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はがきサイズの物語✉️❤️

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平穏でかわいい短編小説です。 頻度が高めの不定期更新。
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#はがきサイズの物語

【はがきサイズの短編】秋の日のドローレ テーマ:桜前線

ハロウィーンの朝、秋の国の王子ドローレが窓を開けると、強そうな剣に見える大きな枝を発見し…

高原梢
1か月前
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【はがきサイズの短編】赤いポストの陰に山羊 テーマ:ポスト

ぬそっとポストの陰から伸びた影は、まぎれもない白山羊だった。 昼休憩から帰ってきた局員、…

高原梢
1年前
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【はがきサイズの物語】妄想閉会式 テーマ:閉会

早く終わんねえかな。 体育館の天井に挟まったままのバトミントンの羽を数えるのにも飽きた。…

高原梢
1年前
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【はがきサイズの物語】午後八時のお布団にて テーマ:畑違い

「ママ、お話し聞かせて!」 「……お話し?」 幼稚園で何か聞いてきたのかしら。ピンクの羽…

高原梢
1年前
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【はがきサイズの短編】お忍び王子?アキラ☆ テーマ:野原

チャオ☆ ボーイズアイドル青春マンガ『ミニ☆メモリーズ』のカリスマ王子のアキラです。 ミ…

高原梢
1年前
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【はがきサイズの短編】言葉なんていらない テーマ:人間(にんげん)

    暇だな。ボーッとしてみるか。   どこまでも続く青空と、光にとける銀杏の金色。落…

高原梢
2年前
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【はがきサイズの短編】内輪ノリハイツ4649号室より  テーマ:爆笑

やばい!あたしは取り返しのつかないことをしてしまった。こんなときは、隣に住むお姉さんの部屋に向かう。 お姉さんはあたしが小さなころからの友達で、いつも大げさでばかばかしいことしか言わないのに、なぜか話すと元気になるのだ。 「ねえどうしよう!あたしまたやっちゃった!」 「マリ〇ァナ?」 お姉さんはロココ調の椅子に腰かけ、優雅に紅茶を飲んでいた。あたしは吹き出しながら、窓際の丸椅子に座る。 「やったことないし、逮捕だよね。違うよ、偉い教授に課題提出のメールを送って、誤字

【はがきサイズの物語】みんな祝日だったらいいのに テーマ:勤労感謝の日

齢五十過ぎの課長補佐、小鳥遊は尻をかきながら職場の扉の前で呆然と立ち尽くしていた。 「勤…

高原梢
2年前
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【はがきサイズの短編】Young butterflies テーマ:白い羽

  「白い蝶についていくと、素敵な場所に行きつくんだって。」  小学生のとき、一番の悪友…

高原梢
2年前
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【はがきサイズの短編】うたかたの蝶 テーマ:年上

    閉店したショッピングモールの屋上のベンチに、男女が寄り添って腰掛けている。   …

高原梢
2年前
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【はがきサイズの物語】ペガサス来訪 テーマ:七不思議

コンコン。アパートの扉を開けると、ペガサスが居た。 「あの、すみません。七不思議を探して…

高原梢
2年前
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【はがきサイズの短編】luv me!御社 テーマ:勤め口

       こうしてお手紙を出すってなんだかとても恥ずかしいものですね。けれど私は、目…

高原梢
2年前
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【はがきサイズの物語?】ねごと テーマ:出尽くす

「いやあ、出尽くしたねえ。ポッキー工場のお祭りは大成功だ。」 ・・・あなた、何の夢を見て…

高原梢
2年前
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【はがきサイズの短編】 ばあちゃんのジオラマ テーマ:駐日

  正方形のテーブル一面に、青い海と白い砂浜、大きなココナッツにやたらデカくて派手な虫、小人が大きな絵みたいに佇んでいる。  「智、ちょっとばあちゃん家の手伝いしてよ。」  だらだらしていた俺に頼まれたのは、一人暮らしのばあちゃんが自宅を開放して土日に数時間だけやっているジオラマギャラリーの受付だった。  人形作りなど、手先を使った趣味が豊富な俺のばあちゃんの口癖は「昔、南の島の王子様に求婚されたのよ」だ。ボケているわけではないと思う。  それが今日からハワイ旅行に行