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【はがきサイズの短編】少女時代からの脱却 テーマ:移り変わる

こんにちは!高木梢です。

金木犀の香りが漂う季節、いかがお過ごしでしょうか。
場所によってはもうそんな季節は終わってしまったのかしら・・・でも、これからは秋ばらが見頃になりますね!

変わりやすい秋の天気、体調にお気をつけくださいね。

さて今回のテーマは、「移り変わる」です!
時間が経つにつれてようすが変わってくること、とのことです。

コトバンクには名詞の「移り変わり」しかなかったので、(意味は同じだった)そのリンクを貼りました。



  あかりは高校から家に帰ってくるなり、ベッドに倒れこんだ。
 と思ったらぱっと起きて自室をうろうろと歩き回った。

 放課後、担任から呼び出されてされた話を思い出す。

 そう、東京の有名大学の給費生に推薦されたのだ!

 なんでも、全国的に有名な模試であかりはトップだったそうで、同大学が実施している試験を実質パスした状態で入学させたいとのことだった。

 あかりにとっては思ってもみないことだった。勉強は好きだったけど、両親の言う通り卒業後は地元の短大に入り、少し働いて結婚、と思っていたからだ。

 別に嫌なことではなかったし、いつもぼんやりと想像の世界に浸っている自分にはそれが合っていると思っていた。友達にも、あかりは良いお嫁さんになれるよねっていつも言われるし。

 でも、大学の話を聞いてからは、今までの景色がすべて色あせて見えてきた。東京。東京には、何があるのだろう。大学に行ったら、好きな国語や英語をたくさん勉強できる。いろんな人がたくさんいるんだろうな。

 そこでもしがんばれたら、学校の先生にもなれるのかもしれない。

 あかりの胸は静かにときめいた。ここ数時間で、自分がまったく違う人になった気がした。

 お父さんとお母さんに言おう。反対されても、私は給費生で働きながらでも、勉強したい。そう決めたとき、机の上のリボンを付けたくまのぬいぐるみと目が合った。

小さなころ、両親がくれた子。毎日、あかりはくまにその日あったことを話していた。

 でも、今日から話さない。あかりは、くまをクローゼットの奥にしまった。

 お母さんに、話があるんだけどと言ったあかりを見て、帰ってきたお父さんが驚いて言った。

 「あかり、大人っぽくなったなあ。朝見たときと、なんか全然違って見えるよ。」

 Fin

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
素敵な画像をお借りしました。







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