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「世界史探究」の探究
いま60代の私んときは、高校の世界史といえば、「世界史」1本しかなかった。
その後、「世界史A」と「世界史B」に分かれた。
「世界史A」は近現代史、「世界史B」は通史。どちらかを選ぶ。
ちなみに、世界史が「A」と「B」に分裂したのは、藤子不二雄が「A」と「F」に分裂したのと同時期である(1989年 これは試験に出る)。
そして、2022年度から、高校の世界史は、必修の「世界史総合」と、選択の「世界史探究」に再編された。
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「世界史探究」なんて科目ができたことを、いまさら私は、佐藤幸夫さんの最近のYouTube番組を見て知った。
【世界史学び直し】〈ヨコの同世紀世界史!これを学んで、今生きる21世紀の世界がのちにどう呼ばれるのか?一緒に考えてみませんか?セカシャカLive配信 ~社会人のための世界史class(第46弾)~(世界史予備校講師佐藤幸夫 Yukio Sato チャンネル 2024/5/25)
なんだよ「世界史探究」って。「探究」ってダサい。ヴィトゲンシュタインか柄谷行人か。
と、いまさら私なんかが文句を言っても遅い。もうそれで始まっているからね。(「日本史探究」「地理探究」もできた)
そもそも私は、「世界史探究」「世界史B」どころか、「世界史」そのものを勉強していない。
「世界史」の授業は受けたが、私のころは、大学入試で必須ではなかった。
もう詳しくは忘れたが、「倫社」とか、そのへんを選択すれば、「世界史」も「日本史」も「地理」も、受験で避けることができたのだ。
だから、受験科目としてまじめに勉強していない。
「暗記もの」が苦手だったのでね。
そのおかげで、そのへんの常識がない大人になり、常識がない老人として死んでいこうとしている。
そのことを、大いに反省し、後悔しているのだ。
なんで「世界史」が「世界史探究」になったのか、よくは知らないが、佐藤幸夫さんの授業を見るかぎり、面白そうだ。
昔のような「暗記もの」ではなくなり、大づかみに歴史の流れをとらえるコンセプトに見える。
しかも、従来の「各国史」や、「東洋史」「西洋史」のようなタテ割りをとっぱらい、東西南北を貫通する、同時代のヨコのつながりを重視しているという。
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素晴らしいじゃないか!
そういう世界史が学びたかったのだ。
学校の勉強も進歩してるね。
世界史の用語も、日本史と同様に、私らのころとはずいぶん変わった。
noteでも、世界史の先生が、「増えた用語」「消えた用語」、また表記の変更をまとめていた。
教科書によっても違うのだろうが、西ヨーロッパ偏重がなくなり、中近東や中央アジアの記述が増えた印象だ。
また、上の佐藤幸夫さんが解説しているように、たとえば15~16世紀の呼び名が、
「大発見時代」(大むかし)
↓
「大航海時代」(私のころ)
↓
「大交易・大交流時代」(イマココ)
と、変化した。
それは、単なる用語の変更ではなく、歴史の見方の進歩を示していると思う。
これで私が金持ちだったら、また円安でなければ、世界を実際に回りながら「探究」できたのだが。
その点は残念だけど、とにかく「世界史探究」は、私のような老人の「学び直し」にぴったりだなあ、と思ったのでした。