「竹取物語」をGWに完全暗記して日本文化を伝承しちゃえ
「竹取物語」は平安時代、仮名ができてから書かれた物語だが、誰が作ったのか、いつできたのかわかっていない。「源氏物語」には「物語の出で来はじめの祖」と記され、日本最古の物語といわれている。
これを暗記すれば、ちょいと日本文化をものにした気分になれるかも。
海外では、「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」が同じ時代に作られているが、これは短編集であり、後世に追加された話もあるそうだ。まとまった長い話は「竹取物語」から「源氏物語」に続く、日本が世界に誇る文化遺産だ。
受験生には、「なん」を使った「係り結び」を自然に覚えるための教材でもある。
外出自粛のGWに、「竹取物語」冒頭文、完全暗記に挑戦してみてはどうだろう。
現代の読み方(表記)で読みやすく書くと、
今は昔、「竹取の翁」というものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろずのことに使いけり。名をば、「さぬきのみやつこ」となん言いける。
その竹の中に、もと光る竹なん一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いと美しゅうていたり。
これを何遍も繰り返し言うと、覚える。
黙読ではなく、声に出して言う。ゆっくりではなく、テンポよくリズミカルに読む。
外国の歌でも、何回も繰り返し聞き、ちょっと声に出して歌うと、いつの間にか外国語を覚えてしまう。言葉の意味なんて知らなくても覚える。
日本の歌でも、「♪せまる~ショッカー♪」(「レッツゴー!! ライダーキック」詞:石ノ森章太郎、曲:菊池俊輔)と、何曲かを何も見ないでも歌える人なら、竹取物語を覚えるのは簡単だ。歌1曲に比べれば、たったこれだけだ。
竹取物語は、
という内容だ。
その後のストーリーを簡単にいうと、カプセルに乗って宇宙から地球にやってきた女の子が成長して、宇宙へ帰っていった、という物語。
平安時代に宇宙人が出てくるSFが描かれている。これはおもしろい。
成長したかぐや姫に求婚する貴公子は、石作皇子、車持皇子、右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行、中納言石上麻呂の5人がいる。
阿倍氏、大伴氏、石上氏は実在し、車持皇子のモデルは、藤原不比等、石作皇子も石作氏に関係する人物だろう。
車持皇子=藤原不比等を批判した文章ではないかともいわれるが、そんな政治的な話とは関係なく、物語としておもしろい。それぞれの貴公子が、かぐや姫の出す課題をことごとく失敗するのだ。
かぐや姫が宇宙へ帰った後、噴煙を上げる富士山に登る話もある。富士山が活火山で煙を出していたこともわかる。
読んでみると、知らなかった、おもしろい内容もいっぱいある。
そんな作品だから、暗記してすらすら冒頭だけでも言えたら、日本人にも外国人にも自慢でき、かっこいいと思うけど、ね。