2021年を振り返る ・ 映画版
2021年の締めくくりとして、今年映画館で見た映画。
大体見た順だと思いますが入れ違っているところもあるかと。また、漏れがあるかもしれません。
メモったり半券とっておいたりしないずぼらなタイプなので。
ちなみにトップ写真は2018年3月31日、ラスト興行の夜の旧・京都みなみ会館の駐車場のネオン。
この眺め好きだったなあ。
『ざくろの色』
オールタイムベスト。スクリーンで何回でも見たい。
『アシク・ケリブ』
こちらAmazonでKindleにて元になった小説が読めるのですが、アシク=ケリブさん、キミちょっとそれはどうなん……? と言いたくなる結構イイ性格をしていらっしゃった(笑)。ひたすら信じて待ってた彼女がちょっぴり気の毒です。
『スラム砦の伝説』
何度見ても「美青年の生贄が必要」と言われて「自分だ!」とひらめくところでふふっとなる。
パラジャーノフ作品についてはこっちでもちょっぴり書いてます。
『夢みるように眠りたい』
こちらもオールタイムベスト。
この作品についてはこちらにも。
『レディ・マクベス』
フローレンス・ピューすげえよ……。
この若さで才能と貫禄の塊。何という肝の据わりっぷりよ。
思わず原作を図書館で借りて読んでみたところ、何せ古い小説の古い訳なので、マクベス奥さんが「おかみさん」呼ばわりだったのが妙に可笑しかった。
『アンモナイトの目覚め』
ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンってどんだけぐっとくる組み合わせよ。
ロンドンのおうちではしゃぎまくるシャーロットに、メアリのこころが一瞬でズレていくのがはっきり見てとれるのがどうにもたまらない。
『燃ゆる女の肖像』
描くものと描かれるものの恋愛というのはいつの世も残酷だよね。
ノエミ・メルラン好みすぎる。アデル・エネル、眉間のシワがいかつくてとても良い。
『陶王子 2万年の旅』
陶王子かわいいのよ。のんの声がぴったり。
『DAU.ナターシャ』
ドストエフスキーを読むと、「ロシア人って皆こんなに感情が乱高下するの?」「こんな飲んだくれるの?」と疑問に感じつつも「イヤでもこれ文学だからな」と考えていたのですが、やはりロシア人って暴れ馬なのね、とつくづく納得しました(笑)。この恐るべき閉塞環境でここまで荒ぶるか。
二人とも、もう飲むなよ……。
『椿の庭』
この家住みたすぎる……!!!
田辺誠一め……!←役者さんに罪は無い
『わたしの叔父さん』
イヤそれはいくら何でもマイクが気の毒すぎやしないか……拒むにしてもああいう傷つけ方はあかんと思うよクリス……。
主演お二人実の叔父さん&姪っ子だそうで、空気感が抜群。ヌテラ未経験なんですが、猛烈に食べたくなりました。
『ファーザー』
世界を誤って認識してしまうところからもたらされるホラー味がすごい。とっても丁寧につくられた映画ですが、多分つくった側が意図したよりもホラー映画に見えてしまう。
レクター博士VSマイクロフトの図なんかもうサスペンスに過ぎて(笑)。あっ殺られる、と思いました。
『イット・カムズ・アット・ナイト』
予告を見て事前に「こんな感じの話かな」と予想してたのと違った。ウイルスの恐怖はあれど、もっとオカルト系ホラーだと思ってたんですよ。
この為、思ってた恐怖とは種類もレベルも違って自分には残念でした。ちょっと予告がミスリードに過ぎる気がします。
ホラーで「赤い扉」て見ると期待しちゃうよね。
『ライトハウス』
飲み過ぎだよアンタ達(笑)。
もうどんどんどえらい状況になっていくのに、だんだん口元に笑いが浮かんでくるのはなぜ。極端も極まると可笑しみがにじみ出る。
『DAU.退行』
マクシムが顔も雰囲気も誰かに似てる誰かに似てる、と映画の間ずっと考えてて見終わって数日後に気づいた、パトレイバーの内海だ……!(目のサイズは違うけど)
朗らか顔のシーンなのに、じわじわゾーッとしてくるところもそっくり。どちらも何と言うか、底が抜けちゃった人の顔をしている。
アジッポの肩幅が桜塚星史郎並にすごい。この背広の下はどうなっているのか。
しかし本当にとんでもないプロジェクトです。映画を見てるだけなのにものすごく消耗しました。
自分が現地の俳優だったらすごく興味をもってしまうな。こんな没入感のある撮影って誰しもが体験できるものではないよ。
『ダルバール 復讐人』
ドイツのナイフこわい(笑)。
それにしてもラジニさんやり過ぎです。「俺ってワル!」とか言ってる場合じゃない。
しかし医者はもう少しやる気を出すべきだと思います。インドドラマ『ポロス』を見た自分は、「チャーナキヤ先生呼んできいよ!!!」と内心で画面に向かって叫びました。ウコン持ってこい。
『ファンタスティック・プラネット』
いやあいい映画です。声がね、何とも言えず良いんですよね。ソフトでね。
この映画についてはこちらでも。
『クー! キン・ザ・ザ』
チキタチキタちゃん(フィチュルカ)があいらしくてかわゆくてもう……!!!
アニメの絵も好きなんですが、やはり実写版宇宙人達の「フツーのオッサン感」がたまらなく好きです。
『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』
ちょっと寝かかった(笑)。
でも好きなんですよソール・ライター。2017年のBunkamuraの展示も2021年の京都伊勢丹での展示も見ました。伊勢丹の方、2020年にコロナで中止になって、もう見られないかと思っていたのですごく嬉しかった。
まだまだ莫大な未プリントがあるのかな。楽しみです。
『最後の決闘裁判』
ヴィラネル、そのオトコ共全員さくっと殺っちゃいなよ!(笑)
傑作です。なのに、なのに何故パンフレットが無いんだ……!
仕方がないので原作購入しました。
何が見どころって、ジャックの真実が完全な傍観者であるこっちには「イヤ嫌がってるやんレイプやんそれ」としか見えないところ。
にもかかわらずジャック内ではあれが「イヤよイヤよも」の「同意」に見えてる、というのが、レイプまではいかずともああいうことをやらかす人の脳内認識なんだ、とはっきり見えるのがすごいです。
ちなみに来年、1月そうそうにwowowで放映されますよ!
未見の方はぜひ!
『DUNE 砂の惑星』
あれっ、ハルコンネン男爵浮いてない、浮かない……わあっ、浮いた!(笑)
もう最高。大好き。続きを早く見せて!!!
ちなみに悪名高きリンチ版もわたしは好きです。
『やさしい女』
やさしい……?
まあ貧乏なお年寄りに質草代はずむところはやさしいか。しかしロシア人の「やさしい」基準がよく判らない。原作を読まねば。
ドミニク・サンダのこの美貌よ。最初の方で、親の遺品の十字架に付いたキリスト像を親切心で返そうとした質屋に、「なんで? 要らない」と本気で意味が判らない、て顔して言うところがぞわっときた。やさしい……?(二度目)
『悪なき殺人』
いや、悪だらけじゃ……?
と思うが原題も正直よく判らない。『動物だけ』。
人んちに死体捨てて「任せた」はダメですよキミ!!!
『アメリカン・ユートピア』
裸足で踊って歌って喋って弾いて、こんな元気なアラ70歳がいるか。デイヴィッド・バーン、どう見ても30歳以上年下の面子の中で一番元気。自分もこんなイケ老人になりたい。
年末にスカッとしました。あー、ナマで見たい!!!
『世界で一番美しい少年』
イェシカ良いひとだ……(涙)。ビョルン、キミ二度と彼女離すな。
『ベニスに死す』の後、日本で一大センセーションを巻き起こしたとかで、当時の関係者の人が出てきて話すシーンがあるのですがこれがキツかった。特に酒井政利氏と池田理代子氏がキツい。
でも後でパンフ見たらビョルンがたいそう優しく日本について語ってくれていて、リップサービスが多分にあることは判っていつつもちょっと救われました。
もし『指輪』のリメイクとかドラマ版なんかつくるなら、サルマンかガンダルフをやってほしい。
今年はあまり本数見られなかったな(『DAU.退行』で約3本分にはなりますけれども(笑))。
見たい映画はもっといろいろあったけど、時間や懐や自らの怠惰で見逃してしまったものがたくさんありました。反省です。
家ではwowowで月に何本か見るんですが、やはり映画館で見る方が好きです。強制的に他の感覚を遮断されて大画面に没頭せざるをえないのが良いのだね。
wowowで見て、「あー、映画館で見れば良かった」と今年最も後悔したのは『フリー・ガイ』。
チラシかポスターで絵面だけ見て、興味がわかなかったので詳しく調べることなく放置してました。ジョディが出てたなんて知らなかったんだよう。
来年の年始映画は多分『マトリックス レザレクションズ』かな。今から楽しみです。
今年は自分にとっては、捨てる神あれば拾う神あったり、家電が壊れまくったり、iMacを10年ぶりに買い替えたり、久々に古い知己から連絡あったりと、アップダウンはありつつ概ね上向きな傾向の年でありました。
来年は何かかたちあるものが出せるといいな。頑張ります。
さて、それではこれからおせちをこさえて新年の準備に励みますよ。
夜にはいつもは近所のお寺に除夜の鐘を撞きに行くけど、今年は極寒らしいので既に気持ちが萎えかかっている……おうちで年越しかな。
12月はクリスマスに年末年始と、せわしなくも楽しく嬉しく「12月があと半月長ければいいのに」といつも思います。あっという間に終わっちゃうんだもの。
おうちで年を越す方も、おでかけの方も、お仕事の方も(お疲れさまです)、皆様どうかお風邪など召されることなく、来年も元気にすごされますよう。
良いお年を!