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ボタニカル倶楽部

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「ボタニカル倶楽部」は植物を愛でることの素晴らしさを伝える活動です。いとうせいこう先輩が作ってくれた道を歩み、自分たちなりのボタニカルライフを発信し、いつか薄い本でも作れたらいい…
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記事一覧

大量の耐寒性パンジーを植える - ボタニカル倶楽部

大量の耐寒性パンジーを植える - ボタニカル倶楽部

こんなご時世だからなんなのか。去年と今年の記憶の結びつきが弱くなっている。令和の節目も曖昧な感じだったけれど、目の見えない厄災は記憶の境界線を曖昧にするものなのかもしれない。

10月から11月にかけて長野は秋の紅葉とともに冬の訪れを告げ始めている。山の色が少しずつ変わる様を見ながらドライブするのが好きなのだが、誰にも頼まれていない参勤交代のような全国行脚を続けていると季節の旬を見逃しがちだ。緯度

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葉緑体を奪う悪の組織「モンシロチョウ」 - ボタニカル倶楽部

葉緑体を奪う悪の組織「モンシロチョウ」 - ボタニカル倶楽部

あいつらは遺伝子レベルで覚えている。

昨年、芽キャベツの苗をひとつ植えてみた。ボタニカル倶楽部の前身といえる状態で、今よりも無知だった。無知の塊だった。いや、無知のその前の概念の零知かもしれない。なんとなく庭の雑草を刈り取り、なんとなく芽キャベツの成長を見届けていたら、ひらひらとモンシロチョウがやってきた。光が降り注ぎ、草木の緑と湿った土の色を背景にした蝶の姿は美しいものである。

昆虫は元々大

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トマトの急成長が怖い - ボタニカル倶楽部

トマトの急成長が怖い - ボタニカル倶楽部

春が過ぎて初夏手前の暑い日々が続いている。梅雨に一歩踏み入れた感は拭えないが、信州の天気はなぜかギリギリのラインで堪えているようだ。

3ヶ月前に植えたミニトマトの苗がとんでもないことになってきた。一言でいえばジュマンジだし、宇宙戦争でもあるし、クローバーフィールドでもある。ミストまではいかない得体の知れない恐怖が俺ににじり寄ってきているのである。

俺の無知なる家庭菜園コーナーは、東京の満員電車

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衝動的に土を42L買う男 - ボタニカル倶楽部

衝動的に土を42L買う男 - ボタニカル倶楽部

衝動的に園芸用の土を42L買ってきた。

日が落ちる前に近所のドラッグストアまで車を出し、カートに土をバンバン乗せて購入。愛車のオレンジ色のXVのバックドアを開けると、長靴やスコップ、過去の何かしらの乾いた土が落ちている。お洒落なSUV車の世界観構築はとっくのとうに諦めていて、実用性に特化した軽トラもどきだと思っているほうがいい。

そこに42Lの土袋を積み込む。俺は最近、土が大量にあると安心する

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