kal_ori

創作折り紙作家。早稲田大学折り紙サークルW.O.L.F.元代表。鱗まで折りこんだ魚など、ハイディテールな作風が特徴。不切正方形一枚折りにこだわらず、長方形や複合での作品作り、作品への着彩など、自由なスタイルで折り紙創作を行う。

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創作折り紙作家。早稲田大学折り紙サークルW.O.L.F.元代表。鱗まで折りこんだ魚など、ハイディテールな作風が特徴。不切正方形一枚折りにこだわらず、長方形や複合での作品作り、作品への着彩など、自由なスタイルで折り紙創作を行う。

最近の記事

”折り紙を見る眼” 第5回折り紙品評会『騎士』

 折り紙作品を見るときにあなたはどこを見ているだろうか?  「折り紙作品をどう見るか」を作品の品評を通して紹介し、折り紙の魅力を発信する企画、”折り紙を見る眼”。第5回となる今回は、ゆーき(折り)氏の作品『騎士』を題材に、2名の折り紙創作家、Ooouch!氏、taiga氏のレビューのもと、折り紙作品の魅力を多角的に紹介していく。  前回の”折り紙を見る眼”はこちら  このnoteは、品評会で出た議論の内容を筆者が総合的にまとめたものである。レビュアー2名の評価資料はレビ

    • 折り紙作家の口癖「いや、手先が器用ってわけではないんですけど…」

      「こんなすごい作品が折れるなんて、ほんとに手先が器用なんですね!」 「いや、手先が器用ってわけではないんですけど…」 この会話、7万回はしました(嘘です。でも30回以上はしてます)。友人の折り紙作家も大体この会話を経験しています。サークルで折り紙展示なんてしようもんなら一日に3回はします。 「いや器用だろ」 「謙遜すんなよ」 ごめんなさい違うんですよ! ほんとに、手先が器用ってわけではないと思っているんですよ!! 1. 折り紙作家は手先が器用(しょっぱなから否定!)

      • ”折り紙を見る眼” 第4回折り紙品評会『狛犬』

         折り紙作品を見るときにあなたはどこを見ているだろうか?  「折り紙作品をどう見るか」を作品の品評を通して紹介し、折り紙の魅力を発信する企画、”折り紙を見る眼”。第4回となる今回は、ろきし氏の作品『狛犬』を題材に、3名の折り紙創作家、たけたけ氏、すけさん氏、長山海澄(Kaito)氏のレビューのもと、折り紙作品の魅力を多角的に紹介していく。  前回の”折り紙を見る眼”はこちら  このnoteは、品評会で出た議論の内容を筆者が総合的にまとめたものである。レビュアー3名の評価

        • ”折り紙を見る眼” 第3回折り紙品評会『メルセデス・ベンツ・Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)』

           折り紙作品を見るときにあなたはどこを見ているだろうか?  「折り紙作品をどう見るか」を作品の品評を通して紹介し、折り紙の魅力を発信する企画、”折り紙を見る眼”。第3回となる今回は、設計的折り紙が魅力の創作家はちけん氏の作品『メルセデス・ベンツ・Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)』を題材に、個性豊かな3名の折り紙創作家、ほんしょい氏、萩原元氏、σ氏のレビューのもと、折り紙作品の魅力を多角的に紹介していく。  なお、今回の作品は非常に設計的であり、深く理解するには多くの前提知識を

        • ”折り紙を見る眼” 第5回折り紙品評会『騎士』

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        • ”折り紙を見る眼” 第4回折り紙品評会『狛犬』

        • ”折り紙を見る眼” 第3回折り紙品評会『メルセデス・ベンツ・Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)』

          ”折り紙を見る眼” 第2回折り紙品評会『鬼』

           折り紙作品を見るときにあなたはどこを見ているだろうか?  「折り紙作品をどう見るか」を作品の品評を通して紹介し、折り紙の魅力を発信する企画、”折り紙を見る眼”。第2回となる今回は、折り紙創作家taiga氏の作品『鬼』を題材に、確かな実力のある折り紙作家、長山海澄(Kaito)氏、峯尾 彰太朗氏に私を加えた3名のレビューのもと、その作品の表現や構造の面白さ、折り紙ならではの魅力など、折り紙作品を多角的に紹介していく。  前回の”折り紙を見る眼”はこちら(詳細な記録なのでち

          ”折り紙を見る眼” 第2回折り紙品評会『鬼』

          ”折り紙を見る眼” 第1回折り紙品評会『ポリプテルス』

           折り紙作品を見るときに、あなたはどこを見ているだろうか?  「昔折り鶴を折ったことがある」。日本人の多くはそんな経験の持ち主だろう。そんな折り紙が近年急激に発達し、様々な作品が創作されているのは皆さんご存じだろうか?  SNSやメディア、大学の学祭での展示など、折り紙作品を見る機会は年々増え、リアルな動物の折り紙やかわいいキャラクターの折り紙などを一度は見たことのある人が増えていると思う。私の世代で折り紙にのめりこむきっかけと言えば、何といっても『TVチャンピオン』だ。作

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          ”不切正方形一枚折り”はなぜ”すごい”と言われるのか?

           現代の折り紙作品の多くは”不切正方形一枚折り”というレギュレーションで作られている。一枚の正方形の紙を用いて、切り込みを入れず、折るだけで形作るという伝統的なレギュレーションである。代表例としては伝承折り紙の『鶴』があげられるだろう。  折り紙を好きで趣味にしている人も、そうでない人も、折り紙と言えばまず思い浮かべるのはこの不切正方形一枚折りだ。「切り込みを入れるとなんかずるい気がする」、「二枚以上を組み合わせるのは何となく抵抗がある」といった感覚を持っている人は多い。私

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          折り紙用紙は"劣化"が起こりやすい紙である

          私のこのツイートに関していろんなことを言っている人がいるようです。 私のツイート ここに私の考えを整理して書いておきます。 言いたいことは、 ・コピー用紙で書道をしますか? ・パジャマでサッカーをしますか? という、ごく当たり前のことです。 まず、「折り紙用紙で折ることを否定している」ととらえた人がいるようですが、それは違います。折り紙用紙(以下普通紙)は劣化しやすいため、作品に用いるのに適していないケースが多い、ということを言っているだけです。 順番に説明します。

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