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青森の旅 ふたたび 下

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。
 先日、高橋一生が結婚してしまひました。なんだか複雑です。

 今回は前回の続きです。

 どうか、最後までお付き合ひください。

山田温泉旅館を出て、歩いて陸奥鶴田駅に来ました。駅前にコンビニ等はなく、目的の列車まで時間がありましたので街中を少し散策しました。
地図によると、有名な鶴の舞橋のある津軽富士見湖(溜池)が近さうですが、徒歩ではとても難しい。とりあへず、岩木川の方へ歩いてみました。
岩木川の川原に来ると、雄大な岩木山が!!早起きは三文のなんとやらですね。桜島が鹿児島県民の心の象徴ならば、岩木山は津軽の人のそれでせう。とても好きなお山です。
陸奥鶴田駅に戻り、列車を待ちます。いふまでもなく陸奥鶴田駅は五能線。これから、このポスターの景色を見に行きます。
来ました!リゾートしらかみ2号。昨日乗つた車両が青森駅で折り返してきました。けふは昨日とは違ふ座席に座ります。ワクワク。
今回はこのボックス席です。座席を引き延ばして、フラットにすることもできます。幸ひ、目的地まで誰も来ませんでした。この部屋、否、座席をまるまる独占できました。しばらくすると、津軽三味線の演奏が聞こえてきました。
鯵ヶ沢駅のあたりで日本海が見えてきました。曇つてゐるのも手伝ひ、荒涼とした景色がより際立ちます。車窓は、千畳敷駅に近付いてきたあたりです。
そろそろ千畳敷駅です。ゴツゴツした磯辺が駅に近づいた合図です。
千畳敷駅に着きました。地震により海底が隆起し、今のやうな地形になつたさうです。津軽の殿様がここで宴会を開いたとか。駅前はすぐに海です。磯の前には大町桂月の文学碑があります。彼は、青森の蔦温泉旅館を好んださうですね。ライバルのなつちやんこと樋口一葉の著作を読みつつ、彼の作品からも学びたい。
海辺に行つてみました。静かな凪の海。穏やかで私の心も落ち着きます。ここに、大切な人と来ることができたら…と思ふのですが。

深浦の 磯辺に寄する 白波の しくしく思ふ 君と行く旅 可奈子
釣り人がゐます。何が釣れるのでせう。私の先生は、釣り人に声をかけるときは、釣れますか?と聞くより何を狙つてるかを聞くと良いと述べてをられました。
千畳敷駅で十五分の散策時間の後、リゾートしらかみは出発しました。車窓は風合瀬駅を出たあたりです。風合瀬、驫木、素敵な駅名が続きます。
間もなく驫木駅を通過します。驫木は、とどろきと読みます。馬もとどろくばかりの車窓ですね。
広戸駅を通過して、行合崎海岸に来ました。ゴツゴツした磯です。大海の磯もとどろに寄する波はなく、凪の静かな海ですが、実朝の名歌が思ひ出されます。
リゾートしらかみは、この絶景を見せるため、しばらく徐行してくれます。
行合崎海岸の眺めを楽しみ、深浦駅に着きました。深浦駅で降りることなく、列車に乗り続けます。
ウェスパ椿山駅で、リゾートしらかみを降りました。私以外にも一組の家族が降りました。ここに来るのは三月以来です。
駅前には目的地までの送迎バスが待機してゐました。曇り空の下、遠く日本海を眺めながらバスに揺られること数分…。
不老ふ死温泉にやつてきました。立ち寄り入浴でしばらく温泉に入ります。内湯で体を流してから、海辺の露天風呂へ行きます。ほぼ貸切状態で楽しめました。海風が涼しく、あたたまつてから涼み、あたたまるを繰り返しました。ぬくぬくです。
売店には不老ふ死温泉の石鹸がありました。前回、母がいくつか買つて行き、とても良いと話してました。
お腹が空いたので、館内のレストランに行きました。深浦マグロステーキ丼をいただくことにしました。大間のマグロはよく知られてゐますが、深浦のマグロも有名ださうです。
来ました!美味しくいただきました。
食事の後は、最寄りの艫作駅まで歩きました。艫作は「へなし」と読みます。学生時代、卒業旅行で来ましたが、当時と駅舎が変はつてゐました。駅前には、水車で有名なみちのく温泉の看板がありましたが、みちのく温泉は車窓で見た限り営業してゐる感じはしませんでした。廃業の噂は本当なのでせう…。
駅舎の中を見ると時刻表が。しかしながら、山手線に慣れた都人が見たら絶望しさうですね。
しばらく待つてゐたら、東能代駅行きの普通列車がやつてきました。
車内はJR東日本らしさを感じるボックス席です。いふまでもなく、海側の席に座りました。
十二湖駅のあたりの車窓です。
白神岳登山口駅あたりの車窓です。
大間越駅から岩舘駅間の車窓です。五能線の車窓、荒涼たる日本海の海辺を堪能し、東能代駅に着きました。そして、奥羽本線で秋田駅に行き、さらに秋田空港へ出て、都へ帰りました。
都に帰つてから、どうしても見たいと思ひ、東京国立博物館へ行きました。リアルしゃこちゃんならぬ亀ヶ岡遺跡出土の遮光器土偶、見てきました。土偶体型にはなりたくないですが、土偶は可愛いですね。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。

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