
エンターテインメントベジタブル〜とうもろこし〜
みなさんはお野菜、食べてますでしょうか。
僕は『1日にこれくらい食べましょう!ドーン!』の、ほんの一握りくらいしか食べてません。一人暮らしの独身男性には、適切量の野菜摂取が一部免除されるという特例措置があります。
そんな僕がある日スーパーでウロウロしていると、お惣菜売り場にいつもと違うメンツが鎮座していることに気が付きました。
なんと『焼きとうもろこし』がほぼ丸々1本、売られていたのです。
「おぉ…!焼きとうもろこしだ…!」と、心惹かれた僕は、そのまま1本を購入してお家に帰りました。
お家でカプカプ噛みついて食べたのですが、やっぱ美味しいですね。
1本丸齧りの醍醐味はやっぱりあるんだと思います。
まさに夏を感じることができました。
同じ1本丸齧りでも、バナナとはまるで違いますね。
食べながら、とうもろこしの『エンタメ性』について考えていました。
まずその、圧倒的な『見た目のスター性』があります。
葉っぱを向く前は全体として、薄い緑色をしていますが、その葉を剥くと、鮮やかなビビッドイエローが現れます。マリオが摂取する『スター』くらい黄色いです。それに比べてバナナは皮の方が黄色です。場合によっては緑であるため、剥く前はとうもろこしと互角だと言えるでしょう。ところが皮を剥くと、(何色…?)となるわけです。エンターテインメントベジタブル大賞(エンベジ大賞)〜皮むき部門〜は、とうもろこしの圧勝です。
しかもとうもろこしは、圧倒的に『野菜』です。
人は野菜を摂取すると、(私は今、野菜を摂取したのだ)という、栄養素をきちんと考えて食事ができている、という満足感、および高揚感が得られます。
これを得るために野菜を摂取しているのです。
じゃがいもなどの根菜を食べても、なかなか同じ様には思えません。
エンベジ大賞〜心の満足部門〜でも、とうもろこしは上位に食い込みます。
さらにその、形状に注目してみましょう。
『ちょっとした武器』くらいの迫力があります。
もしPUBGにおいて、武器としてとうもろこしが落ちていても、ギリギリ拾ってしまうでしょう。
もしあなたがとうもろこし畑で外敵に襲われた際には、きっと近くにあるとうもろこしをむしり取って戦うでしょう。
ラベンダー畑で外敵に襲われても、なかなか同じ様にはいきません。
(実際にはラベンダー畑で外敵に襲われることはありません。なぜなら、全体的に良い匂いだからです。)
しかもとうもろこしは、食べ終わった後も棍棒みたいなカチカチの芯が残るのです。これも立派な武器として活用できます。
(戦闘)→(食事)→(戦闘)という、世紀末のモーニングルーティンみたいな活用法も可能になります。
エンベジ大賞〜武器部門〜では、圧倒的に1位です。
さらに、とうもろこしの醍醐味は食べることに留まりません。
その成長過程を『自由研究』と称して、観察することができます。
僕も小学3年生の時に、アパートの共用部分の庭の一角でとうもろこしを育てて、観察をした記憶があります(そんなことして、良かったのか?)。
ほぼ『葉と茎の成長観察日記』となりましたが、小学生の学びにも寄与することができるのです。髭も伸びるため、観察しごたえ満点です。
エンベジ大賞〜学び部門〜でも、上位に食い込みます。
(一位はプチトマトとなりましたが、「とうもろこしは髭が生えているので渋くてかっこいい」という審査員の一声により加点されました)
そんなとうもろこしにも、弱点はあるのでしょうか。
唯一上げるとすれば、『歯にめちゃ詰まりますよね〜!』というものがあります。
一本丸齧りした日には、自らの歯間が全てとうもろこしで埋め尽くされてしまいます。
例えばイカ墨パスタを食べた時に、歯が黒いことを見せるための『ニッ』という行為はまだ可愛げがありますが、とうもろこしが歯間に埋め尽くされていることを見せるための『ニッ』という行為は、親にしかできないくらい社会にとって不適合な行為です。
しかし、そんな弱点をカバーしてあげるのが名プロデューサー。
とうもろこしPとしての腕の見せ所です。
ちょうど同じ時期、僕は『歯間ブラシ』にハマっていました。
とうもろこしを丸齧りした後の歯間ブラシ、なんとめちゃ気持ち良いのです!
歯間とうもろこしを取り除くために開発されたのかこれは?と思うくらいマッチしていました。
弱点を補う魅力を見つけてしまいました。企業面接なら受かってます。
とうもろこしの、圧倒的な『エンターテインメント性』を考察してきました。しかし、まもなく今年の夏も終わろうとしています。
とうもろこしの活躍は一旦幕を閉じてしまうのでしょうか。
ただ僕達は忘れてはいけません。冬の定番食である『あったかクリームシチュー』の中のとうもろこしが、あんなにも美味しいことを。