🎬芸術の秋〜名作映画『泥の河』
【📽️日本名作映画『泥の河』】
1981年に劇場公開された
モノクロの映画
それが『泥の河』
当時の映画は、殆どがカラーで
敢えてモノクロで撮影された映画は
むしろ珍しいと言える
監督 : 小栗康平
制作 : 木村プロダクション(木村元保)
原作 : 宮本輝…第十三回太宰治賞を受賞
脚本 : 重森孝子…TVシリーズ「金八先生」他多数
撮影 : 安藤庄平…「帝都大戦」他多数
音楽 : 毛利蔵人…赤毛のアンの挿入歌(劇中音楽)を担当、他多数
《キャスト》
田村高廣
加賀まりこ
藤田弓子
朝原靖貴
桜井稔
柴田真生子
芦屋雁之助
(この他に蟹江敬三が巡査役、殿山泰司が屋形船の男で出ている!)
《あらすじ》
昭和30年代の大阪。
安治川の河口で、ボロボロのうどん屋で父母と暮らしている小学低学年の信雄。
貧しいながらも、明るい家族の中でのびのびと育っていた。
だが信雄の父晋平は、妻貞子に隠れて別に家庭を持っているという一面もあった。
対岸に繋がれた舟には、信雄と同じくらいの少年喜一と、喜一の姉銀子が母親と暮らしている。
信雄の父晋平は、信雄に喜一と銀子が住む舟には近づくなと言う。
その舟では、姉弟の母笙子が「夜の客」を取って生計を立てているのだった。
茹だるような暑い季節の中
3人の子ども達の出会いと別れ…
時代背景と生活感をモノクロの映像で
リアルに、物哀しく描いた名作🎬
演技未経験者だった子役達の
セリフ、表情、動き、
どれもが素晴らしかった
特に惹かれたのが、銀子
セリフは少なくて
でも銀子の表情から
悲しみや諦めがストレートに伝わって来て
心を締め付けられた
そして
笙子(加賀まりこ)の、何とも言えない美しさ!
妖しく揺れるような、その美しさは圧倒的だった
今にも壊れそうなぼろぼろの舟の中で
身を売っている女性とは思えない、
気だるく切ない美が光っていたと思う
舟で身を売る仕事…
それを知っている信雄の父は
「きっちゃん(喜一)と遊んでもいいが、夜には舟に行ったらあかん」
と言い聞かせた
父は、心配する信雄の母にも言う
「子どもは親を選べない。子どもには何の罪もあらへん!」
この言葉は、今の時代でもそのまま通用する…
最後の別れのシーンでも
舟が遠ざかり、最後まで姿を見せない銀子と喜一
「きっちゃ〜〜〜ん!」
と追いかける信雄
このシーンを観ていて
脈絡も、共通点も無いのに?
何故か、映画「ローマの休日」のラストシーンと被った
「ローマの休日」でアン王女が記者会見し、会見後誰も居なくなってガランとした会場
でも…何故か
アン王女が戻って来て、通信社記者ジョーの胸の中に飛び込んで来るんじゃないか
そんな、あり得ない期待をしてしまう
同じ期待を『泥の河』のラストシーンでも抱いてしまうのだ
そして見事に打ち砕かれ…
残酷で、当然の現実(映画だけど)だけがスクリーンに映る
💡『泥の河』には
沢山の制作裏話(エピソード)があります🤭
上に貼った動画では
数々の国内・海外の賞を総ナメしてるのが分かるけど👀
この映画は、完成後最初の「配給」問題からつまずいた💦
当時、娯楽映画が全盛期で
配給を当てにしていた会社が他の映画を選んでしまったのだ😱
配給会社を失って、完成した映画を上映する映画館が無い…
制作会社は「自主上映会」をやることを決定!
その第一回が、東京・草月会館での有料試写会だったのだ。
この時試写会に来ていた東映セントラルフィルムの社長(当時)が映画に感激して、配給が決まった。
そして、試写会に来ていた映画評論家達が揃って大絶賛👏
日頃辛口の評論家も!
(「おすぎとピーコ」の、映画評論家おすぎも大・大絶賛だった🤭)
こうして日の目を見た『泥の河』は、
その後日本はもとより海外でも高く評価されたのだ✨
【水野晴郎 解説「泥の河」】
子役たちの演技が素晴らしいとも絶賛された👏👏
オーディションで選ばれた3人の子役たちは全員、全くの演技素人で👀
夏休みの間に撮影が進められ、その期間監督が3人を預かって生活を共にした。
技術的な演技法ではなく、感情を引き出すことに力を注いだという。
この映画を観た、世界的有名な映画監督スティーブン・スピルバーグ監督は
「子ども達の演技が素晴らしい」
と感激!
映画「E.T.」のプロモーションで来日した時に、小栗監督に会いに行ったというエピソードも😍
当時、女優として人気沸騰していた加賀まりこさん❤️
何故、新人監督の映画に出演になったかと言うと👀
この映画を制作した木村社長とは麻雀仲間で🤭
木村社長からの打診に
「いいわよ〜」
と出演快諾🙌
ただ、あまりの人気でスケジュール調整が難しく💦
加賀まりこさんだけ、東宝の撮影所内でセットを作って舟を持ち込み、6時間で全シーンを撮影したというから驚き🤣
監督 : 小栗康平さん
新人で、初めての監督作品で!
「第一回日本アカデミー賞」優秀作品賞・最優秀監督賞をはじめ、
数々の賞を受賞✨
制作 : 木村元保さんの言葉
「金額が大きいだけに怖いですよ。映画興行は一種のバクチ。公開してみなきゃ、当たるかどうか分からない。
木村プロは他と同じような映画を作っても仕方がない。ファンのためにも賞の獲れる作品を作っていきます」
✨成功は当たり前ではなく✨
✨沢山の人達の努力があり✨
✨繋がったからこその成功✨