ドグラ・マグラで薊が咲いた
masqueradedejavu
2023.12.12
今年3作目デジタルシングルとして
『thistle』を配信開始した。
夢野久作のドグラ・マグラを読んだ衝撃を歌詞にした曲だ。
生まれた時から身につけた人間らしさ。人間らしい意識。感情。それは脳髄の誤作動で、存在してることすら錯覚だとしたら……
ドグラ・マグラに出てくる、『人間の感覚や意思は、脳髄からの判断でなく、身体の隅々にある細胞が決定しているものだ。』という説がとにかく強烈だった。積み上げてきた価値観や既成概念が破壊された。『今の自分の意識は誤作動なんじゃないか』『これまで普通だと思っていた世界全てが見せかけなんじゃないか』読んで行くにつれて、細胞全てが再定義されるような感覚になり、先を読もうとしても、身体が拒否して読めない。
頭がおかしくなって発狂しそうな感覚になりなりながらも、何とか読み切ったのはドトール二俣川駅前店だった。人の中にいたからこそ周りの全てが歪んで見えた。理性を保つのが大変だった。もし、誰も居ないところで読んでいたら、喚いていたかもしれない。それくらい衝撃な作品だった。
この感覚は忘れてはいけないと思い、すぐさま元『ヒポマニー』という曲名でデモとして作った。ドグラ・マグラを読んだ直後の発狂したような感覚を解説するような歌詞だった。『自分自身の記録』のような曲だった。その発狂を表現できるスキルがなかった。そして、そのまま数年寝かせていた。
ドグラ・マグラを読んで数年経った。僕はそれなりに生きてる。まだ音楽を続けられている。ドグラ・マグラを読んだ後どう生きたのか。
今年になってmasqueradedejavuで『ピポマニー』を配信ライブでも演奏するようになった。いろいろ経てから表現した『ピポマニー』は、masqueradedejavuならではの『激情の耽美』を大いに孕んだ楽曲に変貌していた。『これだ!』X河本と2人でニヤニヤした。
歌詞を『thistle』に変えた。ドグラ・マグラを読んだ数年後の視点を歌詞に織り込んだ。thistleは薊の意味。美しく棘のある赤い花。花言葉は『独立』『報復』『厳格』だ。
『感情論に惑わされた過去は"後悔処刑"』『全ての既成概念を突き刺して今を生きろ』
『今を生きている俺達への鼓舞』をテーマに歌詞にしている。
文学の知識は乏しいし、読書した上での理解力も高くはない。だからドグラ・マグラの作品に含まれている真意や意図は分からない。それでも読んでからは『全ては自分次第』『思い込みのタガを外せ』という心持ちで生きるようになった。ドグラ・マグラからのインスパイアだ。
12月17日大和シリウス
masqueradedejavu
3rd ONE MAN LIVE
大事なワンマンでももちろん
報いの花を咲かせるよ。
ワンマンまで後3日!!!
気合い入れて準備してマス〼
ご来場お待ちしてマス〼
masqueradedejavu
神林だだ