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【高校受験】大いなる後悔と、新たなる希望

長女の高校受験が終わった。

正真正銘、終わった。

1月の推薦試験で志望校に合格はしたものの、ずっと目標にしてきた特待生には点数が届かなかった長女。大泣きした後、それでも立ち直り、彼女はまた猛烈に勉強し始めた。

腐らず、諦めず。

2月の一般試験の日に再チャレンジできるので、
その日をゴールにまた勉強しまくった。

一般試験、当日。

帰ってきた長女に「どうだった?」と聞いたら「前よりは出来たけど、あとはもう分かんない」と話していた長女。もう十分がんばったから、特待生になれなくてもいいよ、とやっと伝えた母。

そして迎えた合格発表の日。
やっとログインできた合否のページには

「やったーーーーーーー!!」と声が出た。
そしてそのまま、声を上げて泣いた。
ひさしぶりに、わんわん泣いた。

よかった。
努力が報われた。
よくがんばった。
よくがんばった。



さて、
前回は多少感情的になって娘への思いを書きなぐった私だが、今回は冷静に娘の受験を分析する。

合格したとはいえ「あれやっといてよかったな」もあれば、親として大きな後悔も残る。

note読者の皆様の中には、お子さんがこれから受験を経験する方も多いかと思う。

そんな方々のために、私たち親子の反省が、
何か一つでも参考になればと思う。


さて今回、長女は推薦受験で入学を決めたが、もちろん早くから戦略は練った。

今回学んだことがある。
大きな苦労なく志望校に入るためには、3つの要因がある。それは、

①早く志望校を決める
②早く情報を集める
③早く戦略を決める
、ことである。

そのために親が手助けできることも含め、詳しく書いていこう。


①早く志望校を決める

長女は、小学校3年生の時に行きたい高校を決めたらしい。ちょっと早すぎるとは思うが、思い込みの激しい長女は、そこから6年間一途に想いつづけた。これが今回一番の勝因だったと思う。

早くに志望校を決めることは、メリットしかない。

一番のメリットは、
勉強を頑張るモチベーションになることだ。

前にも書いたが、「〇〇の学校に行きたい!」「将来〇〇になりたい!」という気持ちは、時に本人の能力を超えた結果をもたらすことがある。

一度志望校を決めたなら、今度は肌で雰囲気を感じて欲しい。多分、実際にその学校を訪れると「〇〇の学校に行きたい!」も気持ちが更にリアルに感じられ、モチベーションは倍増する。

「肌で感じる」は大事だ。逆に、実際行ってみたら雰囲気が好きじゃなかったなんてことも、もちろんもある。行く時期が早ければ、そこからシフトチェンジも可能だ。

だから親は、どんどん我が子が行く可能性のある学校に連れて行ったらいいと思う。

通常「学校見学会」の案内は中3にしか配布されない。でも正直、中3に志望校を見に行くのでは遅すぎると私は思う。中3では、志望校が決まっていて戦略も立てたのち、一心不乱に計画通り勉強を進めているのが理想である。

行けるのであれば、中1からでも行ける「オープンキャンパス」や学校祭などを利用して、それぞれの学校の雰囲気を早めに肌で感じよう。親は、情報を集めてそこに連れて行ったらいい。

早くに志望校が決まれば、早く情報を集められるし、早く戦略を立てられる。良い事づくしだ。

ちなみに、長女は高校が決まった今、次に東京に帰省した際には、都内の大学にいくつか行ってみようと話している。きっと長女のことだから「この大学に入りたい!」と思う大学と早期に出会える気がする。

②早くに情報を集める

長女が小学校3年生で志望校を決めてたことを私も最近まで知らなかったが、それでも小学校5~6年生には長女もハッキリと「I高校の英語科に行きたい」と口に出すようになっていた。

そこで親が出来ることは、情報を集める事だ。

まだ娘が小学生だというのに、私はI高校の入試要項や、進学実績、授業のカリキュラムまで、念入りに調べた。

まずI高校には「普通科」「英語科」「特別進学コース」の3つのコースがある。全ての入試要項を、一般入試と推薦入試、隅々まで読み込んだ。

そして、自分の大学受験時と同じく、母は
「英語科なら推薦受験で行けるんじゃないか」という可能性を見出した。

I高校・英語科の推薦入試の入試要項はこちら。

1,本校のみを志願する者
2,人物優良な者
3,学習成績が3ヶ年の評定平均値3.8以上でかつ英語の3ヶ年の評定平均値が4.3以上の者、但し、
①実用英語技能検定準2級以上(コピー提出)取得者は上記の学習成績を問わない。かつ、学科試験(国・英)を免除する。
②実用英語技能検定3級以上(コピー提出)取得者は上記の学習成績を満たしていれば学科試験(国・英)を免除する。

そう。そんなにレベルの高いところではない。

要は、中学3年間あまり休まずいい子にしてて、中3後期までに英検準2級をとっていれば、中学3年間どんなに成績悪くても、面接だけで入れます。ってことですよね?

そして、私は再び思ったのだ。
「これ、いけるんじゃない?」

何と言っても、私は英語の先生だ。
しかも英検指導が一番得意。腕が鳴るぜ。そうと決まったら、とにかく小学校の高学年は英検に全集中し、他の教科はほったらしで、長女は着々と英検を取り進めた。

うちの娘は、英・国・社は得意なのに、数・理が信じられない程苦手な、典型的な文系女子だ。そんな人は5教科で戦わなければならない公立高校を無理して目指さず、得意教科で勝負できるところへ進んだらいい。ちなみに、長女の一般試験は得意の英語が2倍換算だった。ラッキー!受験はとにかく情報戦。

それは大学入試も然り。
本当に7教科や5教科必要な国公立が果たしてあなたのお子さんにとって最善策なのか。もちろん、まんべんなく良い成績が取れる子であれば、国公立が向いているかもしれない。でも、うちはたまたま成績の凸凹がわかりやすいタイプだった。

私も夫も文系の私大卒なので、長女の高校卒業後の進路を考えても、私大文系の指定校推薦枠の多いI高校の英語科は長女にとても合っているような気がした。

そう、先日書いた「逆算的思考」である。

私立、公立、どちらが向いているのか。
それはその子のタイプによる。

情報を集めたら自分の子のタイプを見極め、我が子の得意不得意をしっかりと理解していれば、きっと戦略は見えてくる。

③早くに戦略を決める

志望校が決まり、情報があつまったら、
あとは逆算的に計画を練るだけだ。

忙しい中学生のスケジュールの中で、定期テストの勉強と英検の勉強、はたまた部活の大会練習、どれを優先させるべきか?となった時、戦略が決まっていれば、判断がしやすくなる。

長女のように「英検さえ取っていれば」という推薦基準なら英検に集中してもいいし、スポーツ推薦を狙う子なら部活やクラブチームの練習に力を入れてもいい。

ちなみに長女は、推薦で有利になればと、中学でも定期テストよりも英検の勉強を取った。何度も言うが、志望校側が「英検さえ持っていたら中学3年間の成績問わず」と言ってくれてるのだ。お言葉に甘えようじゃないか。ありがたい。

推薦で行きたいとなれば、日頃の学校での過ごし方も変わってくる。先生にちょっと反抗してみたり、校則を破ったり、心に尾崎豊を住まわせてる場合ではない。

そう。住まわせるなら、芦田愛菜。

長女は推薦を見越して、部長になり、学級委員にもなった。三年生がみんな進路決定のABCテストに全力を注いでる時に、学年で一人、英語の暗唱大会に出た。

ABCテストの結果は高校に提出される成績に反映されない。進路はある意味決定しているので、それよりも賞を取れば推薦の時に有利になるのではと暗唱大会に力を入れた。

これも、早くに進路を決めていたから下せた判断だと思う。

とかいって、実際は合唱コンクールや習字の大会も重なって、何を優先させたらいいのか、めちゃくちゃ悩んだけどね。


さて、逆に今回、大きな反省もある。

それは「受験勉強を独学で進めた」ことだ。

長女は塾に通っていない。
なぜなら、私が夕方送り迎えが出来ないから。
(北海道の田舎町の、更に端っこに住む私たちの近所に徒歩で通える塾はないし、バスの便も悪い。)

長女は、
受験のプロに勉強を習ったことがないのだ。

一応英語だけはプロである私が教えたし、私の教え方うんぬんよりも、私が所属している大手企業の考え抜かれた教材で、そのノウハウをそのままカリキュラムとして叩き込んだので、それは着実に英語力として彼女に根付いた。大手はすごいぞ。高額なチャージを(私から)取るだけのことはある。

もちろん長女は学校の先生の授業は真面目に聞くし、5教科教えられる叔母に全教科教えてもらったりした。

でも、それは知識や問題の解き方を教えてもらっているのであって、受験対策や効率的な勉強の進め方は、あくまで一個人のノウハウであり、また最近の受験傾向や試験頻出のデータ、また彼女の特性に合った勉強の進め方をアドバイスしてくれるプロに教えてもらったことはない。

もちろん、叔母のところに通って長女の成績は爆上がりしたし、今回特待生になれたのは間違いなく叔母の功績が大きい。そして長女自身も元々真面目なので一生懸命長時間勉強に打ち込んだが、彼女の勉強方法が果たして効率的だったのか、志望校の対策としてそれが合っていたのかは、最後までわからなかった。

それが、推薦試験で特待生になれなかった大きな理由の一つだと、母は冷静に思う。

そして、うちの長女は、ある意味本番に弱い。

緊張するタイプではない。
しかし、実力を出し切れないことが多いのだ。

これは長女の根っからの性質で、不器用ともいう。「こんなに努力したのだから、このくらいの結果は出るだろう」という期待値を、残念ながらいつも下回るのがうちの長女だ。たぶん真面目過ぎて頭が固い。私そっくり。

勉強だけではない。
3年間頑張った陸上も、毎日休まず練習に出て、誰よりもたくさん走って、誰よりも真面目にトレーニングしていたが、彼女が陸上大会で予選を通過して本選で結果を残したことは、ほぼない。
ゲッターズさんに見せたら、きっと「努力が実りにくい星」と言われると思う。

それは、彼女に才能がないわけではない。
「やり方」の問題だと母は思う。

過去にダイエットの記事でも書いたが、大事なのは、

①「正しい情報」を手に入れ、
②「正しい知識」
を身に付け、
③「正しい努力」
の方法で、その努力を
④「正しい量」
行うことだ。

多分、

①正しい情報は、本人だけでは足りないから、親も一緒になって情報を探す必要がある。しかし、もし長女が大手の塾に属していたら、もっと様々な出題傾向や、受験情報が得られたかもしれない、とは思う。

②正しい知識は、身に付けられた。これは、ひとえに叔母のおかげであり、学校の先生たちのおかげだ。そして、長年彼女に英語を教えてきた私のおかげ。誰も言わないから自分で言うけど。

③正しい努力。←ここだ!
彼女に足りないものは、この「正しい努力の方法」だと思う。きっともっと彼女の性質に合った、効率的な方法があったのではないか。

長女は④正しい量以上の勉強量を費やした。量も、時間も、親が「もう、やめたら…?」という程勉強した。

でもその方法が、何か非効率だったり、不器用だったりしていたのだと、今は思う。そして、あぁ、塾に通わせてあげてたらな、とも思うのだ。

私の教室でも、独学で頑張って英検を取ろうとする子はいる。英検直前コースを頑なに取らずになんとか独学で英検を取ろうとする生徒さんや保護者さんは多い。でも独学では、より時間がかかるし不合格のリスクが大きい。

たとえば5級はすべてマークシートなのにスペルの練習ばかりする子や、試験範囲ではない部分に時間を費やしている子がそうだ。

それが中学生以上なら、自分の勉強の方法も確立してくるだろうし、問題ないことも多い。でも、小学生で独学はきつい。授業料の元は取らせるので、お金をかけることに怯えず、一度でいいからちゃんと教えさせてくれたら、そんなに何度も英検を受けなくて済むのにな、と思うこともある。

独学は、自己流ともいう。
自己流は、言い換えれば自分都合の楽な方法でやることでもある。もちろんお金もかからない。でも、楽な道に逃げても結局時間もかかるし、うまく行かないのかもしれない。

私は、時間>お金、と思っている。

我が家は全くお金持ちではないが、お金は努力すれば稼ぐこともできるし、使わないことで減らさない努力もできる。

でも、時間は1日24時間、全人類均等に与えられている。自分の力で変えることが出来ない。そして、人生はいつ終わるかわからないのだ。時間をどう使うかは大事。

高校受験は、中3の後期には本格化する。
原則、高校受験のための勉強期間は3年間だ。

皆、同じく与えられる3年間
忙しい中学生の日常生活の時間を、効率的に使うためにプロにもっと頼ればよかったな、と今思う。


ちなみに長女が入った高校は、先生たちが信じられないくらい手厚いことで有名だ。私が通っていた時代から本当に先生たちが熱心で、それは変わっていないと今でも聞く。

高校に入ったら、受験のプロである先生たちを大いに利用して、自分に合った「正しい」効率的な勉強方法を確立してほしい。

私立高校はもちろん公立よりはお金がかかるが、国と自治体の就学支援制度もあるので、特待生になれなかったとしても、我が家の年収では授業料はおそらくかからない。

あの先生たちの熱心な補講や補習のおかげで塾に行かずに済むので、この場合の私立は逆に安上がりだと母は信じている。

長女と迎えた初めての高校受験。
第一志望の高校に入ることはできたが、
心身共に、キツイこともあった。
うまくいったことばかりではなかった。

それでも、きっと4月からのあの子の人生は明るいものとなるはず。

今日、娘と高校の制服を作りに行く。

私も、私の母も、義姉も、いとこたちも、そして私の親友たちも、みんな同じ制服であの高校に通った。そこに娘も仲間入りする。

長女は
「制服を作りに行くの、めっちゃ楽しみ!」
と、目をキラキラさせて言う。そして、ヘアアイロンをかけ、バッチバチにまつげを上げて、鼻歌を歌いながらアイラインを引き始めた。

色々あったけど、この子のこんな顔を見ていられるなら、万事オッケー。幸せだ。

がんばったね。
この経験は、きっとあなたの財産になる。

おつかれ様、娘!!

高校合格、おめでとう!!!


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