【はがきサイズの短編】俺とあいつは同類項 テーマ:同類項
こんにちは!高木梢です。
さて、今回のテーマは「同類項」です!
数学的な意味もありますが、仲間の意味もあるそうです(国語辞典より)。
例によってテキストだけですが、読んでいただけると最高にうれしいです!
少しだけ編集しました。(もうしません)
「ねえ、あの二人、同類項になったらしいよ」
あいつはひそひそ声で俺にささやく。放課後の廊下、金色に染まる道の片隅に、茶色く見える影が二つ浮かぶ。
俺とあいつは、その二人の姿を、四階の音楽室から見下ろすかたちで眺めていた。
いつからか、俺らはこうしてたまに恋バナをしに集まる仲になった。
クラスで騒がしいグループにいるけど一人になりたいときも多い俺と、大人しいけどはっきりモノを言うあいつ。
俺は男だし、そりゃ女の子とも恋愛のことも気になるけど、まさかあいつも、男に興味津々で、男の子ってこういうときドキドキするの、とらんらんとした目で聞いてきた時は驚いた。
同類項。これは俺たちの隠語で、カップルとか、まあその、行為とかをいう。
つまり、俺とあいつはそういう話もあけすけにしているってこと。
だからだろうか、最近、あいつと同類項になったら、と考えてしまう。キスとか、絶対目開けるって言ってたから、それはやだな、とか、いらない心配なんだけどさ、なんて、考えていたら、
「うちさ、彼氏できた」
くすくす、と笑ってきやがった。無音が聞こえた。
「あんたもさ、早く同類項見つけなよ」
おめーの予定だったんだよ、バーカ。
「アイラブユ」
これも隠語。早く別れろって意味。
あいつは俺の肩をバシバシと叩いてきた。
Fin
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
素敵な画像をお借りしました。
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