長男2回目 4
長男を変えたI先生
太ってしまったこと、よくない生活リズムになっていること、ゲームに逃げ込んでいること。
誰よりも長男自身が一番わかっているはずだ。それなのに、食べ物も隠しても見つけて食べるし、運動しようと言っても反発する。
あの頃の長男は、自分の「負」の状態を認めるのが怖いから、目を伏せ続けているように見えた。中2と言えば、世間一般で言う反抗期でもあり、親の言う事なんて、素直に心に響くはずもなく・・・。
その日も相変わらず無愛想、ふてくされた態度の長男を前に、I先生は静かに話し始めた。
先生はじっくり、真剣に、強く、長男に話してくださった。
自分を責める親
子供に何か問題が起きた時、自分に否があるのではないか?と、だいたいの親はまずそう思ってしまうのではないだろうか。
ずっとフルタイムで働いている私は、小4で長男が不登校になった時も一部のご近所さんから「あんなに仕事しなくても…」「私なら仕事辞めるわ」などと陰で言われていたこともあった。
まさか長男がふたたび学校に行けなくなるとは思っていなかった私の心は、揺れ動かなかったはずもなく、実はちょうどその時上司に勤務体系を変えてもらいたいと相談していたのだ。
・・・診察室で私は涙が止まらなかった。ずっと一人で悩み続けてきたことをI先生に見抜かれていた。
またI先生は、今私が辞めてしまうと長男は「自分のせい」と思ってしまい、かえってよくない状況になる可能性もあるから急に環境を変えない方がいいとおっしゃった。
先生から目を逸らして座っていた長男は、先生の話の最後の方には先生の目をじっと見ていた。
信頼できる大人が目の前にいる。
先生の染み通るような、静かで強い説得は、長男の心と行動を変えた。
ここから、起立性調節障害と肥満、二本柱の治療が始まった。
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