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勉強習慣が身につく 3つのポイント
お子さんに毎日コツコツ勉強してもらいたいと思っていても、
なかなか勉強習慣が身につかないと悩んでいませんか?
保護者「早く勉強しなさい!」
子「今しようと思ってたのに、やる気がなくなった…」
という会話は、勉強あるあるですね。
やはり、勉強を嫌なもの、大変なものと感じる人は多いと思います。
勉強習慣を身につけるための3つのポイント
そこで今回は
お子さんたちが勉強習慣を身につけるための3つのポイント
を紹介したいと思います。
ポイント① やる気スイッチ
実は私たちの脳には「やる気スイッチ」が備わっています。
淡蒼球という脳の部位で、やる気はつくられ、
淡蒼球を刺激すれば、やる気が生まれることがわかっています。
まさにやる気スイッチですね。
「そんな便利なものがあるなら、もっと早く教えてもらいたかった!」
と思いますが、
その淡蒼球の刺激の仕方が問題になってくるんです。
それでは、何をすれば淡蒼球が刺激され、勉強をやる気になるかというと
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
勉強です。
いやいや、
「勉強のやる気がおこらないから困っているんであって、
自分で勉強できるんだったら淡蒼球なんて必要ないでしょ?」
と感じるのはもっともなことです。
しかし残念ながら、
「やる気」があるから、勉強する
のではなく
勉強しているから「やる気」が出てくる
![](https://assets.st-note.com/img/1662358207869-Bz6ZOspO1C.jpg?width=1200)
というのが「やる気(脳)の正しいメカニズム」なんです。
私たちの脳は固い頭蓋骨の閉鎖空間の中にあるため、外の様子は体の反応を通して理解しています。
ノートに単語をかいたり、計算したりという勉強の動作を行うことで
手や口を動かしたときの運動の信号
目や耳などから入った情報
などが、神経を伝って脳に到達し、
淡蒼球を刺激することで、勉強に対するやる気が生まれるという流れが
脳科学的に正しい認識になります。
勉強する前に「やる気がでない」と思うのは、
淡蒼球に勉強という刺激が入っていないので、やる気自体が生まれていませんから、当たり前のことなんです。
こんな体験ありませんか。
最初は嫌々始めた部屋の掃除も、時間が経つにつれ、
あそこも、ここも気になりだし、
だんだん気持ちがのってきて、
いつの間にか徹底的に掃除してしまったことが…。
これは、最初は嫌々だったとしても掃除を続けることで、
淡蒼球に掃除という刺激が継続して入ることになり、
淡蒼球がやる気を生み出したために起こった現象であるといえます。
このことからわかるように、やる気スイッチである淡蒼球は、
ある程度、時間をかけて刺激を与えなければ、
やる気を生み出してくれません(ケチですね…)。
実際、10分から15分程度、
刺激を与え続けないとやる気が生まれないことがわかっています。
以上のことから、勉強でやる気を出すためには
・とりあえず、机に向かって勉強を始めること(自分への強制・意志)
・始めたら10分以上中断しないこと(淡蒼球への刺激)
の2点が必要だということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1662358913309-R7UDSjJOhs.jpg?width=1200)
勉強習慣を身につけるためには、
興味をもつような教材を考えたり、
宥めたり、すかししたりして気持ちを勉強に向けさせたり
といろいろと工夫することよりも、
とにかく、勉強を始めさせることが重要だということです。
ポイント② 保護者のみなさんの関わり方
ただ、勉強を始めさせるために、
無理やり椅子に縛り付けて、叱りながら強制しても
あまり意味がありません。
そこで保護者のみなさんの関わり方が重要になってきます。
厚生労働省が「21世紀出生児縦断調査」で、学習への関わり方を次のような項目で調査しています。
【父母の子どもの学習への関わり方について】
・勉強するように言っている
・勉強時間を決めて守らせている
・勉強を横で見ている
・勉強をしたか確認している
結果、
母親の場合:時間を決めて守らせている
父親の場合:勉強するのを横で見ている
が最も効果が高くなっていることがわかりました。
特に母親は男の子よりも女の子に対する場合が、
父親は女の子よりも男の子に対する場合が
より効果的であるという結果も出ています。
女の子にとっては母親が、男の子にとっては父親が
家庭内において模範になりやすく、その影響を受けやすいからだそうです。
さらに、
母親が「勉強しなさい」
というと、かなりマイナスの影響を与えてしまうことも結果として
出ているので注意してください。
※ちなみに、学校においては女性の先生が女の子に、男性の先生が男の子に影響を与えるようです。
では、この結果を考察した上で、
お子さんが勉強習慣を身につけるための保護者のみなさんの関わり方
を提案したいと思います。それは、
「お子さんと一緒に勉強する時間をもつ」
です。
お子さんにとって一人で勉強することは、
嫌悪感だけでなく、不安感や孤独感を感じやすくなるため、
保護者の方が寄り添って一緒に勉強すれば、
お子さんは安心感を抱き、勉強へのハードルが一気に下がります。
また、
テレビを見ながら「勉強しなさい」と言われるより、
「〇時まで一緒に勉強しよう」と言われたほうが
勉強することに納得しやすくなるでしょう。
保護者のみなさんが日々の生活で疲れている中でも、そんな素振りを見せず、お子さんのために時間を捻出しようとしている姿勢は、
お子さんの心に必ず届きます。
そして、勉強を始めることができれば淡蒼球が刺激され、
やる気が生まれてくるので、勉強が習慣化しやすい状態になります。
習慣化していけば発達段階によって、
保護者の方が寄り添わなくても
ゆくゆくは一人で自主的に勉強するようになっていくでしょう。
最初の数か月の努力が、
一生の勉強習慣につながると考えれば、将来性のある投資です。
もちろん、この提案は母親のみなさんだけでなく、父親のみなさんにも当てはまることなのはいうまでもありません。
ポイント③ ご褒美の活用
さらに自主的な勉強習慣を促し、その勉強を学力向上につなげる方法として、ご褒美の活用があります。
簡単にいえば、ご褒美をちらつかせて、勉強に気を向ける作戦です。
「次の期末テスト〇点以上取ったら、携帯買ってあげる」
「成績5(5段階)が〇個以上だったら、パソコン買ってあげる」
などのご褒美は、私が教員のころもよく聞きました。しかし、
このご褒美の設定はあまり効果がないので注意してください。
しかも、目標達成していないのに
「次のテストを頑張るのであれば…」
というふうに情状酌量で買い与えると、
「目標は達成しなくても、願いを叶えることができる」
という良くない成功体験になってしまうので、
肝心の勉強習慣からは遠ざかってしまいます。このように、
ご褒美は成績の結果に対して設定してしまうと効果がありません。
「本を読んで、その内容を問う小テストに答えられたら〇〇円」
「算数の練習問題を◆問、解いたら〇〇円」
「家に帰ったら宿題をする、◆日連続で〇円」
「宿題の問題を次の日にもう1度全問正解するまでやったら〇〇円」
「毎日その日の授業の振り返りをノートにまとめたら〇〇円」
「土日祝日に◆時間勉強したら〇〇円」
などのように勉強に対してどのような行動をとったか、
つまり勉強方法に対する行動に、ご褒美を設定すると
学力が向上し、勉強が楽しいと思うようになってきます。
ちなみに、小学校の低学年は、お金よりシールやメダルなどのご褒美が効果的で、中学生ぐらいになると残念ながら、やはり現金が有効に作用します。
もちろん、ご褒美はあくまで勉強習慣のきっかけであり、
永遠に続けるわけにはいきません。
勉強習慣が身につけば、ご褒美を停止しても自主的に勉強を続けるようになるので安心してください。
「寝る前に少しでも勉強しないと気持ち悪いなぁ…」
と感じるようになれば習慣化完了です。
エビで鯛を釣るではありませんが、試してみる価値はあるのではないでしょうか。
まとめ
①とりあえず10分間以上勉強をすれば、やる気がおこる
②お子さんと一緒に勉強する
③ご褒美を勉強方法に対する行動に設定して、動機づけを図る
以上3つが勉強習慣を身につけるポイントです。子どもも、大人も苦労するのは最初の時期です。
この期間を我慢し、励まし合って乗り切ることができれば、大人になっても良い習慣として残っていくでしょう。
参考
池谷裕二箸 「受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-」
中室牧子箸 「学力の経済学」