【童話大戦争】 ⑥ 結集 日本童話軍
【同舟共命その1】
殿を務めた桃太郎と鬼たちは、命からがら海岸までたどり着いた。家臣たちの盾となり、身命を賭けて奮闘した鬼軍団は、その数を四百まで減らしていた。
何度も全滅の危機に陥ったが、なぜかその度に西洋軍の進軍速度が落ちたのが幸いした。途中からグリフォンやハービーたちが山に向かって飛び去っていったのも助かった。
『やっとここまで来たが…さて、鬼ヶ島までの船をどうしたものやら。このままでは、文字どおり背水の陣を引くしかないのう。』
桃太郎は一人自嘲気味に笑った。