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【老化対策にも】中医学的「腎」の養生 動物の冬眠は理にかなっている対策だった。冬に大切なのは・・・

前回まで、2回に分けて「腎」のはたらきについてお伝えしました。

「腎」は、体を支える屋台骨的存在だと
私は思います。
特に中年期以降の方は、養生してしすぎることはないです。

と言うのも、他の臓と違って、
「腎」には基本的に虚証のみです。
つまり、補うのが基本

ですが、足りていない状態というのは
吸収するチカラも持っていない状態。
どれだけ補うのかは、自分観察で見極めていくことが大切です。


「腎」の弱りには様々なタイプがある

「腎」の弱りのタイプは、大きく3つに分けられます。

①腎陽虚➡腎陽が不足(温める作用が低下)した状態。
②腎気虚➡腎の気が不足した状態。
③腎陰虚➡腎陰(血、津液、精)が不足した状態。

どのタイプも精気(生命根源の力)の不足が
前提にあります。
細かくみていくと、更に枝分かれしていくのですが
今回は基本的な養生にポイントを絞ってお伝えします。

「腎」と関係が深い季節は『冬』


上の図の「腎」の部分の季節は『冬』。
暦の上でも、11月7日に『立冬』を迎え、冬がはじまりました。
ここから約3ヶ月が『冬』になります。

【冬は貯蔵する季節】だと、中医学では考えられています。
「陽」の気が少なくなり、「陰」の気が多くなる時季。
大事な精気を蓄える為に「腎」の働きが活発になります。
ここでエネルギーを発散してしまうと、春にパワーが出ません。

動物で言うところの、《冬眠》は
とても理にかなっていると言えますね。

また、冬は寒くて汗が出にくくなります。
そこで、「腎」と「膀胱」がせっせと働き、不要な水分を尿として
体外に出しているのです。

このように、活発に働いてくれる冬は
特に「腎」のはたらきを助けることがとても重要です。

では、具体的にどんな対策をすると良いのか?
1つずつみていきましょう。

『冬』に取り入れたい養生法あれこれ

(1)「腎」と関係が深い味「鹹味(かんみ)」を過不足なく

鹹味とは、塩辛い味のことです。
特にこの季節おすすめなのが、【味噌汁】です。
味噌自体が体を温め、血の巡りを良くする作用がありますし、
汁ものにすることで、他の食材も摂りやすくなります。
味噌+目的に合ったものを加減するだけで
立派な薬膳になるのです!

(2)「補腎」「益精」を基本にした食材を
「補腎」 黒米、八つ頭、黒胡麻、海老、貝柱、豚肉、うなぎなど
「益精」 鶏肉、かつお、真鯛、山芋、黒胡麻、黒木耳など

さらに、
・腎陽不足な場合(全身の冷え、水の停滞、痛み)
くるみ、にら、ネギ、海老、羊肉、まぐろ、鹿肉、赤ワインなど
・腎陰不足な場合(全身の乾燥、ほてり)
山芋、黒豆、黒木耳、白木耳、イカ、牡蠣、豚肉、枸杞の実など

我が家では、山芋は常備し、
最近は黒胡麻ペーストも取り入れるようになりました。

(3)首と名の付くところ&腰を温かく
外気の寒い空気で、自分自身の体温を下がらないように
着るものでうまく調節。
「腎」のある腰は特に冷やさないように。
私は、この時期は薄手のシルクの腹巻きを愛用しています。

薄手ですが、これ一枚足すだけでお腹周りがかなり温かいです♪

(4)睡眠をしっかりとる
どの季節においても睡眠は大切ですが、
体にエネルギーをしっかり蓄えるため、冬は特に大切
理想は『早寝ちょい遅起き』。
ですが、難しい方が多いですよね。。。
なので、せめて時間がとれる時は早めに休むようにして
体を労ってあげるようにしましょう。

(5)暖房はほどほどに
冬の寒さ対策に暖房は必要なもの。
ですが、あまり外気温との差が大きすぎると血管に負担がかかります。
着るもので調節してあげるなど、工夫してみましょう。

補足:「腎」と関係の深い感情が「恐」「驚」です。
過度な恐れや驚きは、体に良くない影響があると
中医学では考えられています。

こころを鎮めるようにしてあげることも
「腎」の養生につながるといえます。



体を温めたり、睡眠をしっかり取り、食事に気を付けること。
言葉にしてみると、とてもシンプル。
ですが、これらを実践するかしないかは自分次第。

私自身、出来ていないこともたくさんあります。。(だって人間だもの)
ですが、こうしてアウトプットすることで再認識し
もう少し努力してみよう と行動することができます。

急激には変わらないかもしれませんが
こつこつ続けてあげると、必ず体は変わってきます。

何をどれだけ食べるか?どんな風に生活していくのか?
自分で自分を良く観察しながら、取り入れてみましょう。



今回は、中医学的「腎」の養生についてお伝えしました。

何かひとつでも参考になれば嬉しいです。
お付き合いいただきありがとうございました。

YO


#中医学
#身体ケア

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