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秋・とんぼ・黄金の草原と王子さま
あれは幼稚園の頃。
みんなで工作をした。
秋だったから、たしかとんぼの紙飛行機、みたいなものだった気がする。
画用紙を切って、クレヨンで色を塗って、折り目を付けて完成。
先生が、お外に出て、みんなでとんぼを飛ばしてみましょう、と言った。
みんなは、わあっと歓声をあげて、我先にと外に飛び出していった。
男の子たちは早くもとんぼを飛ばしあって大騒ぎだった。
気が進まなかったわたしは、のろのろと靴を履き
ピンクのスパンコール
ピンク色のスパンコール…、なんて夢のような言葉の響きでしょう。
けれどわたしには、ほろ苦い、幼い日の思い出があるのです。
うすももいろのジョーゼット風の布地をたっぷり使った、フリルいっぱいのネグリジェ。それはかつて、母がわたしと妹に作ってくれたものでした。
母はわたしにワンピースのネグリジェを、幼い妹にはお揃いの生地でパジャマを、得意の裁縫でこしらえてくれました。
胸元にはこまかいピンタックの上
おばあちゃんのピンクのスカーフ
わたしのおばあちゃんのおはなしをしましょう。
おばあちゃんは、どんな人だった?と聞かれたら、わたしはよくよく考えあぐねた末に、こう答えます。「よくもわるくも、女性的な人であった」と。
小柄で背中の丸いおばあちゃんは体が弱くて、それが彼女の精神を蝕んでいたように思います。
狭いコミュニティの中での息詰まる付き合い、病弱で満足に畑仕事や家事ができなかったこと…。きっと人生のあらゆる場面で、他者から