【読書感想】 虐殺器官
【虐殺器官】伊藤計劃
資本主義の未来、今と変わらずテロや戦争が止まらない。
切なすぎて余韻がすごい。
社会派近未来SF。
すごく面白い。天才‼️✨⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
どう感想を書けば伝わるのか…。
主人公クラヴィスの一人称視点で話が進んでいくのですが、彼の思想や言葉がとても痛いんです。
読んでてずっと暗い気分に。(´-` )
日記を読んでいるような感覚。
クラヴィス大尉は情報軍特殊検索群i分遣隊。
言語愛者で、言葉が人を規制し、人を拘束する実態に見える。
彼ら特殊部隊は仕事と割り切り、痛覚にマスキングをして人を殺す。
体の痛みもだが、心の痛みも麻痺する。
ずっと彼は罪悪感を感じない自分に悩むのだが、そんな時任務でルツィアに出会う。
『攻殻機動隊』に世界観が似てます。
タチコマのような、ザ・機械❗️がウヨウヨ…という感じではなく、特殊な筋肉の素材でできたウエイトレスや戦闘機の内装。
個人の指紋や網膜で認証の世界。
隣国では内戦が起こり、常にテロの脅威に晒されている。
資本主義の世界は、今より便利になっても戦争はなくならなくて、それは格差が齎す影響と、生物の本能は領土を広げて行くことだからかな。世界へ、ネットへ、宇宙へ、次元へ。
この世界では、彼ら軍人達は上層部の命令に従い虐殺していく。
クラヴィスには自身で決断していない「仕事だから」という世の中に疑問を抱く。
過去のジェノサイドやテロも、皆が正義を掲げて仕事をした結果なのです。( ・_・̥̥̥ )
宇宙SFもメタバース系のSFも大好きですが、この作品はSF要素が一切入らなくても完璧に仕上がった作品だと思います。
読んでてずっと切なかったですが、ラストまで完璧な内容でめちゃめちゃ良かったです‼️
なので続けてアニメも観ました。
世界観はイメージ通りで良かったのですが、やはりクラヴィスの心情を表現するには物足りないかと…。
虐殺の器官とは…も重要だが、同じくらい大事な所だと思うのです。
戦闘シーン、かっこよかったです^ ^