「あなたはまだ本当の愛を知らない」インドを旅中あるインド人のおじさんに言われたその一言。「愛を知らない?」いや、わたしは知っているはずじゃ。。。揺らぎ始める何か。生きるってなんだ…
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#小説
第7話 旅する朱色のセーター
お腹の底からマヤと歌っていたら、すっかり身体にエネルギーが巡った。お腹が痛くてうずくまっていた私はどこへ行ったんだろう?
ヒンディー語の唄を教えてくれた子供たちの家に、夕方一緒に行こうとマヤが誘ってくれた。
フリーダムと沐浴したガンガーの川辺の近くに、子供たちだけでやっている小さなチャイ屋さんがあると言う。そこに子供たちは住んでいるらしい。
マヤはヨガのクラスが終わったら、私の部屋をノックす
第5話 自分を愛したい〜ガンガーの愛に触れる〜
コンコン、コンコン。薄暗く静かな部屋に響くノックの音。
ガンガーへ一緒に沐浴しに行くことを約束していたフリーダムだ。
私はそっとドアを開けて、小声で「ナマステー」と手を合わせ挨拶をした。フリーダムは私をそっとハグすると、チャーミングに微笑んだ。
昨日はマッサージの後、ベットに横たわり私はあっという間に眠ってしまい、でも不思議とフリーダムが来る少し前には、パッと目を覚ました。水をガブガブと飲ん
第4話 Massage is Message 〜身体に宿る記憶〜
フリーダムがジンジャーティーを飲み終え、私たちは「see you tomorrow 」と心目と目で合図を交わし、それぞれの時間の流れへと別れることにした。私はフリーダムの光に透ける金色の髪の毛が好きだった。腰まで届く一つに束ねた三つ編みが好きだった。笑った時の、目尻にできる皺が好きだった。若草色のパンジャビ姿が好きだった。世界を美しく見ている、彼女の魂が好きだった。お姉ちゃん。そう、年の離れた気の
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