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大臺 序乃壱

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此のお話は日本が嫌いな日本人へ…。  日本を愚かと思う日本人へ…。  日本が貧しい国であったと思う日本人へ…。  日本人として誇りを持てぬ日本人へ届ける物語。  此れは我等が…
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#オリジナル小説

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 15

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 15

          勃発

 その日の夜、正妻は五瀨の下に連れ出された。本来裁きは日のある内にしか行わない。だが、五瀨は松明を焚き裁きの広場に正妻を連れて来させた。其れ程迄に五瀨に取っては我慢出来ない事であった。
 五瀨は正妻が自身の考えを改めてくれたのだと心の底から喜んでいた。しかも、正妻の考え出す策はどれも素晴らしく国力の増大に大いに貢献してくれた。だから、この裏切りは計り知れない物があったの

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 10

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 10

 五瀨の正妻が国に戻って来たのは二月後の事である。この二月と言う期間は非常に大きいものと言えた。これが行って帰ってを三日で済ます事が出来ていれば状況は大きく違ったかも知れない。だが、実際は行くのに一月弱帰るのに又一月弱…。五瀨の正妻を孤立させるには十分な期間と言えた。だから、従者を連れて帰って来た正妻を迎える者は一人もいなかった。
 此れはあからさまに異様だったと言える。いつもなら従者の姿が見えた

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 9

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 9

 五瀨は不機嫌である。
 理由は勿論正妻である。
 あの日、真実を知った正妻は戻って来るなり激しく五瀨を責めた。五瀨は終始正妻を宥(なだ)めたが正妻の機嫌は治る事なく、正妻は装飾品を投げつけ、服を脱ぐと其れも投げつけた。
「其方は人では無い。ただの裏切り者です。」
「おい…。良いから少し落ち着け。」
「落ち着け ? 落ち着ける筈が無いでしょう。あの様な光景を見てどう落ち着けと言われるのです。」

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 8

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 8

         黒い人

 さて、実儺瀨(みなせ)達が八重国でアレヤコレとしている頃、ハナ国周辺では奇妙な事が起こっていた。夜な夜な黒い影がウヨウヨと蠢いているらしいのだ。此の噂は瞬く間に広がり皆を恐怖させた。
 賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) は直ぐに捜索隊を派遣するのだが、闇夜の中で黒い影がウヨウヨしていても見つける事はかなり困難である。だから、捜査は非常に難航を極めていたのだ。
「まだ見つか

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 6

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 6

「暇じゃ…。」
 賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) は流れる雲を見やり大層不機嫌である。毎日、毎日何もする事がない。無理矢理何をしたかと考えれば、朝起きて川原にオシッコをするついでにツチノコを取って来た事ぐらいである。
「我の人生はツチノコじゃか。」
 と、賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) は木槌を鳴らした。暇だから将軍を招集したのだ。
 こんな事が最近は頻繁に起きている。まぁ、将軍連中も暇だから何も文句

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 5

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 5

 あれから二年…。実儺瀨(みなせ)達はア国内の拠点を中心に裏工作を実行していた。イ国は新たな大将軍が国を治め何やかやと頑張っている。娘達は伊波礼毘古(いわれびこ)は間抜けな男じゃと言って馬鹿にし下げずんでいるが、其れは残り四人の兄弟も同じである。だが、其れは迂駕耶(うがや)と五瀨のカリスマ性が異常なのだ。特に迂駕耶(うがや)は人を惹きつける魅力が強い。
 先住民は鼻から迂駕耶(うがや)を田舎者だと

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