「俺のシリーズ」のビジネスモデルから学ぶ
皆さんは、俺のシリーズをご存知ですか?
「俺の」から始まる店名がなんともキャッチーですが、焼肉、パン、おでん、イタリアンなど全く異なる飲食店展開しています。
この「俺のシリーズ」は「高級料理」と「低価格」の両方を成し遂げるという前代未聞のビジネスを仕掛け大成功を手にしたのです。
そして、このビジネスモデルは下記の3つで可能となったのです。
①高級な食材に金を惜しまないこと(顧客満足)
②ミシュランの星クラスの一流シェフを集めること(参入障壁)
③立ち飲みにして高い顧客回転数を保つ(スペース有効活用による経費率低下)
本日は、これをひとつずつ順を追って説明していきます。
①高級な食材に金を惜しまないこと
飲食業界では「食材費の売上に占める原価率は30%以内に抑えるべき」というのが常識だ。原価率が50%以上はど素人、60%を超えたら潰れるとも言われています。
しかし、俺のシリーズの原価率はおおむね60%で、場合によっては100%を超える場合もあります。
② ミシュランの星クラスの一流シェフを集めること
さらに、ミシュランを取っているシェフを前面に立てる戦略を取っています。ミラノやパリの三流レストランで修行した有名シェフ、高級割烹の総料理長クラスをスカウトして、料理の質に負けない体制を作りました。
これは、真似だらけの飲食業界で「参入障壁」を作るためでした。
③ 立ち飲みにして高い顧客回転数を保
グランメゾンと呼ばれる高級レストランは6時頃に開店して、閉店の10時まではお客様を1組しか取らないのが通常です。
これに対して「俺のシリーズ」は同じスペースに高級店の3倍の数のお客を入れて、一晩に3回〜4回も入れ替わります。スペースを9倍〜12倍も有効活用しているのです。
この有効活用によって戦略の①の原価率60%と②の高級シェフを人件費を補いバランスをとっているのです。
以上の3つの戦略により、高級レストランに負けない豪華な料理を「居酒屋価格」で提供することでお客様に支持を得ています。
最後に
俺のシリーズは、この3つの戦略により新たな市場を生み出し様々な飲食店を展開しています。
この3つの戦略からの学びは「業界の常識を疑う」ということです。
俺のイタリアンは、飲食業界の常識である「原価率30%以内」というバイアスを、顧客回転率アップによって覆しました。
常識だとされていることが、工夫次第で変革できることが世の中にはきっとまだあるはずです。そのためには、日頃から常識に囚われず行動したいなと改めて感じました。