この景色は綺麗
酷い自分の顔を再確認して家を出た。登校日に伴う登校への抵抗感などは今日の朝は一切感じる事は無かった。一つは前も話した中学の友達のH君にまた会えるという期待があったから。このお陰で、通信制高校に入学して初めての卒業する為以外の理由で登校する事が出来た。(実際H君に会う事は出来なかった。もう嫌われたかも)そしてもう一つは昨日投稿した処女作になる有料短編小説「膜を通して。」を遂に投稿する事が出来たから。この作品の構想は何ヶ月も前からあったもので、「いつか何かの機会で皆んなに読んでもらいたいな。」という願望だけが一人歩きしている状態だった。その作品が漸くこの奇跡的に多くの人に見てもらっているnoteという自分発のプラットホームで発表する事が出来て本当に光栄な事だと思っていたからだ。けど一つ気掛かりな事があった。それはあんなにも毎日平均40個ぐらいスキを押してもらって、中には「貴方はいつか作家にでもなってみたらどうですか。」みたいな、文章を書いている身からすると最高級の褒め言葉に感じる事を言われていたのに、いざ有料短編小説を投稿したら何人からはスキを押してくれたけど、お金を払って小説の内容を読んでくれた人は一人も居なかったという事だ。クソが。お前の「貴方はいつか作家にでもなってみたらどうですか。」はどこ行ってん!俺やったらそんなにも文章が面白いと思う奴が初めて書いた小説なんて絶対読みたいと思うけどな。まあ、1000円というこのnoteの市場からしたらちょっと高値である事は間違いないけど、別に1000円ぐらいで投稿してバンバン買って貰ってる人なんか山程いるし、1000円以上の値段で買って貰ってる人も山程いる。ただお前らが適当にスキだけ押すorちょっとだけ読むみたいな事を常日頃行っている事が見え見えなんだよ!(俺もそうやけど。)もうその事で授業中も脳内パンクしそうなぐらい色々考えて、昼頃に「もういっその事投げ銭スタイルでやってみるか!」とか思って有料バーを最後のセリフの後に置いて数時間放置してみたけど、誰も金払う奴おらんかったやないか!舐めやがって!とか、なんか分かんないけどずっと思ってて、普通に考えれば誰か分からんクソガキの文章を死ぬ気で働いて稼いだ金で買って読むなんて俺なら絶対しないし、皆んなも絶対しないんだろうな。そんな事を考えながらいつもより一つ遅い電車に乗って帰宅していると、久しぶりにこの街の明かりを見た。少しノイズが入っている様な明かり。通り道には初めてのバイトの給料を下ろした銀行。何も考えずに走り回っていた校庭。近所のおじさん。何もかもが僕の求めていた景色だった。そこで気付いた。
金だけを求めるだけでは
この景色は見れなかった。
金だけを求めるから
この景色を綺麗だと思えた。
追記
作家を促してくれたふさふささんが、この記事について反応して頂きましたので是非、読んでみて下さい。ふさふささん。本当にありがとうございます。
そして、全文無料にしたので
是非、読んでみて下さい。
そして、処女作を一旦削除しました。
今度10月26日にもっと面白い内容で皆さんにお届けするのでお待ちしといて下さい!
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