見出し画像

文学や宗教が届かないほど深い闇に、コールセンターで学んだスキルは活用できた話

お坊さんの訓練や内観のトレーニングは経験がないけれど、自己との向き合い方に、コールセンター時代に養われた考え方やコミュニケーションの方法は活用できたことは、私には新鮮な驚きでした。

ストレスは煎じ詰めると、「社会とか上司とか、何なの?」という言葉に集約出来るかもしれません。責任者を出せとは言えない。けれど、代わりに自分が対応することは可能でした。

☎️

例えば、僕の新人時代の1番最初の電話は、コールセンター長や先輩がモニタリングしてくれて、一般の言葉に置き換えると立ち会ってくれて、何かあれば代わってくれる状態で実習を受けました。

担当したのは、返金関連で、感情的にこじれているお客様です。それ別にお客様に問題があるわけではなく、私の会社側で、通常の返金ではなく、現金書留で出来る限り早く返金するほど、例外的な事態になったケースでした。

最初の電話であっても、自分の会社を代表して出ていますから、役割として相手がお怒りでも逃げるわけにいきません。仕事は無事に終わって、役割を果たせることを証明できたので、私の仮免期間はこの電話で終了しました。

事実確認をすること、すでに激怒しているお客様をさらに刺激したり、落胆させるような発言をしないこと、相手が怒っていたり攻撃的であったとしても、慌てず、反射的に逃げないことなどが重要です。

我々は逃げる傾向があります。何からかというと、自分から。自分とか自分の弱さとか、自分の都合の悪い何かから逃げます。蓋をして見ないようにする。

もしも、精神科医から止められている方は、精神科医がその方のことをよくご存知で判断なさったのだから、精神科医の指示を優先して下さい。この記事は、心身に余裕がある場合を想定しています。

☎️

逃げてしまうと、悪化することが2つあります。

一つは、自分を知るための判断材料が手に入らないこと。いつまで経っても自分が分からない。

もう一つは、人間は分からないことは怖いということ。例えばいつ来るかどれくらいの損害をもたらすか分からない天災のように。だから、自分から逃げると、分からない状態が継続します。基本的に、見たくない自己は理性の光を当てた方が、怖く無くなるのが、私の経験則。

☎️

そう考えると、自己との向き合い方は謝罪と似ています。事実確認をし、申し訳なかったと言葉にし、どのように責任を取るのか伝え、再発防止も伝え、必ず約束を守る。

逆に、自分の会社に都合の悪いミスだからと、見なかったことにすると悪化します。これらは、我々の内面のアナロジーになり得ます。

☎️

このように、自分と向き合う際、受け入れられない自分、カッコ悪くて矛盾した自分と向き合う際は、コールセンターで培うスキルを転用できます。具体的に確認しましょう。

例えば——

  1. 傾聴スキルを使って自己の内なる声に耳を傾け

  2. 感情管理のテクニックで自己を直視する際の不快感や恐れに対処する

  3. 問題解決能力を活かして自己の課題に対して冷静に対策を立てる

  4. 言語化スキルで内面の感情や思考を明確に表現する

  5. 事実確認する

  6. 相手を刺激しない

これらのスキルは内面との対話にも適用できます。業務で獲得したコミュニケーション能力は、外部との対話だけでなく、内面にも活用できるのです。

不条理に激怒し答えのない問いを抱く自己がいるとして、文学や宗教とは異なる足場から、自分自身に手を貸すことは、伝統的な価値観が揺らぎ、大切なものが多様化した現代における、知恵に思えるのです。


関連note


この記事を書いた人

「♡」は、誰でも(noteにアカウントを作っていない方でも)押すことができます。この投稿を「いいな」と思った方は、気軽に押してもらえると嬉しいです。もちろんフォローも嬉しいです!

この記事が参加している募集

サポートする値打ちがあると考えて下さって感謝します! 画像生成AI学んでるので、その費用にさせて下さい。 新書を一冊読むことよりお得なnote目指してます。