポ”2件はしごの予定だった)

そして、2人ともドタキャンしやがった。

まあアプリなんてそんなもんだ。
さて、突然予定がなくなった連休最終日、
何をして過ごそうか。

予定を入れず家でゆっくり過ごしても良いのだが、
もともとは“予定が入っていた”ため、
失われた予定を埋めようという「損失回避」の心が働いた。

『損失回避』
人は得より損を重く感じるため、得を追うより損を回避しようとすること

そして、
せっかく東京にいるのにオリンピックの実感が全くないので、
オリンピックグッズを買いに行こうと決めた。

いやあ…
人間とは単純なもので、
つい先週までガラガラだったオリンピックグッズ売り場は大混雑。

連日の大会の盛り上がりやメダル獲得の姿が「アンカリング効果」となって、
購買欲を刺激されたのはわたしだけじゃなかったようだ。

『アンカリング効果』
提示された数値や情報がアンカー(錨=刺激)となって、それに影響を受けて判断してしまうこと

わたしは、
オリンピックグッズで買いたいものがあった。

リカちゃん人形だ。

リカちゃん人形が欲しくなったのは、
「現実を生きるリカちゃん」という
インスタアカウントのせいだ。

「これはわたしか?」と思わせるリアルなOLの現実を、
“リカちゃん”という美しい女性が再現することで、
自分のだらしなささえも肯定できる、素晴らしいアカウントだ。

このアカウントをフォローしてるので、
日々タイムラインに流れる投稿を見ていた「単純接触効果」で、リカちゃんに親近感を抱いていた。

『単純接触効果』
同じものに何度も触れることで、好印象を抱くようになる現象

そんなわけで、
オリンピックとコラボしたリカちゃんを探しに出かけたのだが…

売っていない!!!

パラリンピックのリカちゃんは見つけたが、
オリンピックのリカちゃんがいない!!

在庫切れだ。

「送料かかるけどネットで買うか…」
と公式サイトを開くと…

サーバダウンしとる!!!

昨日までは普通に見れていたので、正直驚いた。

おそらく前述の「アンカリング効果」に加えて、
混雑するグッズ売り場を見た人や、
サーバが混み合っている事実を知った人が、
「ハーディング効果」によって、自分も早くグッズを買わねば!と余計に購買欲を刺激されたのだろう。

『ハーディング効果』
大多数の人と同じ行動を取ることで、安心感得るという現象


さて、オンラインストアも開けないので、
新宿→丸の内→有楽町→銀座と公式グッズ販売店舗を4店はしごしてから、
品揃えが多いと聞いた秋葉原へ向かった。
(リカちゃんへの執念)

しかし、秋葉原にも、いない。

一応、店員さんに在庫確認をした。
すると、ある有力な情報を手に入れた。

「有楽町のビッグカメラのおもちゃ売り場に在庫があると思います」

うおおおお!?
さっきまで有楽町にいたのに!!!
公式グッズ売り場ではなく、おもちゃ売り場とな!?(心の声)

すでに交通費はオンラインストアで買う際の送料くらいかかっていた。
しかし「サンクスコスト効果」も働き、わたしは有楽町へ戻ることに決めた。

『サンクスコスト効果』
すでに投入して回収できない費用(サンクスコスト)を無駄にしたくないという思いから、損することが分かっていてもやめられなくなってしまうこと

そして…

ついにリカちゃんと対面することができた!!

(完)

「オリンピックが始まってから売り場やネットが混雑するのは予想できただろう」
「もっと前からグッズは売ってたんだから、オリンピック期間の混雑に振り回されるのではなく、事前に買っておけよ」
という心の声がわたし自身を刺してきたが、
そう合理的にいかないのが人間だ。

今日の自分はあまりに滑稽で非合理的だなあと感じたので、
最近かじっている行動経済学的視点で自分の行動を振り返ってnoteに綴ってみた。

でも、気づいたことがある。

非合理で無駄な1日だったからこそ、オリンピック期間の思い出ができた。


忘れかけていたが、
ドタキャンしてくれた2人よ、ありがとう!!

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