NHK『トリセツショーの膝若返り』をみて
西荻窪駅から徒歩3分の股関節・骨盤矯正の整体・鴨下療法所です。【トリセツショー】
『NHKのとりせつショーで、膝の若返りをやってたわよ』とある患者様に教えていただきました。
早速、番組のページで拝見しました。
ネットから「ひざ若返りのトリセツ(取扱説明書)」がダウンロード出来るのに感心しました。
さて、中身を見てみると屈伸!!
私に、この番組を教えてくださった方も「先生が屈伸、屈伸っていつも言うけど、本当に屈伸って良いのね~」といわれてましたが、屈伸運動は本当にいい運動なのですがやり方で、ずいぶん意味が違ってしまいますので注意が必要です。
今回紹介している屈伸は『緩い負荷を膝関節にかけることにより軟骨の再生を図る』という考えのようですが、でしたら膝を曲げる時に膝がつま先よりも前に出ないようにしなければ体重の負荷が膝にかかってしまいます。
また、そもそも膝関節が痛かったり、変形するのには理由がありますがそれは多くの方の場合、O脚により骨盤が後傾したために太ももの前の筋肉が緊張し関節がずれたために起こります。
そして、この膝が前に出る屈伸を行ってしまうのもまさにO脚の人の特徴なのです。
O脚の骨盤は後傾していますから、膝を曲げると体重が股関節にかからず膝に負担が良く状態になっているのですから、その状態で屈伸を続けると余計膝に負担をかけてしまいます。
ですから、礒谷式力学療法の屈伸運動ではO脚の方の矯正として、まず骨盤を前傾させた状態で、つま先を付けてかかとを開くVの字の足の形で屈伸を行い、太ももの外側を緩め、内側の筋肉を鍛えていただきます。
しかし、番組で紹介している屈伸では脚にかかる負荷が強い筋肉がより強くなるという意味で、あまり関節の状態の修正にはなりません。
ですから、もし屈伸を行うのであればせめて、左右脚の幅を狭めて、骨盤を前傾させて膝がつま先を超えないようにして行うべきだと私は考えます。
また、番組で紹介されている島根県の95歳の女性はプールで膝を治したと紹介されています。
78才で起こった膝痛を治されたのは本当に素晴らしいですね。
また、水泳のマスターズで世界チャンピオンになられたとは本当に尊敬いたします。
ただ、私の勝手な想像なのですが水中ウォーキングは膝が痛くて陸上では歩くのが困難だった初めのころで、その後はよく陸上も併せて歩かれたのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
水中での歩行は膝に負荷がかからないので痛みが有る時には良いのですが、自分の体重を支える筋トレにはなりませんから、陸上でのウォーキングなどとセットで行っていかないと膝の状態はなかなか安定しないと思いますし、何より大切なのは正しく歩く『歩き方』だと思います。
鴨下療法所では、スマホなどで撮影していただいた歩行時の『動画から歩行相談』も行っております。
歩き方に自信がない方などは是非お試しください。
関連ブログ:「股関節が痛い方のプールでの水中歩行、必要?不要」
次に紹介されているのが椅子からの立ち上がりテストです。
安定した椅子に座って、腕を胸の前で組んで30秒間で何回立ったり座ったりができるかのテストです。
年齢別に回数が紹介されているので、私もチャレンジしましたが良好である23回以上とありますが
この立ったり座ったりに使う筋肉は、大腿四頭筋のほかにも股関節を曲げたり伸ばしたりの筋肉が色々使われますし、そもそも椅子に座った時の骨盤の状態によっても使う筋肉と負荷は変化しますから、この運動だけで内側広筋云々というのはちょっと?です。
ただ、確かにこの立ったり座ったりの筋肉は重力に抗して自重をさせるために必須のものですから、この運動が苦手になって来たら、脚の筋肉を鍛えないと寝たきりが近づいたことになってしまいますから注意しましょう。
筋肉は貯めることがあまりできません、1カ月前に山登りしたから大丈夫ではないのです。
毎日、意識的に歩くことを行わないと高齢になったから筋肉を増やすのはなかなか大変なことになってしまいますから、とにかく毎日歩くこと、体を使うことをいとわないで頑張りましょう。
そして、最後に紹介されているのが『6秒足首クロス』運動です。
これは椅子に座って脚をクロスにして後ろ脚を前に、前足を後ろに力を入れるという筋トレです。
確かに、これはやり方により膝関節のズレの修正にも良い影響がありそうですね。
ただ、これで鍛えているのは根本的に膝関節をずらせた張本人の筋肉ではありませんから、これに合わせて正しい屈伸運動を行うのが番組で言われているように良いと思います。
ただ、行う時の姿勢なども非常に大事だと思いますが、ダウンロードしたトリセツには座り方までの指示はありませんでしたが、番組ではどうだったのでしょうか、多分なかったのではないでしょうか。
ですから、私が指導するなら・・・
1、骨盤を立てて正しく座る
2、膝を離さないように脚をクロスさせる
3、前にある脚を後ろへ、後ろにある脚を前に力を入れる
4、長い脚が前にある時は時間を6秒、短い脚が前にある時には8秒行う
このように、この運動の効果を最大に高め、さらに脚のクセの左右差の解消まで含めて指導したいと思います。
テレビ番組などでは、決められた時間の中で、面白くネタを紹介するために個人差の話などが出てくることはまずありませんが、実際には膝がどのようにずれているのかは個人差がある話です。
ですから、万人向けの体操や運動というものはほとんどないと思った方が良いと私は考えています。
また、トリセツの最後に質疑応答が付記されていますが、その中で「正座は良くない」と書かれているので、これに関しては反対意見を述べたいと思います。
初めにも書きましたがO脚由来の膝痛は、太ももの前の筋肉が引っ張られて硬くなり関節をずらせていますので、膝痛の方こそ正座によりその筋肉のストレッチが有効なのです。
ただ、気を付けなくてはいけないのは痛みが無いように座るという事なのです。
正座椅子のように膝に負担がかからないとはいえ関節自体のストレッチにならないようなものではなく、座る時に膝の間に座布団を曲げ入れて痛みが無いように座るのです。
膝関節は運動などによりあらゆる方向に負荷がかかるので、関節がずれないように靭帯が取り巻いています。
そして靭帯は一度伸びてしまうと、元に戻らないといいますから、痛みが有る状態では靭帯に負担がかかっているから絶対に痛みなく座ることが大原則なのです。
また、体の歪みにより正座によりどこの筋肉をよりストレッチすべきかも見極めて座る時のかかとの位置、膝の出方も調節して最大の効果が出る正座を行っていただく礒谷式力学療法では膨大な成功した臨床例を持っているのです。
膝関節のトラブルも70年以上の歴史がある礒谷式力学療法× CS60の整体
杉並区・西荻窪 鴨下療法所
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