校則をなくした公立中学校の校長先生の話を聞いてみた
先日、西郷孝彦さんのオンライン講演会に参加しました。
「15歳までに大切にしたい、大人が子どもにできること~自立へと導く、子供への接し方」というタイトルで、1時間半の講演でした。
西郷孝彦先生は、世田谷区立桜丘中学校の前の校長先生でした。今は退職されています。私の中では千代田区立麹町中学校の校長先生だった工藤勇一さんと同じぐらい有名な方です。
↓ 私はまだ読めていませんが、ご参考までに。
大人が子どもに出来ることは、下の2点以外ないそうです。
「すべての子が生きやすい環境をつくること」
「子どもの今の幸せを大切にすること」
①すべての子への配慮
西郷先生が校長だった世田谷区立桜丘中学校では、朝起きれない子も、発達障害も、ギフテッドも、規則が必要な子も、普通の子も、すべての子供に平等に配慮がされています。誰々だけ許されるのではなく、全員です。
具体的には
・制服は着ても着なくても良い
・定期テスト、宿題廃止(100点のテストを5分割した小テストへ)
・携帯持ち込み可(板書を写メしていい)
・遅刻、早退なし(フレックスタイム)
・職員室前の廊下に机といすを置く(校内フリースクール)
治外法権になりやすい学校内のトラブルは、窃盗、恐喝、暴行など警察に連絡して対処していたそうです。自由だけど、法律は守らなければいけない!もちろん「子供たちに本物を見せてあげたいので、お付き合い願います」と事前に警察署に連絡されていたのですが。。。
世田谷区立桜丘中学校には現代社会に沿った本物の小さな社会があるように感じられました。
②こどもの今の幸せを大切にすること
将来のために!と我慢すると、未来に向かってずっと我慢することになります。偏差値の高い大学に行くために、給料の高い会社に就職するために、大きな仕事が任せてもらえるポジションに就くために・・・
子どもはいつ幸せに過ごすんだろう?
今を幸せに生きることは、子どもたちにとって生きる意味になるそうです。我慢ばかりさせてはいけない。出来ないことや欠点ばかり見せて、自己肯定感を下げてはいけない。
余談ですが、「保護者が辞めてくれないんだって悩むゲームや漫画も、他人と比べたり、ノルマを出したり、テストして結果を求めたら、嫌になってすぐ辞めるんじゃない?」って話されてました。学校の当たり前の中には、子供が(大人も)嫌になることが多いんですよね。
子どもって、学校に会いたい人がいたり、学校でやりたいことがあれば、大人が来なくていいって言ったって学校に来るらしいですよ。
自分の今の幸せのために。
私、講演の途中で泣きました。
なんでだろ??って考えてみたのですが
先生の愛情の深さに驚いたからだと思っています。
だってすべての子ですよ??!お世話になったK先生と似たなにかを感じたのかもしれません。子供のありのままの姿を受け入れる、こんな学校だったら私は休まずに行ってたよ。
「命を削ってまで学校に行く必要はないけど、家庭でも子どものスキをみつける助けはしてあげてほしい」とお話しされていました。スキは子供の心の支えになるそうです。
泣いたのには他の理由もありそうですが、忘れちゃった。。。
私は、今の学校の全てを否定したいわけではありません。
西郷先生もお話しされていましたが、自由になってどうしていいのかわからなくて困る子どももいるそうです。なんでも自由って「全て自分で考えて決めること」だから、しんどいです。なんとなーく選んで、なんとなくみんなと一緒で安心する時期だって必要だと思います。
今の学校が大好きな子ども達もいます。
だけど、30万人ぐらいの不登校な子どもがいるのも事実。
(目安ですが、高知市の人口32万人、前橋市の人口33万人、那覇市の人口31万人)全員を無視して現状のまま過ごすのは、どうかしているぜって感じます。
桜丘中学のやり方を全て真似したらいいっていうものじゃないと思うけど、これから公立の学校をどういう風に運営したらいいのか考える時には参考に出来ることがたくさんあるんじゃないかなと感じました。
校長先生って、本当はこんなにも裁量があります。。。
何が動けない理由になっているんだろう??
すべての子どもが幸せに過ごせるために、私は何ができるんだろう??