なぜHSPはメガネを掛けたほうが良いのか?(脳と視覚処理)
HSPが疲れやすいと感じる原因の一つは視覚情報の変化に敏感なことかもしれません。HSPの脳は見えているものの少しの変化でも活性化しやすいことが実験からも分かっています。
メガネで視野を狭めるなどの対策をすると良いかもしれません。紫外線カット率の高いメガネであれば自律神経の高ぶりやすさも抑えられます。
HSPは視覚処理に関与する脳の領域の活性化が大きい
ニューヨーク州立大学が画像の変化を見たときの脳の反応を調べる実験を行いました。
この実験では刺激として16枚の風景や人工物の写真が使用されました。それらの写真はフォトショップで一部に変更が加えられました。
参加者には元の写真が提示された後に同じ写真か変更が加えられた写真が提示されます。
そして写真が変化しているかどうか判断するよう求められ、このときの脳の反応をMRIでスキャンしました。
実験の結果、写真の変化に気づくかどうかにHSPとそうでない人の違いはありませんでした。
しかし脳の反応には違いがありました。HSPは変化を検出する際に高次の視覚処理に関与する脳の領域の活性化が大きかったのです。
これはHSPの性格傾向といわれる内向性や神経症傾向を排除しても同様の結果となりました。
またHSPは小さな変化を検出する際に判断するまでの時間が長いことも分かりました。深く考えているということかもしれません。
おすすめは紫外線カット率の高いメガネ
脳の活性化の度合いが大きいから疲れやすいとは限りませんがHSPはそうでない人とは異なる反応を持っていることは確かです。それが感じ方の違いに影響している可能性もあります。
目に入るものの変化が気になることが疲れやすさにつながっていると感じているなら、視力が悪くなくてもメガネを掛けてみると良いかもしれません。
フレームがあることで視野が狭くなるので入ってくる視覚情報を減らすことができます。レンズが境界の役割も果たしてくれるので安心感につながることもあります。
おすすめは紫外線カット率の高いメガネです。なぜなら紫外線をカットすることで疲労しにくくなる場合があるからです。
※HSPは些細な変化に気づきやすいといわれますが今回の実験でそのような結果は得られませんでした。しかしこれはサンプル数(n=18)の小ささによるものかもしれません。より大きなサンプルで検証すれば何らかの有意差が得られる可能性もあります。
参考にした論文:The trait of sensory processing sensitivity and neural responses to changes in visual scenes.