「寄付つき商品」の開発。作り手だからできる支援の一歩
※本商品の販売は終了いたしました※
こんにちは! 紙単衣の水引デザイナー小松です。
先日、令和元年東日本台風(台風19号)による信州被災地の復興を支援するため、1個あたり300円寄付できる商品「【ONE NAGANO】水引コードホルダー 復興支援限定カラー」を発売しました。
今回は、なぜこの商品を作ることにしたのか、私が扱っている「水引」という素材の特徴とものづくりの作り手ができる支援を考えてみた話をご紹介します。
企画のきっかけ:想いを結ぶ水引の役割を実感
昨年、ご縁あって持続可能な開発目標(SDGs)に含まれる一項目のプロジェクトを象徴する水引アイテムのデザインを担当させていただきました。
プロジェクトの象徴となるアイテムは、支援が必要な人とサポートしたい人の想いを結ぶ目印になります。(例えばSDGsのバッジ)
そのお仕事を経て、誰かが生きやすくなるための取り組みは積極的に応援したいし、そうした取り組みの中で水引を活かせる場面があれば、是非とも力を発揮したいと姿勢を正して考えました。
もともとご祝儀袋の飾り紐である「水引」は贈り主から貰い手へ「ありがとう」や「おめでとう」の想いを届けるアイコン的な存在です。たとえ"包む+結ぶ"を組み合わせて使う礼法の形式は崩れても、水引は"人・心・ご縁を結ぶ"という役割を根源的に担っているから、社会に貢献できるアイテム作りに向いていると思うのです。
関わるプロジェクトの選択
そんなわけで、自主的に社会に貢献すべく、寄付つきの水引商品を作って販売し売上の一部を寄付したいと思い始めました。
調べてみると、災害や貧困、病、事故、動物愛護等、困っている人を支援する取り組みは、世の中にたくさんあります。どれにしようか迷っていた今年初め、運命的なタイミングで見つけたのが、「"ONE NAGANO"~想いをひとつに~」です。
どうしてこの取り組みにひかれたかというと、「長野県」が私にとって身近な土地だからです。
幸い私の親族や友人、知人は被害にはあわなかったのですが、メディアを通して伝わってきた惨状には、本当に胸が痛みました。個人的にも寄付をしましたが、遠方からでも何か力になれることがないか…と思っていたのです。
寄付つき商品を手にするお客様に共感してもらうためにも、企画を継続するためにも、まず私の思いが強く乗るプロジェクトを選ぶことが大切だと思います。
目的から目標寄付額、商品を決める
寄付つき商品作りの目的は多くの寄付金を集めることにあります。
大企業に比べたら微々たる額にはなりますが、目標金額を定め、1個あたりの寄付額、製造販売個数を決めます。
300円の寄付はやや高めですが、売り場の目処もまだ立っていないので、目標寄付金額を達成できる現実的な製造販売個数を算出しました。
商品自体に期待することは、多くの人に欲しいと思ってもらえる魅力があり、購入後も宣伝を兼ねて使い続けられることが理想です。
そこで、私が主宰している水引ブランド紙単衣で人気の商品「水引コードホルダー 」の仕様はそのままに復興支援限定カラーを作ることにしました。
今や1人1台デジタル機器を携帯している時代、自分用にもプレゼント用にもあると重宝します。他社の同プロジェクトへの寄付つき商品とも被らないのも売り場に並べた時に強みだと思います。
<復興支援限定カラー>
復興支援限定カラーとして使用している水引の色は、みんなが信州をもっと好きになって、信州を発信していくことを目指すプロジェクト「しあわせ信州」のロゴマークカラーをイメージしています。(「ONE NAGANO」のロゴマークにも使われています。)
公式ロゴマークの使用申請
今回のプロジェクトの義援金や寄付金が含まれる商品に使用できる「ONE NAGANO」×「アルクマ」ロゴの使用申請 をしました。
お役所への申請なので、ちょっとドキドキしましたが、3週間弱で無事に使用許諾をいただきました。
パッケージ左上に、長野県公式PRキャラクター「アルクマ」ちゃんを載せて、使用許諾番号も記載しています↓
公式ロゴマークを使用することで、県庁に認められた商品になるので、信頼感が増し、販路開拓しやすくなるのではないかと期待します。
使用期限は2年間(更新可)なので、期間中に目標個数を販売したいです。
販売・営業開始
晴れて準備が整ったので、オンラインショップ並びに実店舗にて販売を開始しています。各SNSでもご紹介しています。また、すでにお取引のある長野県内のお店や、県外でも長野県とゆかりのあるお店にお取り扱いしてもらえないかと相談を進めています。
寄付金の使い道
集まった寄付金は半年ごとに総額を「長野県台風第19号災害対策本部」へ振り込みます。
振り込みが完了したら、ホームページ上でご報告予定です。
さいごに
初めての「寄付つき商品」企画は実験的な試みですが、ものづくりの作り手がすぐにでもできる支援方法なので、順調に運べば、今後も他のプロジェクトで展開していきたいと思っています。
ひとりの力は微力でも、共感してくださるお客様の想いをひとつに結んで、支援が必要な人のもとへ届けられたなら、"想いを結ぶ水引"らしい務めを果たせる、私にとってやりがいのある仕事になります。
信州が元気になったら、リンゴや桃などの青果がもっとたくさん美味しく食べられたり、行きたい観光スポットが増えたり、笑顔の人が増えて、日本全土の豊かさにつながります。あたたかいご支援と1日も早い被災地の復興を信じて、商品をお届けいたします。