とにかく1年毎日マインドフルネス瞑想を続けてみたら日々が楽しくなってきた
「マインドフルネス瞑想って何だろう?」から始まった
「マインドフルネス瞑想?シリコンバレーで流行っているんだ。またアメリカからの流行りもの輸入か」
3年前、職場に置いてあった某ビジネス雑誌で、マインドフルネスに関する記事を見た時の感想だった。
当初少し斜めから見ていたマインドフルネス瞑想。実はこの1年くらい地道に毎日続けている。続ける大変さをとりあえず1年乗り切った今、仕事もプライベートも生活の感覚が少しずつ変わり、日々が良い方に進んでいっているように感じている。
そもそもマインドフルネス瞑想とは何か。元々は仏教の伝統的な修行方法の一つである瞑想方法を、欧米社会で一般人の生活にも取り入れやすいようなトレーニング方法として、アジアの仏教僧侶が紹介し、1960年頃から広まっていったと言われている。
日本で注目され出したのは2016年頃。AppleやGoogleのような成功した巨大プラットフォーマーが次々に新しいサービスやアイデアを出せるのは、Appleの創業者であるスティーブジョブズが禅を生活に取り入れていたことや、Googleの社員教育にマインドフルネスが行われていることが、どうも鍵なのではないか。
私が知ったのも、ちょうどテレビや雑誌で次々に報道され、特集が組まれたタイミングだった。
マインドフルネス瞑想に挑戦、そして離脱
マインドフルネスの練習は単純である。それはただ座り退屈な時間を過ごすこと。そして、マインドフルネスの本質的な意味を理解するにも時間がかかると言われている。この壁を乗り越えるのが難しい。
「マインドフルネスの意味は、『思考や感情にとらわれず、今現在目の前で起きていることに全ての意識を行き渡らせ、ありのままに物事を見ること』です」
講義での第一声はこれだった。「マインドフルネス瞑想」の単語を知りえた3年前、親しいヨガの先生の紹介で、ニューヨークで50年以上教えている先生のセミナーに飛び込んだ。
「今もそうじゃないのか?何のことを言っているのかさっぱり分からない」最初の私の率直な感想だった。
「それでは実際にマインドフルネス瞑想をしてみましょう。あぐらでも椅子に座るときでも、地面に足をしっかりとつけて、姿勢よく座る。鼻の呼吸に意識を置く。考えが湧いたら心の中で『考えた』とつぶやいて鼻の呼吸に戻る。これだけです。では15分座ります。」
鈴をチーンと慣らして、瞑想の時間が始まる。5分ほど経過してくると次第にイライラして、動きたい衝動に駆られてくる。足はしびれたり、腰や背中が痛くなってくる。
「これをやっていて何か意味があるのだろうか?思い浮かんだことをメモしたり、すぐに行動に移す方がメリットがあるのではないか」そして1度も家で座る練習をすることなく離脱したのであった。
再びマインドフルネス瞑想にチャレンジ
しかし、2年たった2018年8月、当時、キャリアの目指す方向が見えなり、仕事を退職するまで悩んだ時期があった。藁にも縋る思いで再びマインドフルネス瞑想の再び門を叩く。
2年たっても所詮ビギナーのままなのである。瞑想を初めてしばらくすればイライラしてくるのである。
「結構な金額を払ってしまったセミナーだ。乗り掛かった舟だし、ここで降りるわけにはいかない。何も起こらなくても、死ぬわけではない。とりあえずやろう。」
腹を括りとにかく毎日瞑想だけはした。寝ることと風呂と歯磨きと、洗濯と掃除と瞑想これだけでいい。サボりたくなった時もあった。続ける理由に悩んだこともあった。8割寝ていた時もあった。しかし、とりあえずやると決めたから瞑想する。毎日毎日続けて、気づけば1年が経過していた。
とにかくマインドフルネス瞑想を1年続けてみたら
人生の局面を打開できたのかどうかはまだわからない。しかし、マインドフルネス瞑想を始めて半年ほどで仕事を再開する気力を取り戻し、今仕事やプライベートでは今までとは違う感覚で日々を過ごせていると感じている。
まず仕事の面では、圧倒的にタスクをこなすスピードが速くなったと感じる。その理由は、まずは自分の一時の感情は、単に頭の中で湧いている感情なのだと切り離しができるようになったことだ。
感情に振り回されなくなれば、複数のタスクの優先順位をつける判断基準が明確になること、目の前のやるべきことに意識を行き渡らせる習慣がついていることだと思っている。しかも、感覚としては、結構ゆっくりとやっているのである。しかし、気づけばどんどん仕事が終わっている、という状態になっている。
おかげで、早く会社から帰ることができるようになり、趣味であるヨガや楽器演奏、作曲等に満足に取り組む時間をすることもできるようなった。
興味があることにもどんどん挑戦しようと考え、ヨガインストラクターも副業でやってみている。noteへの投稿もその一つである。
勤務先でヨガ教室を開催できたり、ビジネスの場面でもヨガや音楽がネタになったりして、だんだん仕事とプライベートの垣根も低くなり、日々の生活が丸ごとやりたいことをやる時間に変わりつつある。加えて、一層ストレスは減り、10年くらい悩んでいた肩の力が抜けたのを実感している。おかげで生活がこれまでよりも楽しい毎日を送ることができていると実感している。
マインドフルネス瞑想の効果や実感はまさに「ローマは一日にしてならず」なのである。たった1回や1週間では得られない。進んでみないとたどり着かないのである。
これからも、まだ見たことのない景色を見るのかもしれない。だから恐らく私は今日も明日も、明後日も、また毎日マインドフルネス瞑想を続けていく。
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この記事は、東京・池袋「天狼院書店」のライティング・ゼミ 冬休み集中コースの課題にて作成し、天狼院のサイトにアップされている記事です。
(note掲載用に誤字・脱字を中心に一部修正しております。)
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