『アナと雪の女王』1,2で扱われた、現実に持ち帰ることのできる「魔法」の話
①
『アナと雪の女王2』は、劇場に2日通い、吹き替え版と字幕版を合計5回見ました。一日三回、よく見たものだと思います。動画も両方買って持っていますが、劇場へ行くより手軽に視聴出来るのに、あまり視聴していません。アレンデールへの入り口のようなものなのでしょう。手元にあることが嬉しい。
②
英語版と日本語版と、もう一つどこかの言語で聴いた範囲では、テヨンのバージョンが好きです。
③
Disneyの人々が、本気で子どもに伝わるように、楽しめるように、お話を作っていると、私は感じました。
『アナ雪の1』で、不幸な出会いは出てきますが、エルサは王子様待ちをしませんよね。魔法の力はあるし、アナがついてるし。
④
『アナ雪』は、要点を振り返ると、おそらくアメリカなど英語圏の文化の、家庭問題として理解可能な、「個性的で優秀だけどうっかりしてる姉と、一見普通だけれど姉をがっちり支援する妹」という、2人のそれぞれ別な孤独な子ども時代を経験している姉妹の関係性の物語を描いた点が、美しいです。
結果的に危険な旅による両親の事故を招いたり、人払いをした環境で成長することになった原因のエルサの魔法と両親の理解の間違いの、皺寄せはアナへ行っています。夢みがちだけど、真っ直ぐ育ちました。
子どもたちは、きょうだいの多い子も、一人っ子も、安心できる家庭もそうでない家庭も、様々な環境で『アナ雪』を見るはずです。魔法の世界のお話だけど、身近な要素を盛り込んでいるから、何かしら鑑賞して持ち帰ることができるでしょう。何も感じなくてもいいし、励まされてもいい。ミュージカルの曲が残ってもいい。大人になって、作品の感じ方が変化することに驚いてくれてもいい。
⑤
『アナ雪2』の終盤で、オラフが溶けた場面のこと。エルサの魔法が前提だから、オラフが溶けるのはエルサに何かあった印です。真っ暗な洞窟の中で、深い孤独を経験しつつ、それでも今できることをしようとするアナがいなければ、『アナ雪2』はバッドエンドで、あそこで終わっていました。
アルベール・カミュに、もし見せることがあれば、彼の実存主義はここにあると、あの場面を気に入ってくれるかもしれません。
エルサは分かりやすい超能力的な魔法の力を与えられています。
アナは、そんなエルサが世界で孤立せずに済むような、心理学的な知恵と高いコミュニケーション能力を持っています。
僕らは押し寄せてくる川を凍らせる力は無いけれど、アナの持つ力は学習可能だから、見方によっては21世紀の現代でも確認できる、我々の世界の確かな魔法を、この作品は教えてくれるのかもしれません。劇場の足元を照らすランプのように、密かに、確かに。
部活動
関連note
プロフィール
※2024/11/18 11:40。stand.fmのリンクを埋め込みました。