集中って「安心」がないとできないんじゃないだろうか

集中力を発揮できない時、大体は何か「気になること」があるのだと思う。普段集中力がある人でも、心配事や、近所で工事があったりすると集中力を欠くことがあると思う。

そういうことを突き詰めて考えてみたら、集中に必要な要素は「安心」であるのではないか、と思うようになってきた。



集中力を奪うには話しかければいい

noteを始めたころにこんな記事を書いた。

子ども(特に幼児)は、母の状況にはお構いなしに、どんどん話しかけてくる。「今日の夕食は何にしようか」「買い物で何買うんだっけ」「〇〇さんに連絡しなくちゃ」などと考えているときにも、ガンガン話し始める。

「ねえねえ聞いて」からではなく、いきなり話が始まってしまうので、私もつい付き合って話を聞いてしまう。そうすると、それまでしていたことに戻るのに、気合を入れないと戻れない。幼児の子育て中は、そこまでの気力がないことも多く、それまでしていたことを忘れてしまうことも多かった。

そして、そんなことを繰り返しているうちに、私の『集中力』は無くなっていった。

この記事を書いたときは、「集中を途切れさすものの正体」ということだけを書いていたのだけど、最近は「それだけではないな」と思うようになった。

ここの部分のことだ。

驚いたのは、子どもが家にいなくて、一人の時間が取れた時にも集中できないのだ。そわそわして、気持ちが対象物に向かえない。せっかく子どもを連れ出してもらったのに、2・3時間、ずっとそわそわしていることがよくあった。

このことの説明が、なかった。

ここの部分の説明を、今ならできる。

「警戒状態」を解除できていなかったのだろう。



常に警戒していると物事に「集中」できなくなる

我が子が小さかった時、私が集中力を失った原因は「一日中警戒していた」体と思う。

ずっと気を張って、子供が危なくはないか、自分に話しかけてはこないか、ずっと「警戒」していたのではないかと思う。

そして、我が子を連れ出してもらった後も、「警戒状態」をうまく解除できず、物事に集中することができなかったのだと思う。



大人になっても集中力がない人の場合

上記記事の中に、集中力のあまりない、私の夫のことも書かれている。

というのも、夫のお母さんは、子どもが遊んでいると、「何してるの?」「上手だね~」など、すぐ声をかける。更に、子どもにそのおもちゃでの『正しい遊び方』をレクチャーし始めるのだ。そして、その通りにできるとほめまくる。

一見すると、ほほえましく、何の問題もないように思えるが、子どもを自分に置き換えると、『自分の趣味に没頭しているのに、邪魔されている』ように感じるのだ。しかも、やり方を指定され、その通りにやらないと「そうじゃないよ」と言われてやり直しをさせられてしまう。

もしその子どもが私なら、やり直しをさせられた時点で嫌になって、その遊びはやめてしまうと思う。だって、指定されたやり方は『自分がやりたいこと』と違うから。

こういった状態は、自分がやりたいことをして遊んでいても「いつお母さんが口を出してくるか分からない」という「警戒状態」と言えるのではないだろうか。自分が「正しくない遊び方」をしていたらどうしよう、という恐怖もあったかもしれない。

本を読んでいたとしても、「こんな本を読んでいるのか。くだらないな」という家族がいたら、やはり毎日が「警戒状態」になると思う。

そして毎日が「警戒状態」で育った子供は、何かをしていても常に周りにアンテナを張り巡らせ「誰かに何か言われやしないだろうか」「誰か邪魔しに来ないだろうか」と心底おびえているのかもしれない。

そして、その「おびえ」のストレスに勝てず、やりたいことに手を出さないなかったり、「集中しようとしたこと」をやめてしまうのではないだろうか。

それが、一部の「集中力のない人」の作られ方のような気がする。

また、「やりたいことに手を出さない」の方に大きく振った場合は、ひきこもりになるだろう。


ちなみに、夫の弟はひきこもりだ。20代からひきこもっていて、もう40歳を過ぎている。


些細なことのように思えるが、毎日自分の価値観を否定され続けることは、相当なストレスがかかる。それが子どものうちに長期にわたって行われたとしたら、なにかしらの影響が出てもおかしくないような気がする。



集中力を鍛えるよりも「安心な環境」をつくろう

私もしばらくの間は「警戒状態」をうまく解除できなかったので、このやり方でいいのかは分からないけど、やはり「安心な環境」は、一番簡単なのは一人になることのように思う。そして、「今は一人で、邪魔しに来る人はいない」と自分に言い聞かせる。携帯電話の電源も切っておく。

子供の集中力を育てたいなら「子供が何かやっていても、その最中には口を出さない」(刃物で遊ぶとかの、取り返しのつかない事以外は)。「そんなバカなことして」とか言わない。「くだらないことやめなさい」とか言わない。

好きなことをやっていてもじゃまされることはないんだ、と安心できたら、きっと子供たちは好きなことへの集中力を発揮し始めると思う。

ティッシュ箱からティッシュを全部抜き取ることに熱中していた時みたいに。





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