【人生訓としての論語】「天を怨みず、人を尤めず」~責任転嫁をしない
子曰く、
「天を怨みず、人を尤めず」
【原文】
子曰、「不怨天。不尤人。」――憲問篇
子(し)曰(いわ)く、「天(てん)を怨(うら)みず、人(ひと)を尤(とが)めず。」――憲問(けんもん)篇
【語注】
天 天。(天が下す)運命。
怨 うらむ。
尤 とがめる。責める。
【和訳】
先生がおっしゃった、
「わたしは、天をうらまない。
人をとがめない。」
反省は向上の第一歩
何かに失敗した時、物事が思うようにならない時、それを運命のせいにしたり、他人のせいにしたりしない、というのが孔子の行動規範でした。
孔子は、つねに自分自身を省みて、その原因を突き止めようとしました。
『論語』の「衛霊公」篇に、
「君子は諸(これ)を己(おのれ)に求め、小人は諸を人に求む」
(立派な人は自らを反省して自己修養に努め、卑俗な人は何事も人に責任をなすりつける)とあります。
不本意な事が起きた時、責任転嫁せず、自分の足りない点を反省することによって、一歩前に進むことができるのです。