【読書】 7月に読んだ本 3冊
7月前半は本に手が伸びず、開いても目が滑るというか頭に入ってこないというか。
そういうとき、ありますよね〜。
しあわせの輪 / 群ようこ
今でいうFIREした中年女性キョウコが、バリキャリだった会社員時代に貯めた貯金を毎月10万円ずつ切り崩し、おんぼろアパート「れんげ荘」で暮らすシリーズ。もう10年くらい続いているのかな。
どんどんどんどん内容がなくなっていき、今や「にゃあ」とか「うにゃあ」といった言葉で話が進むイヌネコ小説となっていることには、賛否両論ある……だろうよ、とわたしは思っている。
乗りかかった船とやらで、図書館で見かけたらつい手に取ってしまうのだけど、もうそろそろ潮時かもしれない。
楽園のカンヴァス / 原田マハ
この本がスランプ脱出に一役買ってくれた。
ありがとうルソー!ありがとうピカソ!ありがとう原田マハさん!!
アンリ・ルソーという画家が産んだ名作にまつわる、アートミステリ。その昔、ダヴィンチ・コードに夢中になったことを思い出しながら一気読み。
41歳から独学で絵を描き始めたルソーは、作品を発表すれば、基礎もなけりゃ勉強もしていないやつだと笑われ、酷評され、日曜画家とか税関吏ルソー(税関で働いていたから)と揶揄されていたそうだ。しかし彼の才能を見出して、支えたひとりがかのピカソ。これらの史実パートと、フィクションパートがうまく混ざり合って、とてもおもしろかった。
ちなみにこの本、ずっと積んでいたし、なんなら文庫を2冊持っている。なぜだかは不明。
暗幕のゲルニカ / 原田マハ
同じく原田マハさんのアートミステリ。今作はピカソがテーマ。
ありとあらゆる日本語をつかって、読者にピカソの大作「ゲルニカ」という絵の持つ力を、読者に切々と訴えかけてくる本だった。ひとたび読めば、原田マハさんってピカソのこと大好きなんだろうな、いやむしろ好きすぎるんだろうな、とわかる。
実在したピカソや当時の恋人ドラをはじめ、架空の人物である主人公の瑤子たちが平和を求めて奮闘するさまにいつの間にか夢中になって、最後のスピーチのシーンで涙が出た。
結局人間はいまだに繰り返しているのだなと思うと、池上彰氏の解説が余計に沁みた。
そして、そのゲルニカのタペストリを見てきた記事がこちら。
今日の注目記事にも選んでいただきました!ありがとうございます。
8月へ続く。