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「恋愛を必要としない人間」を最後まで描ききってくれてありがとう🐯🪽

朝ドラの『虎に翼』が最終回を迎えて、早1週間。
絶賛トラつばロスの私です。

ここ最近いろんな朝ドラを継続して見てきましたが、久しぶりに「終わりを迎えたくない」「ずっと続いてほしい」と強く強く感じた最高の朝ドラでした。

ほんとはもっともっと寅ちゃんたちを見ていたかった。
寅ちゃんの「はて?」に共感したり、言動に「はて?」を投げかけたり。

共に悩み、共に泣き、共に笑い、共に怒り。

時にはぶつかり合いながら、様々な感情をまだまだ寅ちゃんたちと共有していたかったな。


大好きなキャラクターがたくさんいるトラつば。

中でも私が惹かれたのはよねさんです。

山田よね(以下よねさん)は寅子が明律大学に入学して出会った女子部の同級生の一人。
ショートカットにスーツ姿が印象的なよねさんは「弁護士になる」という強い信念をもって大学に入学し、人一倍勉学に励んでいました。真正面から理不尽に立ち向かい続け、弁護士になった後も理不尽を強いられる依頼主に寄り添い、支え抜く姿は本当に格好良かったです。

そんなよねさんを見守っていく中で1番嬉しかったこと。
それは「恋愛が無くても人は成長し、強く生きていけること」そして「人が自分らしく生きることに性差はないこと」を証明する存在であり続けてくれたことです。

放送中、「よねさんも恋愛をすれば丸くなる」とか「男として生きたいことを隠してるのではないか」とか。そんな意見を目にした時もありました。

それを目にするたび、私の心の中の寅ちゃんが疑問を投げかけます。

「はて?恋愛をして女性らしく柔らかくなることが、本当によねさんの望んでいることなの?人が変わるためには恋愛は必要不可欠なものなの?」
「はて?女性のまま強くあろうとすることと男性になりたいと思うことは必ずしも結びつくものなのかしら?」

これは自分自身、悶々と考え、悩んできたことでした。
恋愛至上主義の世の中。恋をしていない人、結婚をしていない人は「何かが欠けている人」のように思われることもある。
女性らしさ、男性らしさを求められ、自分らしくあることの難しさ。人の自認や感覚・感性は不変でなく流動的なはずなのに、その人の在り方を何かに分類し、固定しようとする風潮。

そんな環境にずっと「はて?」を抱き続けていた私だったからこそ「そういうやつもいる」ということを証明し、最後まで貫き通してくれたよねさんに感謝の気持ちでいっぱいでした。

「私は男になりたいわけじゃない。女を捨てたかっただけだ。」

「恋愛云々は、男も女も心底くだらない。そういうやつもいる。」

『虎に翼』第103話 山田よね

寅ちゃんという最高の好敵手と轟という最高のバディ。
共に歩み続ける女子部の仲間たち。

恋愛が無くてもよねさんの周りには愛があふれていたし、
自分らしく戦うよねさんを色眼鏡で見ることなく認めてくれる仲間も確かに存在していた。

「恋愛をしない」という自分の選択を、
特定の性別として認識されることへの違和感や抵抗感を、
否定したり無かったことにしたりしなくてもいいんだと信じられるようになりました。

恋愛に興味を持たないこと、与えられた性別らしさを強制されることを「透明化」せずに描き切ってくださった吉田さん。
本当にありがとうございます。


みんなに会えない日々はまだまだ寂しいけれど。

時に愛らしく、時に憎らしい。
そんな人間らしさがたくさんつまった魅力あふれる寅ちゃんと仲間たちにまた会える日を夢見て。

「さよーなら、またいつか!」

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