新刊 ・ 『 この季節が嘘だとしても 』(講談社文庫)発売のお知らせ ・ 2
1はこちら。
見本ができてまいりました!
やはりこうやって固い物理存在になるととてもうれしい。
うっすらと気になっているのは、「この話、ミステリだろうか……」というところ(笑)。
あらすじや帯文は編集者さん任せなので、自分は噛んでないんですよね(勿論、「どうしてもこれは伏せておいて」みたいのは聞いてくれますが)。
発売後、ミステリ警察の人に怒られないかと戦々恐々としています。
だが冷静に考えてみると、ミステリとは「謎が呈示され、そして解かれる物語」であるからして、わたしのこれもそういう意味では十二分にミステリと呼ばれる資格はあるのか。ふう安心。
自分の好きなミステリは、「名探偵」が出てきて謎解きをするタイプなんですけどもね(殺人のあるなしはどっちでもいい)。
ところで今回、いざ印刷にとりかかるにあたり担当さんに言われました、
「 背表紙の色を決めてください 」
講談社文庫、背表紙の色は書き手が決めていいんだそうです(海外翻訳などの特殊系を除く)。
つい最近も話題になってましたね。
理由は不明なんですが、自分の中での「講談社文庫」の印象は「山吹」でした。
でもこう言われて改めて自分の本棚を見たら、確かに非常にカラフルで驚き。
しかし何か思ってたより講談社文庫少ないな、と思ったら、ノベルスの方が圧倒的に所持数が多かった。忘れてたけど、ミステリ好きでした。
しかしこれは悩んだ。ええ悩みましたとも。
まず自分は青〜緑系統の色が好きなので、それ以外は除くことができる。
これで若草・緑・空・藤の4色まで絞り込めた。
ここからが悩みどころです。
何軒か本屋さんをまわって棚偵察しましたところ、山吹と橙を合わせた柑橘カラー集団が一番多い雰囲気。
次いで空。
緑はあらためて本屋さんの棚で見ると、自分には少しタイトル文字の視認性が低く感じました。これは見え方の個人差が大きいと思いますが。
そうすると空か若草か藤。
ここでまた盛大に悩みましたが、希少性の高さと「筆名に合っている」との連れ合いの助言で藤色に決定。
いざ手元に届いてみると、やはり良いな藤色。
カバーイラストの色にもよく合っています。
イラストは伊丹小夜さん、装丁は柳谷志有さんにご担当いただきました。
ちなみにボツになった伊丹さんのイラストに、もうたまらん自分が好きなのがあって、可能なら2パターンで出してほしいくらい……。
今回のイラストは祇園祭の宵山のイメージで、これもとっても良いんですが、ボツになった方は秋の高い空の雰囲気で、すばらしく素敵でした。電子書籍だけでも2表紙つくってほしい(笑)。
皆様ぜひこの素敵な夜のイラストをお手元に!